マンション

マンションの窓リフォームしたら結露・寒さ・騒音から解放される?

「冬になると窓まわりの結露がひどくなり、カーテンが濡れてカビが生えてしまう」
「冷たい外気が入り込み、暖房をつけても足元がスースーしてしまう」
「道路や電車などの騒音が室内に響いて落ち着かない」

マンションにお住まいの方から、こうしたお悩みを相談いただくことは少なくありません。
しかし、多くの方はこう考えています。

「マンションの窓は共用部分だから、リフォームできないんでしょう?」

実は、これは “半分だけ正しい情報” です。

結論から言うと、マンションでも窓のリフォームはできます
ただし、「どこまでできるか」にはルールがあるため、その点を正しく理解することが大切です。

本記事では、神奈川県で暮らしながら、快適に・心地よく・長く暮らしていくために
マンションの窓リフォームについて、解説します。

マンションの窓は本当にリフォームできない?|「専有部分」と「共用部分」の境界はどこ?

「マンションは窓を勝手に替えられない」という声はとても多いですが、実際には “できる部分” と “許可が必要な部分” が明確に分かれています。

■ マンションの窓「専有部分と共用部分」

マンションは、建物全体を複数の所有者が共有する構造であるため、
住宅部分には 個人が所有する範囲(専有部分)全体で管理する範囲(共用部分) が存在します。

部分位置扱い原則としてのリフォーム可否理由
窓サッシ(枠)建物外壁と一体共用部分住戸単独での交換は不可建物の防水性能や外観に関わるため
窓ガラスサッシ枠内部専有部分扱いになることが多い交換できる場合が多い外観影響が小さく、室内で完結するため
内窓(インナーサッシ)室内側に新設専有部分設置が可能な場合が多い既存サッシに手を加えず性能を向上できるため

ここで注意したい3つのポイント

① 管理規約に「窓は共用部分」と明記されていることが多い

窓は建物の一部として扱われるため、サッシを交換するには管理組合の承認が必要 です。
一方で、ガラス交換や内窓設置は室内で完結し外観への影響が少ないため、専有部分として扱われるケースが多い という背景があります。

サッシ交換管理組合の承認が必要
ガラス交換 / 内窓設置 専有部分なので比較的スムーズに進められる

判断の基準は「建物外観」「防水ライン」「躯体に手を加えるか」 にあります。

② 「専有部分でも事前連絡が必要」な場合がある

たとえ専有部分の工事であっても、
工事中の 足場・騒音・共用部の搬入動線 に関わるため、
管理組合への簡易届出が求められることがあります。

工事期間中に廊下の養生(ガラス枠などで壁・床が傷つくのを防ぐもの)が必要
ガラスを搬入する際にエレベーターを使用する

事前連絡が推奨されるケース

つまり、
「工事の対象」 は専有部分だけど、
「工事の作業」 は共用部分に利用する

→こういった場合においては管理組合への連絡が必要、ということです。

③ 判断に迷った場合は「管理規約・細則」を確認する

多くのマンションでは次の書類に基準が示されています。

管理規約(建物全体のルール)
使用細則(各設備の扱いを明確化した文書)

中でも、
「共用部分の変更に関する条文」
「専有部分の改修に関する届出規定」
が該当します。

管理規約は理事会または管理会社に問い合わせれば提供してもらえます。

マンションの窓は 「どこまでが共有財産で、どこからが個人の判断領域なのか」 を理解することで、
どの工事が現実的に進められるかが明確になります。

そのうえで、工事内容に応じて 管理組合への相談のタイミングを調整することが、窓リフォームのスムーズな進行につながります。

■ 神奈川・横浜エリア特有の事情

もし、あなたが横浜・湘南エリアのマンションに住んでいるのであれば築20〜40年のマンションに住んでいるかもしれません。横浜・湘南エリアのマンションでは築20〜40年の物件が多く、当時の断熱性能は現在と大きく異なります。

そのため、

現象
  • 冬の冷え込み
  • 夏の室温上昇
  • 結露の発生

といった問題は、窓まわりの性能不足が原因であることが非常に多いのです。今こそリフォームのタイミングかもしれません。

お悩み別にみる、最適なマンション窓のリフォームの選び方

窓リフォームは「どれが正解」という形ではなく、
現在の住まいの課題に対して、どの性能を優先するかによって最適解が変わります。

ここでは、特に、マンションの窓リフォームにおいて相談されるケースの多い悩みごとをピックアップし、それぞれに適した工事の方向性をお伝えします。

1.「結露が気になる人に適した窓リフォーム」
2.「冬の寒さや夏の暑さがつらい人に適した窓リフォーム」
3.「騒音が気になる人に適した窓リフォーム」

■ 結露が気になる場合

冬場、窓まわりに水滴が溜まり、カビの発生やクロスの傷みにつながる場合は、
室内外の温度差を緩やかにすることが最も重要です。

  • 断熱ガラスへの交換
  • 内窓(二重窓)設置

これらにより、ガラス面の表面温度が上がり、結露の発生を抑えることができます。

*費用が気になる人は「マンション窓リフォームの費用相場|目的に応じた工事の選択」へ

■ 冬の寒さや夏の暑さがつらい場合

季節の温度変化を和らげるためには、気密性と断熱性 を同時に高める必要があります。

特に有効な工事は以下の通りです。

  • 内窓設置 + 樹脂枠採用
  • (許可が得られる場合)サッシごと交換

内窓は空気層を作り、外気が室内に伝わるまでの抵抗を増やします。
結果として、室温が安定し、暖房・冷房の効率が向上します。

*費用が気になる人は「マンション窓リフォームの費用相場|目的に応じた工事の選択」へ

■ 騒音が気になる場合

外からの音が大きく聞こえる場合は、音の振動を遮断する構造 が求められます。

  • 内窓+防音ガラス
  • 音源方向に面した側の窓優先での施工

内窓は「空気層」そのものが遮音層として機能するため、
交通量の多い道路沿いや駅近のマンションでも効果が実感されることが多いです。

*費用が気になる人は「マンション窓リフォームの費用相場|目的に応じた工事の選択」へ

管理組合への相談・申請はどのように進める?マンションの窓リフォームを承認されやすくする進め方と配慮

窓リフォームの検討で多くの方が負担に感じるのは、施工よりも 管理組合との調整 です。
しかし、適切な手順と資料を揃えて進めることで、承認までの流れは整理されたものになります。

■ 手続きの基本フロー

① 居住者が管理会社へ相談
② 管理会社または理事会が内容を審議
③ 必要に応じて理事会/総会で承認
④ 工事日程・共用部養生計画を共有
⑤ 施工へ
① 居住者が管理会社へ相談
まずは、「どんな目的で、どの範囲の工事をしたいか」 を管理会社へ伝えます。
ここでは 詳細な仕様はまだ不要 で、方向性さえ共有できれば十分です。
② 管理会社または理事会が内容を審議する
ここでは、「建物全体に影響があるか / 外観が変わるか / 防水ラインに触れるか」 が判断基準になります。

審議時に求められやすいもの:

工事内容がわかる簡易資料(例:カタログ、内窓断面イラスト)
工事が室内で完結することの説明
共用部の使用が限定的であることの確認
③ 必要に応じて理事会/総会で承認を得る
管理会社での一次確認が終わると、内容に応じて 理事会または総会で工事の可否が検討される 段階に進みます。

判断の視点は常にシンプルで、

・建物全体の外観に影響が出ないか
・防水性能や躯体に影響がないか
・共用部分の維持管理に支障が出ないか


といった マンション全体の資産価値を守るための観点 で検討されます。

特に「内窓設置」や「ガラス交換」のように、
室内で完結する工事の場合、理事会で了承が得られるケースがほとんど です。
この場合、承認までの期間はおおよそ 2〜4週間 程度が目安となります。
④ 工事日程を調整し、共用部の養生計画を共有する
承認が得られたら、次は 工事日程と共用部分の取り扱いについての最終調整 に移ります。

ここでは、建物全体に配慮しながら円滑に施工を進めるための「運用上の合意形成」を行います。

調整する内容は、以下のような とても実務的なもの です。

・工事に入る日時(何日/何時〜何時)
・職人が何名出入りするか
・資材(内窓・ガラス等)の搬入経路
・廊下・エレベーター・玄関周りの保護養生の範囲
・ほかの住戸への騒音配慮(特に午前中の作業の有無)

例えば、窓ガラスや内窓の枠は思いのほか大きく、
搬入中に廊下やエレベーターの壁面に接触するリスクがあります。
そのため、施工前に 床・壁・手すりを保護材で覆う(養生) ことが一般的です。
⑤ 施工へ|実際の工事は半日〜1日で完了することが多い
内窓の設置であれば、

・1ヶ所あたり 1〜2時間程度
・家全体でも 半日〜1日で完了

騒音は最小限で、
家具を大きく移動させる必要もほとんどありません。

工事の可否は“管理組合の承認”“工事が共用部に与える影響”で決まります。
そのため、工事内容の検討より先に、管理会社への相談から始めるとスムーズです。

■ 管理組合への相談文例

件名:窓まわりの断熱改善に関するご相談(◯号室)
管理組合 御中

いつも管理運営いただきありがとうございます。
◯号室に居住しております、◯◯と申します。

室内の結露および冬場の冷え込み改善を目的として、
室内側に「内窓(インナーサッシ)」を設置するリフォームを検討しております。

既存の窓サッシ本体には手を加えず、
建物外観や防水性能に影響のない方法を想定しております。
管理規約に沿って適切に進めたいと考えておりますため、
手続きや必要な書類等についてご教示いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

◯◯号室 氏名
連絡先(メール)
連絡先(電話)※任意
管理会社から返信が来た際、多くの場合は次の情報提供を求められます。

<聞かれやすい内容>
	
工事の目的⇒結露軽減・断熱改善・防音など
工事内容⇒内窓設置 / ガラス交換 など
工事範囲⇒リビング掃き出し窓 1ヶ所など
施工会社⇒施工店名・連絡先
工事予定日⇒おおまかな希望時期でOK

→ この段階では、窓の型番や細かい仕様はまだ決めなくても大丈夫です。

■ 理事会提出用の「承認依頼テンプレート」

件名:窓まわり断熱改善工事の承認申請について(◯号室)
管理組合 理事会 御中

平素より管理運営いただきありがとうございます。
◯号室の◯◯と申します。

室内の結露および冬季の温度差改善を目的とし、
居室内側に「内窓(インナーサッシ)」を設置する工事を希望しております。

本工事は、既存サッシ本体および外観に変更を加えず、
建物の防水性能・外観意匠に影響しない施工範囲にて実施いたします。

施工にあたっては、共用部(廊下・エレベーター等)の養生を行い、
他居住者様への影響を最小限に配慮いたします。

施工計画書、仕様書、工事工程表は施工業者より添付いたします。
ご確認いただき、承認をご検討いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。
◯◯号室 氏名

管理組合に伝えたいのは「目的」「外観や防水性能には影響しないこと」です。

ポイント

専門的な部分の説明は施工会社が行うため、居住者がすべてを理解しておく必要はありません

マンション窓リフォームの費用相場|目的に応じた工事の選択

費用は工事方法と窓の性能ランクによって変わります。

ここでは、判断の基準となる5つの代表的なアプローチと、それぞれの効果を整理します。

■ 方法別の目安費用と特徴

工事方法費用目安(1ヶ所)性能向上の軸効果が出やすい悩み管理組合承認特徴の要点
ガラス交換(高断熱ガラス・Low-Eガラス)4〜10万円(税抜)断熱結露の抑制・軽度の寒さ対策原則不要既存サッシはそのまま、比較的短時間で工事可能
内窓(二重窓)設置7〜20万円(税抜)断熱 + 気密 + 遮音結露・寒さ・暑さ・騒音の全般改善原則不要(届出のみのことが多い)空気層ができ、暖房冷房効率と生活音環境が大きく改善
内窓+樹脂枠(高性能タイプ)12〜30万円(税抜)高断熱 + 高気密冬と夏の温度差が大きい家向け原則不要(マンション規約による)窓際の体感温度が大きく変わり“ヒヤッと感”が減る
防音ガラス or 防音仕様内窓10〜25万円(税抜)遮音外からの騒音が気になる場合原則不要ピアノ練習・交通量の多い道路沿いなどで効果が高い
サッシごと交換(外窓交換)25〜50万円(税抜)断熱 + 気密 + 遮音(最大値)根本改善したい場合承認必須(総会決議の可能性も)建物外観・防水ラインに関わるため、段取りと期間が必要

■ 内窓(二重窓)が選ばれやすい理由

  • 室内側に新しい窓を追加するため、既存サッシに触れず性能を向上できる
  • 冬の冷気が入りにくくなり、室温が安定しやすい
  • 交通量の多い道路沿いでも、防音効果が実感しやすい
  • 補助金の対象として優遇されやすい

内窓(二重窓)は費用対効果が高く、管理組合承認のハードルも比較的低い工法なので人気です。

費用と効果のバランスから考えると、内窓が最も合理的な選択肢となることが多いでしょう。

補助金を活用して賢くマンションの窓をリフォームする|制度を理解し、負担を減らそう

窓リフォームは、住宅リフォームの中でも 補助金が適用されやすい分野 です。

これは、窓が住まいの断熱性や省エネ性能に直接影響する要素であるためです。
制度を正しく理解し、申請手続きを適切に行うことで、工事費を効率的に抑えることが可能になります。

■ 補助金が適用されやすい工事

補助金の対象となる工事は、主に次の2つです。

対象

1.内窓(二重窓)設置
2.高断熱ガラスへの交換

いずれも、断熱性能を向上させる工事である点が共通しています。

特に内窓は、もとのサッシを傷つけずに性能を向上できるため、管理組合の承認も得やすく、補助金との親和性が高い方法です。

📌 補助金制度の概要

  1. 既存住宅省エネ改修事業費補助金(神奈川県)
    • 概要:既存住宅の窓等の省エネ改修工事にかかる経費の一部を補助。
    • 対象例:内窓(二重窓)設置、高断熱ガラス交換など。
    • 補助額の目安:補助対象経費の1/3、上限 20万円/戸程度という記載あり。
    • 注意点:申請は工事着手前に行う必要があります。
    • リンク神奈川県「既存住宅省エネ改修事業費補助金」公式ページ
  2. 先進的窓リノベ2025事業(国:窓の断熱改修向け)
    • 概要:住宅の開口部(窓・玄関ドア等)の断熱改修を促進する補助制度。
    • 対象工事
      • 内窓設置
      • 外窓交換(サッシ含む)
      • ガラス交換(高断熱製品)
    • 補助額の目安:1戸あたり最大 200万円まで、または工事費の1/2相当という記載あり。
    • リンク先進的窓リノベ2025事業公式サイト

■ 補助額の目安

1ヶ所につき5,000〜45,000円前後

*性能グレードが高いほど補助額は増加する構造になっています

たとえば、
「居間・寝室・子ども部屋の3ヶ所に内窓を設置した場合」
合計で10万円以上の補助が受けられるケース も珍しくありません。

■ 補助金活用における注意ポイント

注意点解説
工事前の申請が必要工事後の申請は対象外となる場合があります
申請には施工業者が関与する書類作成が必要となるため、対応できる業者を選ぶことが重要です
予算枠に限りがある国・自治体ともに、受付終了が早まることがあります

補助金は「知っているか・正しく手続きを進められるか」で、受けられる金額が大きく変わります。
特に、内窓や断熱ガラスは性能等級や製品仕様によって補助額が細かく変動するため、施工業者が補助金制度に精通しているかどうか が大切です。

あすなろ建築工房では、現地調査の段階から

  • 補助金対象となる仕様選定
  • 必要な性能証明書・仕様書の準備
  • 管理組合向けの資料作成
  • 工事後の申請サポート

までを一貫して行っています。

補助金は制度や時期によって内容が変わるため、
“まずは適用可能かどうか” を知るだけでも十分価値があります。
まだ具体的な工事内容が決まっていない段階でも、どうぞ遠慮なくご相談ください。

「リフォーム工事・リノベーション工事をご検討中の方」よりご相談ください

マンションの窓リフォームならあすなろ建築工房へおまかせ

あすなろスタッフ

あすなろ建築工房は、「設計事務所+工務店」の体制を持つ会社です。

窓のリフォームは「ガラスを交換するだけ」「内窓を追加するだけ」のように一見シンプルに見えますが、実際には 管理組合との調整や施工時の納まり、既存の内装との調和 まで考える必要があります。

あすなろ建築工房は、「設計事務所+工務店」 の体制を持つ会社です。
調査からご提案、管理組合への説明、施工、完成まで 同じチームで一貫して担当 します。

そのため、

  • 窓まわりを含めた 室内の動線・生活シーンまで踏まえた計画
  • 既存のインテリアと調和する 自然素材を活かした内窓・枠まわりの仕上げ
  • 「結露・寒さ・騒音」など 暮らしの課題に合わせた設計

といった、住まう方に寄り添った提案 が可能です。

たとえば、

  • 木製建具に合わせた内窓枠の仕上げ
  • 造作家具と一体化した窓際カウンター
  • リビング全体の空気の流れまで考えた、換気や採光計画

など、性能と居心地の両立 を意識した窓リフォームをご提案いたします。

「性能は上げたい、でも“居心地の良さ”は崩したくない」
そのような方にこそ、私たちの家づくりはお役に立てると考えています。

  • 現地調査
  • 改修内容の整理
  • 管理組合への提出内容の確認
    まで、初期段階のご相談は無料で承っています。

お問い合わせはこちら

まとめ

窓リフォームは、仕様をはじめから決めておく必要はありません。
まずは、現在感じている不便や不快感を言葉にするところからで十分です。

  • 結露がどの季節・時間帯に起きるか
  • 室温の変化が気になるタイミング
  • 騒音の種類と感じる時間帯

こうした情報を共有いただければ、
現地調査と合わせて 最も合理的な改善方法を提案 いたします。

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営業は行いませんので気軽にご相談ください。「まずは考えを整理したい」という段階のご相談も歓迎しています。


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