メンテナンス

無暖房チャレンジをやっておこう!

先日、コラボ動画がアップされました!

あすなろ建築工房では、無暖房チャレンジについての動画をアップしています。

日本は災害が多い国のため、インフラが機能しなくなる有事の際を想定した住まい方の工夫をお伝えしました。

このコラムでは、無暖房チャレンジについて解説していきたいと思います。

コラボ動画が完成!

凰建設の森さんと、オーガニックスタジオ新潟の相模さんと一緒に撮影したコラボ動画が昨晩アップされました。

内容は三部作になっています。

①凰建設さんの森さんがコーディネーターの動画

「住宅系YouTuberに聞く、正しい情報の見分け方!」

②オーガニックスタジオ新潟の相模さんがコーディネーターの動画

「温熱マニア!凰建設 森さんに優良工務店たちが学ぶ空調方法とは?」

③あすなろ建築工房の私がコーディネーターの動画

「災害に備える無暖房チャレンジ」

どの動画もなかなか面白い内容だと思います。

これらの動画は住環境価値向上事業協同組合(SAREX)のワークショップで岐阜県の凰建設さんにお邪魔したことから撮影に至りました。

「せっかく集まるなら動画撮りたいね」ってことで、前の日から岐阜入りして、ワークショップ当日の午前中に撮影したものです。

上記の3つの動画は、それぞれ内容は違いますが、少しずつ内容をかぶせながら、この順番で撮影していますので、なんとなく流れがあります。

3人の仲の良さが伝わるのではないでしょうか。

無暖房チャレンジとは

動画は事前の打合せ無しで撮影しました。

オーガニックスタジオ新潟の相模さんは最初「無暖房チャレンジって、暖房付けないで何度になるかって話じゃないの?」と思っていたそうです。

実はそうではなく「住まい方の工夫」や「災害時に備える」話です。

森さんの定義する「無暖房チャレンジ」
春分の日(3月20日)を過ぎてから夏至(6月21日)までの期間は、上手に日射を制御したり、熱を逃がしたり、閉じ込めたりして、暖房設備を使わずに過ごしてみよう!

3月中はちょっと寒く、6月後半になると少し暑くなりますよね。

その「ちょっと寒い」「ちょっと暑い」ときに、暖房や冷房を使わずに『工夫』して過ごしてみてはどうかということです。

6月になると「湿度」調整も必要となります。

寒い時は日射を取り入れ、暑くなってきたら日射を遮って太陽をコントロールします。

日射だけでなく、風を上手に取り込むために窓の開け閉めも必要です。

窓の開け閉めのタイミングを誤ると室内の湿度が高すぎたり、低すぎたりしてしまいます。

住まい手の暮らし方の『工夫』がどうしても必要になる話です。

ある意味「無暖房チャレンジ」とは『訓練』みたいなものですので、動画の中では『防災訓練』と言っています。

自然の力で暮らすテクニック

生活の上での日射制御と窓の開け閉めのテクニックが備わると、エネルギーを使わずに、自然の力だけで快適に過ごすことが出来るようになります。

森さんが言っている「無暖房チャレンジ」の時期は、春分の日から夏至までです。

これは岐阜県という冬は寒くて、夏は暑い地域での話です。

横浜のような温暖地は、岐阜県と比べると気候条件はかなり有利です。

春分の日を待たずとも、3月になれば暖かくなるので「無暖房チャレンジ」できます。

夏至と言わず、7月中旬位まで夜はそこまで暑くはならないのでナイトパージ(夜に冷気を室内に呼び込む)することで、「無暖房チャレンジ」を続けられます。

このチャレンジ中は、気象情報にも気を配るようになります。

・明日は冷え込みそうだ。今日の間に家の中の温度を上げておこう

・明日は雨が降るのか。換気は最小限にしておこう

このように、住む人が気候に合わせて生活するようにもなりますね。

インフラが機能しなくなったら

無暖房チャレンジは、有事の際に必ず役に立ちます。

有事とは、災害時の電気やガスなどのインフラが停まってしまうときです。

電気やガスなどが停まってしまうと冬は暖房が使えません。

夏は冷房もできなければ、扇風機も動きません。

動画の中にも出てきますが、そんなインフラが途絶えてしまった時の室内の温度変化のデータがあります。

災害に強い家は高断熱高気密住宅」という私のコラム記事です。

新住協の会澤事務局長(当時)の家のデータで、暖房装置が停止して電気もガスもない状態での外気温と室内の温度の変化の計測結果となります。

このデータを見ると、日中も5度以上に上がらない日が続いても、室内温度は15℃前後をキープし続けていていることが分かります。

この15℃という室内温度を住まい方の工夫でもっと高くすることも可能です。

真夏で外気温が30℃になってしまうような日も室内温度を外気温以下にすることもできます。

そんな「住まい方の工夫」つまりは「訓練」が、有事の際には必ず役に立ちます。

災害発生時に電気が止まってしまうと、さまざま影響が生じます。

・換気設備が動かない

・トイレや浴室で排気していたパイプファンも止まる

・第一種熱交換換気のファンも動かない

さらに、冬の寒さで窓を閉めっぱなしにすると、室内の空気が悪くなります。

家族の呼気からのCO2排出で、室内のCO2濃度も高くなるため、窓を開けるなど、適度な自然換気を行うことが必要です。

私たちは、いつ有事が起こっても対応できるよう「訓練」のつもりで活動していますので、ぜひ動画をご覧になってみてください。

皆さまの生活にも取り入れていただきたいと思います。


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