マンション

マンションリフォーム初心者向け【費用・自由度・会社選び】まで

マンションリフォームの相談を受けていると、多くの方が次のような “具体的でリアルな不安” を抱えています。

「200万〜500万の予算で、どこまで直せるのか見えない」
「キッチンや風呂を動かしたいが、本当にできるのか知りたい」
「住みながら工事できる範囲を知りたい。子どももいるので心配」
「費用が高騰しやすいポイントを事前に理解しておきたい」
「業者ごとに見積り金額が違いすぎて、本当に適正なのか分からない」

これらは “マンション特有の制約” “費用の境界線” を知らないまま検討を始めてしまうことで起こります。

この記事では、
「どこまでできる/できないのか」
「予算帯でどんな差が出るのか」
「工事中の生活はどうなるのか?」
「どんな業者を選べば失敗しないか?」

を、初めてリフォームを検討する方にも分かりやすいように丁寧に解説します。

マンションリフォーム費用の現実|「200万円・500万・1000万以上」でどこまでできる?

多くの方が最初に知りたいのは、 予算感とできる範囲 です。

まずは最も相談が多い以下の3つの予算帯で整理してみましょう。

📊 予算別に「できるマンションのリフォーム範囲」

予算帯主にできる工事内容住みながら工事の可否工期特徴
200万円前後クロス張替え、床部分リフォーム、トイレ交換、洗面台交換、簡易キッチン交換ほぼ可能3〜10日表層的な不満解消。見た目の刷新中心
500万円前後キッチン交換(位置変更なし)、ユニットバス交換、一部建具交換、床全面張替え一部不可(浴室など)1〜3週間水回り1箇所+内装改善で満足度が高い
1000万以上LDK全体リフォーム、間取りの軽微変更、収納造作、断熱内窓、ワークスペース追加状況により不可3週間以上生活動線から雰囲気まで総改善が可能

上の表はあくまで一般的な目安ですが、以下の“構造的な条件”により価格差は大きく変わります。

● マンションごとの「配管の高さ」

マンションは戸建てと異なり、排水勾配が確保できないとキッチンやトイレは動かせないため、
位置を変えずにそのまま器具交換する方が費用は安く、位置を変更する場合は高くなります。

特に “直床” のマンションは配管の自由度が低く、床上げが必要です。

マンションのキッチンリフォームについてこちらの記事へ

● 浴室は位置の制約が大きい

マンションは限られた面積に浴室やトイレなどを配置しています。「浴室が狭い」と感じている方で「サイズアップしたい」というご希望をされる方も多いのですが、面積的な制約でサイズアップが出来ないことが多くあります。

マンションの浴槽リフォームについてこちらの記事へ

● 窓が交換できず“内窓対応”になる

窓は共用部分扱いのため、自由に交換できるマンションはごくわずかです。
断熱性能を上げる場合は 内窓(二重サッシ)が現実的な選択肢になります。

マンションの窓リフォームについてこちらの記事へ

● 床材は「遮音等級」で選択肢が限られる

マンションには LL-45などの規定があり、フローリング・タイル・カーペット等の選択肢が制限されます。この制約を知らずに希望を伝えると、後で「できません」と言われがちです。

マンションの床リフォームについてこちらの記事へ

● 500万以上は「動線・収納・ワークスペース改善」が可能

この価格帯になると、単なる“設備交換”ではなく
生活の質そのものを底上げするリフォーム が可能になります。

LDKの回遊動線
収納計画の見直し
リモートワークスペースの造作
照明計画の最適化
内窓による断熱改善

予算が許すのであれば、壁の位置を変えるなど間取りの変更も可能となってくるので、満足度を上げていくことが可能です。

マンションのリフォームで「費用が跳ね上がる」ポイント5つ

リフォーム費用の相談で最も多いのが…

「思っていたより高かった」
「なぜこんなに追加費用が出るの?」

という声です。

マンション特有の “費用が上がる仕組み” を理解すると、見積りを見たときの不安が大幅に減ります。

【1】キッチン移動は排水勾配の影響で高額になりやすい
【2】浴室は面積的な制約が大きいので、サイズアップは難しい
【3】窓は共用部なので交換できない
【4】床材は「遮音等級」で選べる範囲が変わる
【5】スケルトンは配管の総交換で費用が上がる

【1】キッチン移動は排水勾配の影響で高額になりやすい

マンションの排水は「高いところ→低いところ」へ流れる仕組みなので、
排水管の位置より高い位置にキッチンを設置できない のが基本です。

距離を延ばすと、

  • 床上げ工事
  • 長尺配管
  • 防音施工

が必要になり、費用は大きく増えます。

👉 くわしくは「マンションのキッチンリフォーム完全ガイド|制約・費用・動線・トラブル回避まで」で書いていますのでこちらを確認してみてください。

【2】浴室は面積的な制約が大きいので、サイズアップは難しい

ユニットバスは “一体型の大きな箱” のようなもの。

排水位置・梁・PS(パイプスペース)が干渉すると、
1サイズ大きくするだけでも不可能 なケースがあります。

浴室を広くしたい方は、購入前に必ずチェックが必要です。

👉 くわしくは「工事前に知らないではすまない!マンション浴室リフォームのルール」で解説しています。

【3】窓は共用部なので交換できない

マンションのルールで最も誤解が多いのがここです。

窓は共有部分なので、基本的には好きな窓に交換できません。

できる対策は「内窓追加」のみで、
断熱性能・防音性能は大幅に改善できます。

👉 くわしくは「マンションの窓リフォームしたら結露・寒さ・騒音から解放される?」で解説しています。

【4】床材は「遮音等級」で選べる範囲が変わる

管理規約には必ず、

「LL-◯◯相当以上の遮音性能を持つ床材を使用すること」

といった文言があります。

そのため、希望していた無垢材・フロアタイル・タイルカーペットが
使えないケースもあります。

👉 くわしくは「マンションの床リフォームは本当に自由にできる?」で解説しています。

【5】スケルトンは配管の総交換で費用が上がる

スケルトンリフォームは“自由度が高い” と思われがちですが、
実際には以下の要因で費用が上がりやすく…

  • 給排水管の総入替え
  • 電気配線の引き直し
  • 断熱補強
  • 下地補修

結果的に 1000万~2500万円以上 になることも珍しくありません。

👉 くわしくは「マンションのスケルトンリフォーム費用【相場・内訳・注意点まで】」で説明しています。

2025年に申請できる主な補助金制度(神奈川県版)

ここでは、当社の所在がある神奈川県を例にマンションリフォームと相性の良い補助金制度だけに絞って解説します。

※内容は年度によって変更されます。

📍 1. こどもエコすまい支援事業(国土交通省)

マンションでも申請できる国の大型制度。
“省エネ性能向上” がテーマで、次の設備が対象です。

  • 内窓(二重サッシ)
  • 節湯水栓
  • 断熱浴槽
  • 浴室暖房
  • 節電型設備

補助額:最大20万円(工事内容により変動)

※人気が高く予算が早期に消化されるため、毎年「早めの申請」が必須です。

📍 2. 神奈川県既存住宅省エネ改修補助金

神奈川県が独自で実施している補助金。
マンションの“室内断熱アップ”に役立ちます。

対象工事:

  • 断熱内窓
  • 断熱材の追加施工
  • 浴室乾燥機(省エネ基準を満たすもの)
  • 高効率給湯器

補助額:工事費の1/3(上限20万円前後)

マンションでは「内窓」との相性が特に良く、
神奈川エリアのマンションでは採択率が高い傾向です。

📍 3. 横浜市 高齢者住宅改修助成制度

横浜市に住む高齢者を対象にした制度で、
バリアフリー工事 に幅広く使えます。

対象工事:

  • 手すり設置
  • 段差解消
  • 滑りにくい床材の変更
  • 浴室内の転倒対策

補助額:工事費の1/2(上限10万円程度)

築30年以上のマンションが多い地域では、
「浴室の段差をなくす」「トイレに手すりを追加」など、
安全性向上のために利用されるケースが多く見られます。

“マンションリフォームにおける補助金のリアル”

補助金制度には「使える」「使えない」を左右するポイントがいくつかあります。

【1】補助金は工事の“前”に申請が必要

多くの方がここでつまずきます。

工事が始まってしまうと 一切対象外 になるため、
見積り → 製品選定 → 管理組合承認 → 申請 → 着工
という流れになります。

【2】マンションは管理組合の承認が想像以上に重要

たとえば、

  • 浴室暖房乾燥機の電気容量
  • 工事の時期や時間の制約
  • 換気設備の排気ルート

などは、管理組合の許可が必須です。

申請の通りやすさはマンションによってまったく違い、
その“読み” ができる施工会社かどうかが鍵になります。

【3】補助金は早期終了するケースが非常に多い

特に国の大型制度は予算が消化され次第終了
となるため、毎年GW前〜初夏で締め切られることが多いです。

補助金活用チェックリスト(最低限これだけは確認を)

チェック

✅対象工事に該当しているか

✅工事前に申請しているか

✅管理組合の承認を取っているか

✅証明書類(性能証明書・型番・写真等)を施工会社が対応してくれるか

✅申請期限・予算上限が残っているか

この5つを押さえるだけで、
「申請したのに使えなかった」というトラブルはほぼ防げます。

■ 他県の補助金はどう調べる?

本記事では 神奈川県の制度に限定して紹介しましたが、
補助金は自治体ごとに大きく異なります。

そのため、
神奈川県以外にお住まいの方は自治体HPを必ずチェック
してください。

「市町村名+住宅改修補助金」
「市町村名+省エネ 改修 補助」

などで検索すると最新情報が得られます。

住みながらマンションリフォームは可能?|工事別の現実的な判断

多くの方が言います。

「できれば住みながら工事したい」
「子どももいるので、引っ越し費用を抑えたい」

しかし、物件や工事内容によって“できる/できない” は明確に変わります。

ここではマンションリフォームにおいて、「住みながらリフォームできるのか?できないのか?」などあなたの判断基準に役立つ情報をお伝えします。

📊 マンションに住みながらリフォーム工事はどこまでできる?

住みながらリフォームできるかどうかは、実は 「工事内容」よりも「生活インフラが確保されるかどうか」で判断するのが一番わかりやすい基準です。

工事内容住みながらの可否できない理由注意点
クロス・床(部分施工)ほぼ問題なしホコリ・騒音あり
キッチン交換(位置そのまま)使用不可の期間あり1〜2日キッチン利用不可
浴室交換数日間入浴不可近隣入浴施設を利用
LDK全面改装×騒音・粉じんが多い作業スペース確保が困難
スケルトン×配管撤去で水が使えない完全退去が必須

*こちらの内容は一般的な傾向ではありますが、マンションの築年数・構造・管理規約・工事手順によっても変わります。事前に関係者各位に相談した上で工事を行うか決めてください。

🔍 床(フローリング)やクロスは住みながら可能。ただし“住みながらの方が日数は長引く”

床張り替えやクロス張替えは住みながら可能ですが、以下の理由で工期が延びることがあります。

問題点

家具移動のため「部屋ごと」にしか工事できない

生活動線が確保できる範囲でしか作業できない

子どもやペットがいる場合、安全な時間帯に工事を絞る必要がある

そのため、工期を短くしたい場合は、
家具を別室に集める・倉庫に一時保管する などの工夫が必要になります。

🔍 キッチン・浴室の工事は“使えない期間”が発生するため住みながらNGになりやすい

キッチン交換や浴室リフォームは、
「工事自体は住みながら可能でも、その期間は設備が使えない」という点が大きな問題となります。

問題点

キッチン交換 → 2〜5日間は水が使えない

浴室交換 → 3〜7日ほど入浴できない

給湯器交換 → 全室の給湯がストップする場合がある

設備が使えない=生活が成り立たないため、
多くのご家庭では 一時的にホテルや実家へ避難 という選択になることが多いです。

🔍 騒音が出る工事は“時間帯制限”で作業量が限られる

マンションでは「作業音の出せる時間」が決まっていることが多く、
9:00〜17:00 など範囲が狭いため、

  • 壁下地の修繕
  • 解体工事
  • フローリング施工

といった“音の出る作業”は住みながらの場合だと進みが遅くなります。

さらに子育て世帯では、
「お昼寝の時間だけ静かにしてほしい」などの要望があるため、
施工会社は工事手順を柔軟に組む必要があります。

🔍 スケルトンは100%住みながら不可能

スケルトン工事(床・壁・天井すべて解体)は、
「生活インフラ」がすべて止まるため、住みながらは不可能 です。

問題点

電気停止

給排水停止

粉じん発生

騒音

床がない状態で危険性が高い

工事期間中は必ず 仮住まい が必要となります。

🏠 住みながら工事の場合でも、管理組合への申請は必要

“住みながらだから申請不要” ではありません。
むしろ、通常より手続きが増えるケースもあります。

ポイント

騒音にストレスを感じる住民が多い

エレベーター養生・工事車両の出入り制限

共用部の通行規定

など、住民トラブルを避けるために管理側のチェックが厳しくなる傾向があります。

施工会社が “管理組合との調整をすべて代行してくれるかどうか” は、
住みながらリフォームをする場合の非常に大事なポイントです。

■ 住みながら工事の注意点

注意点

養生(床保護)が不十分だと家具に傷がつく

小さなお子様・高齢者はストレスが大きい

工事の騒音で在宅ワークが困難

同じ部屋に暮らしていると進行が遅くなり工期が延びる

実際には 300万円前後の工事までなら住みながらが現実的 です。
500万円以上の“広範囲リフォーム” は一時的な退去をおすすめします。

マンションリフォームの「自由度マップ」|できる工事・できない工事

マンションのリフォームで最も理解しておきたいのが、
構造と配管が自由度を決める という点です。

📊 マンションリフォームの自由度

工事内容自由度補足説明
間取り変更(非構造壁)★★★壁が軽量鉄骨なので動かしやすい
キッチン交換(位置そのまま)★★★配管の変更が最小限で済む
キッチン移動★☆☆排水制約が強く床上げが必要
浴室交換★★☆サイズアップは難しい
窓断熱(内窓のみ)★☆☆本体交換は不可
床材変更★★☆遮音等級により選択肢が限定
スケルトン★☆☆配管総交換で高額

■ 結論:自由度=費用ではない

  • 自由度が高いから安いわけではない
  • 自由度が低くてもコストが大きくなることもある
例:キッチン移動は“自由度は低い”のに“費用は高くなる”

キッチンを移動できる距離には限界がある。
しかし、移動が可能な範囲でも工事の手間が大きい。
排水管の位置調整・床の高さ調整が必要になる。

→ 結果として、
「できる範囲は狭いのに高額になりやすい」
という矛盾が生まれます。
例:間取り変更は“自由度が高い”のに“費用が高くなる場合もある”

壁の撤去自体は簡単でも
新しく造作するデザインや素材で変動
扉・収納棚などを造りつける場合は費用UP

→ 自由にできても、内容次第で高額にも低額にもなる。

🎯 まとめると…

自由度は「どこまで思い通りに動かせるか」
費用は「実際に手間がどれだけかかるか」

この2つは 全く別物と考えると分かりやすくなります。

■ 中古マンション購入前に“リフォーム向きか”を見抜くチェックリスト

もし、あなたがまだマンションには住んでいなくてこれから中古マンションを購入しリフォームを検討しているのであれば、最低限チェックしておくべきことがあります。購入してから「この部屋、リフォーム向きじゃなかった…」と後悔するケースも珍しくないため、必ず一読してみてください。

以下は “リフォーム向き物件を見抜くための基準” です。

■ PS(排水縦管)の位置 — キッチンや洗面の移動できる範囲が決まる

排水を流す“縦の管”がどこを通っているかで、水回りがどれくらい動かせるかが変わります。
キッチン移動の可否は、この位置がほぼすべてを握っています。

「水回りの位置を動かしたい」という方は、特に要チェックです。


■ 梁(はり)の高さ・位置 — 天井の段差やレイアウト制限につながる

天井を見たとき、部分的に下がっているところがありますよね。
それが“梁(はり)”で、収納・照明・間取りの自由度に強く影響します。


■ 二重床 or 直床 — 床材の選びやすさと配管ルートに影響

  • 二重床:床下に空間があり配管が動かしやすい
  • 直床:コンクリートに直接床材を貼るため、音や床材の制限が厳しい

フローリングの種類が選べるかどうかにも関わるため、要注目です。


■ 排水管の劣化 — “追加費用が出やすいポイント”

古いマンションほど排水管が劣化している可能性が高く、
交換が必要になると費用が跳ね上がるケースがあります。

「見えない部分こそ大事」というのは、まさにここです。


■ 天井高 — リノベの“開放感”が決まる

天井高はマンションによって大きく違うため、
事前に“最高でどこまで上げられるか”を知っておくと間取り計画がスムーズです。


■ 窓の種類 — 断熱性能と“できるリフォームの範囲”が決まる

マンションの窓は基本的に共用部なので交換は不可。
断熱改善は「内窓」対応になりますが、窓の種類によって効果が変わります。


■ 管理状態(重要) — “リフォームしやすいマンションか”の指標

管理がしっかりしているマンションは、

  • 修繕履歴が明確
  • 共用部の設備メンテが行き届いている
  • 管理組合の対応が丁寧

など、リフォームに協力的な傾向があります。


🌱 より詳しいチェックポイントは、こちらの記事が分かりやすいです

マンションの内見時に「どこを見るべきか?」を網羅したガイドとして、
以下の記事を参考にしていただくと、さらに深く理解できます。

マンションリフォーム会社の選び方|失敗しない見積りの読み方

マンションリフォームで後悔している人の多くは、「業者選び」か「見積りの理解不足」 が原因です。

【良い会社を見抜く質問】

● 管理規約を確認したいのですが可能でしょうか?→ 「規約を見ないで提案してくる」会社は危険
● 現地調査をした際の写真を見てみたのですが可能でしょうか?→ 良い会社は必ず“根拠のある調査報告”を出す
● 見積りを出していただけますか? “一式●●円” が多い見積りは避ける

以下に、良い会社・悪い会社によって質問した際にどのような返信が来るのかイメージをもっていただくために例をお見せします。

良い会社のメール返信例(スワイプすると、良い会社の返信メールの例文がみれます)

① 管理規約を確認してくれる会社

件名:マンション管理規約の確認について

〇〇様
お問い合わせありがとうございます。
〇〇リフォームの△△です。

いただいたご相談内容を拝見し、まずはマンション管理規約と使用細則の確認が必要と判断しております。
特に「工事可能な時間帯」「騒音を伴う工事の制限」「床材の遮音等級」「窓・配管まわりの制約」など、規約によってできる/できない工事が変わるためです。

差し支えなければ、管理規約の PDF データまたは紙面をお送りいただけますでしょうか。
当社にて精読し、規約を踏まえたご提案書を作成いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。
△△

② 現地調査が写真付きでレポートを出す会社

件名:現地調査の結果ご報告(写真付き)

〇〇様
先日は現地調査にご協力いただき、誠にありがとうございました。

調査結果を写真付きでまとめたレポートを添付しております(全14ページ)。
以下の内容をご確認いただけます:

  • キッチン下配管の劣化状況(写真4)
  • 浴室の排水勾配(写真8)
  • 天井梁の位置・高さ(写真10〜12)
  • 玄関土間の高さと二重床の状態(写真13)

これらの調査を踏まえ、工事可能範囲・制約・推奨プランを分かりやすく整理しております。

ご不明点があれば、どうぞお気軽にお知らせください。
□□リフォーム △△

③ 見積りに根拠(数量・仕様)が明確な会社

件名:お見積りのご提出(数量明細付き)

〇〇様

ご依頼いただいた工事のお見積りをご提出します。
当社では 数量・仕様・単価の根拠がわかる明細書 を添付しております。

例:

  • キッチン交換工事:25万円
     (本体 180,000円、解体 20,000円、施工 50,000円)
  • 床材貼替:18㎡ × 7,000円/㎡
  • クロス貼替:45㎡ × 950円/㎡

「どの工程にいくらかかっているのか」を明確にすることで、
安心してご検討いただける資料になっているかと思います。

ご確認のうえ、気になる点はお気軽にご相談ください。
△△リフォーム □□

❌ 悪い会社のメール返信例(スワイプすると、悪い会社の返信メールの例文がみれます)

① 管理規約を確認しない会社

件名:お見積りできます!

〇〇さま

特に管理規約の確認などは不要ですので、
すぐに工事内容のご提案が可能です!
(※マンションはどこも大体同じです)

とりあえずキッチン移動もできますし、壁もだいたい壊せます。

よろしくお願いします!

危険ポイント:規約を見ないで「できます」連発

② 写真なし・根拠なしの現地調査報告

件名:現地調査終わりました

〇〇さま

現地調査してきました。
特に問題はありませんでしたので、工事できます。

以上です。よろしくお願いします。

危険ポイント:写真なし/具体的根拠なし/1行報告

③ “一式” ばかりの見積書を出す会社

件名:お見積り

〇〇さま

以下、お見積りになります。

  • キッチン工事 一式 80万円
  • 浴室工事 一式 120万円
  • 内装工事 一式 50万円

合計:250万円

よろしくお願いします。

危険ポイント:一式ばかりで内訳ゼロ/比較できない

【良い見積り/悪い見積りの具体例】

✔ 良い見積り

良い例
  • 何にいくら掛かっているのかが明確
  • 追加工事の可能性を事前に説明してくれる
  • 施工範囲が図面と紐付いている

📄 良い見積書(例)

【工事項目明細】

工事項目数量/範囲単価金額補足説明
養生費(共用部)30㎡800円24,000円エレベーター前〜玄関までの養生。管理規約の指定方法に準拠
キッチン本体交換(LIXIL シエラ)1式180,000円180,000円仕様型番:〇〇。既存撤去・搬入含む
キッチン解体撤去1式25,000円25,000円廃棄物の分別・運搬含む
給排水工事(位置変更なし)1式45,000円45,000円床下配管の状態により追加費用の可能性あり(後述)
床材貼替(LL-45 フローリング)18㎡7,200円129,600円管理規約の遮音等級に適合
クロス貼替(天井・壁)45㎡950円42,750円のり・下地調整含む
産廃処分費1式28,000円28,000円量に応じて増減の可能性あり ※事前に目安提示
管理組合届け出費1式8,000円8,000円申請書作成・申請代行。工事計画書含む
諸経費(人件費・運搬)1式15,000円15,000円職人手配、現場管理費、軽トラ運搬費含む
【追加工事の可能性(事前説明)】
※現地調査の結果、床下の給水管の劣化が見られた場合、
1m あたり 3,800円程度の交換費用が発生する可能性があります。

必要な場合は必ず写真付きでご説明したうえで着手いたします。

【施工範囲の図面連携】
・キッチン交換:図面 A-102
・床貼替:図面 A-110(リビング〜廊下)
・クロス貼替:図面 A-120(全居室)

↑このように「どの範囲が工事対象なのかを図面単位で明記」しているため、
「言った/言わない」トラブルが起きにくいです。

✖ 悪い見積り

悪い例
  • 「雑工事一式」「設備交換一式」が多い
  • 根拠のない値引きがある
  • 管理組合申請の説明がない

📄 悪い見積書(例)

【工事項目明細】

工事項目金額備考
キッチン工事一式300,000円本体・交換含む
床工事一式200,000円LL45対応 ※詳細不明
内装工事一式150,000円クロスなど
雑工事一式100,000円内訳なし
値引き▲50,000円特別値引き

【問題点】

「一式」ばかりで何にいくら掛かっているか不明
・床が LL-40 なのか LL-45 なのかすら書いていない
・雑工事の内容が記載されず、後から追加請求される可能性
値引きの根拠がゼロ(=最初から上乗せしている可能性)

↑このような見積もりを出される業者は代行してくれない・工事できないリスクすらあります。

P.S見積り項目の理解(初心者向けに補足)

  • 養生費 …共用部を傷つけないための保護費用
  • 産廃処分費 …撤去した設備の処分費。㎡単価が重要
  • 諸経費 …職人手配・運搬費など。高すぎると要注意

これらが “なぜ必要なのか” を理解できると、
見積りの良し悪しが自然と分かるようになります。

■ マンションリフォームで後悔しないために押さえるべき3つのポイント

  1. 予算の境界線を理解する(200万円/500万円/1000万円以上)
  2. マンション特有の制約を知る(窓・床・排水・構造)
  3. 業者選びは根拠のある見積り・調査報告がすべて

正しい情報を持つだけで、
「自分の家でできること/できないこと」がはっきりし、
リフォーム計画がスムーズに前に進みます。

まとめ|マンションリフォームで失敗しないためには

マンションリフォームは、構造(排水・PS・梁)や管理規約の制約により「できること/できないこと」が大きく変わるため、事前確認が最重要です。費用は200万円・500万円・1000万円以上と幅がありますが、違いを生むのは工事範囲(キッチン・浴室・間取り)×制約(排水・床構造)×追加工事の有無です。

また“自由度=費用の安さ”ではなく、移動が難しいキッチンや排水の制限がある場所ほど高額になりやすい点に注意が必要です。

住みながら工事できるか、騒音がどれほど出るか、在宅ワークが可能かといった生活への影響も工事内容によって変わります。良い会社は管理規約を確認し、写真付きの調査報告と明細見積りを提示してくれますが、悪い会社は「一式」見積りや根拠のない値引きが多く、トラブルの原因になります。

さらに、断熱窓や高効率設備の導入では補助金が利用できる可能性もあり、総額を抑える大きな手助けになります。

全体として、マンションリフォームで失敗しないためには、制約理解・費用根拠・会社選び・生活影響・補助金の5つを正しく押さえることが鍵となります。

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