リノベーション

リノベーション工事の進め方|初心者でも失敗しない7つのステップと工事の流れ

リノベーション工事を検討し始めたとき、多くの方が最初に感じるのは「何から始めればいいのかわからない」という不安です。新築とは違い、リノベーション工事は物件探し・設計・工事など複数の工程が関わるため、順番が見えにくいのも無理はありません。

特に中古住宅を購入してリノベーションする場合は、「資金計画」「物件探し」「会社選び」の順番を間違えると、希望の間取りができなかったり、予算オーバーになったりすることがあります。

この記事では、リノベーション工事の進め方を初心者でも理解できるように、全体の流れから具体的な工程まで丁寧に解説します。

リノベーション工事って何から始めればいい?初心者でもわかる全体の流れ

「リノベーション工事を考え始めたのですが、まず何から始めればいいのでしょうか?」
「中古住宅を買ってリノベーション工事したいのですが、物件探しと設計はどちらが先なのでしょう?」
「順番を間違えると失敗すると聞いて不安です。」

このような疑問は、リノベーション工事を検討している方から非常によく聞く声です。家づくりは人生で何度も経験するものではないため、進め方がわからないのは当然のことです。

実際のリノベーション工事は、情報収集から始まり、設計や工事など複数の段階を経て完成します。最初に全体像を把握しておくことで、今どの段階にいるのかが分かり、次に何をすればよいのかが見えてきます。

ここではまず、リノベーション工事の基本的な流れを紹介し、その後に具体的な進め方を詳しく解説していきます。

リノベーション工事の進め方<全体像はこの流れ>

リノベーション工事は、一般的に次のような流れで進んでいきます。

リノベーション工事を依頼する前~引き渡しまでの流れ

この流れを理解しておくと、リノベーション工事の全体像が見えてきます。では、それぞれの工程で実際にどのようなことを行うのかを見ていきましょう。

①情報収集

リノベーション工事を考え始めたら、まずは情報収集から始めます。

この段階では、「どんな暮らしをしたいのか」をイメージすることが重要です。住宅会社のサイトや施工事例、住宅雑誌、SNSなどを参考にしながら、理想の住まいを具体化していきます。

例えば次のようなことを考えてみると、イメージが整理されやすくなります。

・リビングを広くして家族が集まりやすい家にしたい
・キッチンを中心にした間取りにしたい
・在宅ワークがしやすいワークスペースが欲しい
・自然素材の家に興味がある
・収納を増やして片付けやすい家にしたい

また、この段階で家族の意見を整理しておくことも大切です。家族の生活スタイルや価値観が設計に大きく影響するため、話し合いながら方向性を決めていくと、その後の打ち合わせがスムーズになります。

中古住宅を購入してのリノベーション工事を検討する場合は、この時点で希望のエリア、希望の広さの土地、希望の大きさの家の費用感を掴んでおきます。

②資金計画(予算作成)

①の情報をもとに、物件費用と工事内容に伴う工事費用の目安を立てます。その他、仮住まいに必要な家賃や引っ越し費用なども算出しておきます。

必要となる費用を合算し、必要な費用を算出します。

必要な費用が分かったら、その費用をどうやって工面するか資金計画を立てます。貯金、親からの援助、住宅ローン、補助金など、必要な費用を賄う方法を考えます。

③物件探し(中古住宅の場合)

中古住宅を購入してリノベーション工事する場合は、物件探しも重要な工程になります。

注意

ただしここで注意したいのが、すべての住宅が自由にリノベーション工事できるわけではないという点です。既存建物の性能と条件、構造や配管の位置によっては、希望の間取り変更ができない場合があります。

例えば、次のような条件によって設計の自由度が変わることがあります。

・敷地条件
・建物条件
・建物の構造
・配管の位置
・管理規約(マンションの場合)
・建物の老朽化状態

そのため最近では、設計会社と一緒に物件を探す方法を選ぶ方も増えています。専門家が建物の状態を確認しながら物件を選べるため、「購入したのに希望のリノベーション工事ができない」というトラブルを防ぐことができます。

④会社選び

リノベーション工事の成功を大きく左右するのが会社選びです。

住宅会社にはさまざまなタイプがあり、デザインを重視する会社、施工技術を強みとする会社、価格を重視する会社など特徴が異なります。

会社選びの際には、次のような点を確認しておくと安心です。

チェック

・施工事例
・設計の考え方
・スタッフの対応
・施工体制
・アフターサポート

また、可能であれば実際の施工事例や完成見学会を見ることをおすすめします。実際の住まいを見ることで、写真だけでは分からない空間の雰囲気や素材の質感を体感することができます。

⑤プラン設計

会社が決まると、いよいよ設計の打ち合わせが始まります。

設計では、間取りだけでなく、素材や設備、収納計画、断熱性能など、住まいに関わるさまざまな要素を決めていきます。

具体的には、次のような内容を検討することが多いです。

相談内容

・出来る工事と出来ない工事の確認
・間取り変更
・設備計画
・収納計画

・耐震性能
・断熱性能
・照明計画
・素材選び

・外構計画

設計は家づくりの核となる工程であり、ここで暮らし方をどれだけ具体的に反映できるかが重要になります。

⑥見積もり・契約

設計内容がまとまると、工事費用の見積もりが提示されます。

見積もりでは、工事費だけでなく諸費用なども含めた総額を確認します。ここで予算とのバランスを調整しながら、最終的な仕様を決めていきます。

例えば、次のような調整が行われることがあります。

  • 工事範囲の変更
  • 設備グレードの変更
  • 仕上げ材の変更
  • 間取りの一部変更

このような調整を行いながら、納得できる内容になった段階で工事契約を結びます。

⑦工事

契約後はいよいよ工事が始まります。

リノベーション工事では、解体から仕上げまで複数の工程があり、それぞれ専門の職人が作業を行います。

フルリノベーション工事の場合、工期は一般的に3〜6か月ほどかかります。

⑧完成・引き渡し

工事が完了すると最終チェックを行い、問題がなければ引き渡しとなります。

引き渡しの際には設備の使い方やメンテナンス方法の説明を受け、新しい住まいでの生活がスタートします。

リノベーション工事の流れを見ると工程が多く感じるかもしれませんが、一つひとつ順番に進めていけば決して難しいものではありません

特に初めての方は次の3つのポイントを覚えておくと安心です。

  • 資金計画は最初に考える
  • 会社選びと物件探しの順番に注意する
  • 専門家と一緒に進める

これらを意識することで、家づくりの方向性が大きくずれることを防ぐことができます。

リノベーション工事の進め方【7ステップ】

リノベーション工事の進め方は「ざっくり流れを知る」だけだと、いざ動き出したときに迷いやすくなります。そこでここでは、読者が実際にやるべきことを7つに区切り、「今やること」と「次に備えること」が分かるように解説します。

「何から手を付ければいいかわからない」という状態から抜け出すために、まずはこの7ステップを“やることリスト”として持っておくのがおすすめです。家族で共有しておくと、意見のすれ違いも減り、計画が進めやすくなります。

ステップその段階でやることつまずきやすいポイント
1. 情報収集事例・相場・暮らしのイメージを集め、家族の希望を言語化します。画像だけ集めて「何がしたいか」が決まらないまま進む
2. 資金計画予算上限・ローン・諸費用を含めた総額を把握し、無理のない計画にします。工事費だけ見て、購入費・引っ越し費・予備費を忘れる
3. 会社相談設計会社・工務店・リノベ会社に相談し、進め方と相性を確認します。価格だけで決めて、設計力や施工品質の差を見落とす
4. 物件探し(中古の場合)リノベ前提で「直せる物件か」を見ながら探し、候補を絞ります。立地や価格だけで決めて「希望の間取りにできない」
5. プラン設計間取り・素材・設備・断熱などを具体化し、暮らしに合わせて調整します。理想を盛り込みすぎて予算オーバー/優先順位が曖昧
6. 見積もり・契約見積の内訳を確認し、仕様を調整してから契約します。「一式」表記が多く、何が含まれるか不明なまま契約する
7. 工事・完成・引き渡し解体〜仕上げを経て完成。検査と使い方説明を受けて入居します。工事中の変更で追加費用/仮住まいや引っ越し段取り不足

各ステップで必要になる行動や判断ポイントは意外と多いものです。

ここからは各ステップで「どんな資料を見るべきか」「どんなサイト・情報が役立つか」「ここでよく失敗するのは何か」まで解説します。

1. 情報収集でやること(失敗しない集め方)
情報収集は「おしゃれな写真を集める」だけだと、後で必ず迷います。大事なのは、写真の裏にある“目的”を言葉にすることです。

たとえば「北欧っぽい」ではなく、「木の質感がある」「白っぽくて明るい」「家具が映える余白がある」と具体化しておくと、設計に落とし込みやすくなります。

この段階では、家族それぞれが「絶対に譲れないこと」と「できれば叶えたいこと」を分けておくのがおすすめです。特に共働き・子育て世代の場合は、家事動線と収納計画が後で効いてきますし、セカンドライフ世代の場合は、将来の階段負担や寒さ対策が住み心地を左右します。

参考にする資料は、住宅会社の施工事例だけでなく、暮らし方が分かるインタビュー記事や、実際に住んでからの感想が載った記事が役立ちます。「完成直後は良いけど、数年後どう感じるか」は意外と大事な視点です。
2. 資金計画でやること(初心者が一番やりがちな落とし穴)
資金計画で多い失敗は、工事費だけを見てしまうことです。中古購入+リノベ工事の場合は、物件価格に加えて仲介手数料、登記費用、ローン手数料、火災保険、仮住まい費用、引っ越し費用などが重なります。ここを見落とすと、打ち合わせが進んだあとに急ブレーキがかかりやすくなります。

また「予備費」をあらかじめ確保しておくことも重要です。中古住宅は解体して初めて分かる部分があるため、補修や追加工事が必要になるケースもあります。すべてが追加費用になるわけではありませんが、想定外が起きても慌てないように、初めから余白を持った予算設計にしておくと安心です。

この段階では、住宅ローンを検討する場合に「物件購入」と「リノベ費用」をまとめて借りられるのか、別々になるのかも確認ポイントです。金融機関や物件条件によって扱いが変わることがあるため、早めに相談しておくと後がスムーズです。
3. 会社相談でやること(ここで“進め方”が決まります)
初心者の方ほど「物件を先に決めてから会社を探そう」と考えがちですが、実は会社相談は早い方が失敗しにくいです。なぜなら、リノベーション工事は会社によって得意・不得意があり、同じ要望でも提案内容や見積もりの考え方が変わるからです。

会社によっては、物件探しも一緒に行ってくれたり、アドバイスをもらえたりします。

会社相談では、単に金額を聞くのではなく、「この要望を叶えるとしたら、どういう順番で進めますか?」と聞くのがコツです。進め方の説明が丁寧で、リスクも含めて話してくれる会社ほど、後でトラブルになりにくい傾向があります。

また、施工事例を見るときは写真の見た目だけでなく、「どんな制約があって、どう解決したか」を聞くのがおすすめです。制約が多い物件ほど、設計力と施工力が試されるため、会社の実力が見えやすくなります。
4. 物件探し(中古の場合)でやること(“リノベ工事できる物件”を選ぶ)
中古物件探しで怖いのは、購入してから「この間取り変更はできません」と言われることです。特にマンションでは、動かせない壁や、動かせない配管があるため、理想の間取りが作れないケースがあります。梁の高さが低い場合などには、床を上げることが出来ずに、希望の床材を使えない場合もあります。

戸建てでも、建物の状態によって補強が必要になったり、想定より費用がかかったりすることがあります。

そのため物件探しでは「住みたい立地」だけでなく、「リノベで叶えたいこと」が実現できるかという視点が欠かせません。例えば「キッチンを移動したい」「水回りをまとめたい」「リビングを広げたい」など、希望があるほど確認項目が増えます。

ここで役立つのが、設計会社と一緒に内見する方法です。物件を見た瞬間に「ここはこう変えられる」「ここは難しい」と判断できるため、購入後の後悔を減らしやすくなります。
5. プラン設計でやること(“理想”を現実に落とす工程)
プラン設計は楽しい反面、理想を盛り込みすぎて予算オーバーになりやすい工程です。だからこそ、情報収集の段階で整理した「絶対に譲れないこと」と「できれば叶えたいこと」がここで活きます。優先順位が明確だと、見積もり調整も納得して進められます。

またこの段階では、間取りだけでなく、断熱や窓、素材選びも住み心地に直結します。例えば「冬の寒さが気になる」「結露が心配」という方は、壁や窓の性能を含めた提案ができる会社かどうかが重要になります。見た目のデザインだけでなく、暮らしてからの快適性まで考えて設計できるかがポイントです。

設計の打ち合わせでは、平面図だけでなく、生活動線を想像しながら検討するのがおすすめです。朝の支度、洗濯、買い物の片付け、在宅ワーク、子どもの宿題など、日常シーンを具体的に当てはめると、後で「ここ不便だった…」が減ります。
6. 見積もり・契約でやること(“契約してから後悔”を防ぐ)
見積もりは、金額だけでなく「何が含まれているか」を確認することが重要です。特に「一式」表記が多い場合は、どこまでが工事範囲なのかが分かりにくく、後から追加費用が発生しやすくなります。

この段階では、次のような点を確認しておくと安心です。

・含まれる工事/含まれない工事(照明、エアコン、カーテンなど)
・追加費用が出る可能性(解体後の補修など)
・工期と引き渡し時期
・支払いタイミング

契約前に不明点をクリアにしておくことで、工事が始まってからの「聞いてなかった」を防ぎやすくなります。
7. 工事・完成・引き渡しでやること(工事中こそ段取りが大事)
工事が始まると、現場では解体から下地、配管、内装仕上げへと順番に進みます。

初心者の方は「工事って大工さんがずっといるの?」と思いがちですが、実際には工程ごとに専門の職人さんが入れ替わります。そのため、全体を管理する立場(現場監督)がしっかりしていることが重要になります。

工事中は、予定通りに進むことも多いですが、住まいの状態によっては追加補修が必要になるケースもあります。そうした場合に、写真などで状況説明があり、納得できる提案をしてくれる会社だと安心です。

また、仮住まいや引っ越し、荷物の一時保管など“生活面の段取り”もこの時期に大事になります。工事が終わってからバタバタしないように、工期が決まった段階で早めに準備しておくのがおすすめです。

ここまでが「リノベーション工事の進め方【7ステップ】」の全体像です。

リノベーション工事は複雑に見えますが、情報収集 → 資金計画 → 会社相談 → 物件探し → 設計 → 契約 → 工事という流れを理解しておくと、やるべきことが見えてきます。

特に初めての方は、すべてを完璧に理解しようとするよりも、「今どの段階にいるのか」を意識しながら一歩ずつ進めていくことが大切です。

この7ステップを目安に進めることで、順番を間違えることによる失敗や遠回りを防ぎやすくなります。

リノベーション工事で失敗しないための3つの原則

初めてのリノベーション工事する方がすべてを理解した上で、完璧に理想のリノベーション工事を実現するのは難しいものです。

しかし次の3つのポイントだけは覚えておくと、大きな失敗を防ぐことができます。

1.生活イメージから設計を考える

リノベーション工事では、設備やデザインを先に考えてしまう方が多いですが、本当に大切なのは「どんな暮らしをしたいのか」です。

例えば、家族が自然と集まるリビングにしたいのか、在宅ワークを快適にしたいのか、収納を増やしたいのかによって、設計は大きく変わります。

生活のイメージを整理しておき、設計事務所に要望を伝えらえる状態にすることで方向性がぶれにくくなります。


2.予算のバランスを考える

リノベーション工事では設備や素材を選ぶほど費用が増えていきます。

そのため最初に予算の上限を決めておき、「どこにお金をかけるのか」を考えることが重要です。

例えばキッチンを重視するのか、断熱性能を高めるのか、デザインを優先するのかなど、優先順位を決めておくと無理のない計画が立てやすくなります。


3.専門家と一緒に進める

リノベーション工事には建築、構造、設備などさまざまな専門知識が必要になります。

自分だけで判断しようとすると、後から「こんなはずではなかった」というトラブルにつながることもあります。

そのため経験豊富な設計会社と一緒に進めることで、安心して家づくりを進めることができます。


ここまでの話で、リノベーション工事の基本的な進め方が見えてきたと思います。

次の章では、契約後に始まる「リノベーション工事工事の流れ」について詳しく解説していきます。

工事の順番や期間、工事中の生活など、初めての方が気になるポイントを具体的に紹介します。

リノベーション工事の流れ|工事の順番と期間の目安はどれくらい?

「契約が終わったあと、実際の工事ってどんな順番で進むのでしょうか?」
「内装工事ってどれくらいの期間がかかるのでしょう?」
「工事中は住めないの?仮住まいが必要なのかも気になります。」

リノベーション工事を検討している方の多くが、契約後の「工事の流れ」を具体的にイメージできていません。住宅会社との打ち合わせでは設計の話が中心になるため、工事の内容や順番はあまり知らないまま進むことも多いのです。

しかし、実際のリノベーション工事は複数の工程があり、それぞれ専門の職人が関わります。工事の流れを理解しておくと、工期の見通しが立てやすくなり、仮住まいや引っ越しの準備もしやすくなります。

ここでは、リノベーション工事の基本工程、マンションと戸建ての違い、工事期間の目安、工事中に起こりやすいトラブルについて詳しく解説します。

~リノベーション工事の基本な進め方~

リノベーション工事は、一般的に次のような順番で進んでいきます。

1.解体工事

2.下地工事

3.配管・配線工事

4.断熱工事

5.内装仕上げ

6.設備設置

7.最終仕上げ・クリーニング

この工程を見てもピンと来ない方も多いと思いますので、それぞれの工程をもう少し具体的に見ていきましょう。

1.解体工事

リノベーション工事は、まず既存の内装を取り除くところから始まります。

例えば次のような部分を解体することがあります。

・床材
・壁材
・天井
・キッチンや浴室などの設備

解体すると、建物の構造や配管の状態が見えるようになります。この段階で、想定していなかった補修が必要になることもあります。

中古住宅では、壁の内部の状態は解体して初めて分かることも多いため、この工程で建物の状態をしっかり確認します。

2.下地工事

解体後は、新しい空間を作るための下地工事を行います。

ここでは、壁や床の骨組みを作り直したり、間取り変更に合わせて壁の位置を調整したりします。

この工程は見た目には完成形が想像しにくいですが、住まいの強度や仕上がりに大きく関わる重要な工程です。

耐震補強工事が必要な場合は、この時点で行います。

3.配管・配線工事

次に、上下水道の配管、電気配線を行います。

キッチンや浴室の位置を変更する場合は、この工程で配管ルートを調整します。また、コンセントや照明の位置もこの段階で決まります。

例えば在宅ワークを想定した住まいでは、次のような工夫を行うことがあります。

・ワークスペースのコンセント増設
・LAN配線の設置
・照明計画の調整

この段階で配管や配線の位置を間違えると後から変更が難しいため、設計図をもとに慎重に作業が進められます。

4.断熱工事

次に壁や天井の断熱材を施工し、壁の下地を作っていきます。

断熱性能は住み心地に大きく関わる部分です。冬の寒さや夏の暑さを抑えるために、リノベーションの際に断熱改修を行うケースも増えています。

古い住宅の場合は、壁の断熱が十分でなかったり、欠損している場合が多くあります。新しく断熱材を充填したり、追加したりすることで、室内の温度環境を改善することが出来ます。また窓の性能が十分でないことが多いので、窓を入れ替えたり、内窓を設置することで、熱負荷を最小限に抑えることが可能となります。

5.内装仕上げ

壁や床の下地が完成すると、内装の仕上げ工事に進みます。

ここでは次のような作業が行われます。

・床材の施工
・壁仕上げ
・天井仕上げ

この段階になると、部屋の雰囲気が一気に見えてくるため、工事の進行が実感しやすくなります。

6.設備設置

内装が完成すると、キッチンや浴室などの設備を設置します。

キッチンや洗面台、トイレなどは、この工程で取り付けられます。設備が設置されると、住まいとしての完成形がかなり見えてきます。

7.最終仕上げ・クリーニング

最後に照明や建具の調整、クリーニングなどを行い、最終チェックを行います。

問題がなければ引き渡しとなり、新しい住まいでの生活がスタートします。

マンションと戸建ての工事工程の違い

リノベーション工事工程は基本的には似ていますが、マンションと戸建てでは工事の自由度や制約が大きく異なります。

この違いを知らずに計画を進めてしまうと、「思っていた間取り変更ができない」「工事期間が予想より長くなる」といったトラブルにつながることもあります。

特にマンションでは、管理規約や共用部分の制限など、戸建てにはないルールが存在します。一方で戸建ては構造変更の自由度が高い反面、工事範囲が広くなるため工期や費用が増えるケースもあります。

まずは、マンションと戸建てでどのような違いがあるのかを整理してみましょう。

比較項目マンションリノベーション戸建てリノベーション
解体範囲内装部分のみが基本。構造体は変更不可。内装だけでなく構造補強を含む改修も可能。
間取り変更構造壁や配管位置により制限が出ることがある。間取り変更の自由度が高い。
配管の移動共用部分の関係で移動できない場合がある。配管の移動が比較的自由。
工事時間管理規約により工事時間の制限がある。工事時間の制限は基本的に少ない。
騒音対策管理組合への申請や近隣配慮が必要。近隣配慮は必要だが制約は少ない。
工期戸建てよりは短くなる傾向がある。工事範囲が長くなる場合がある。

マンションのリノベーション工事では、管理組合のルールや配管の位置など、建物全体の構造に関わる制約を考慮する必要があります。

例えば、床下に高さが確保できない場合はキッチンの位置を大きく移動できないことがあります。またマンションによっては床材の種類や防音性能に関する規定があり、希望する素材が使えないケースもあります。

一方、戸建てのリノベーション工事は構造の自由度が高く、間取り変更や増築などの可能性が広がります。ただし、その分工事範囲が広くなるため、耐震補強や断熱改修を含めた工事になると工期や費用が増えることもあります。

このように、マンションと戸建てではリノベーション工事の進め方や注意点が異なります。特にマンションリノベーションについては後ほど「マンションリノベーションの進め方について詳しく知りたい方へ」詳しく解説しますので、マンションのリノベーション工事を検討している方はそちらも参考にしてください。

リノベーション工事の期間目安

リノベーション工事の工期は、工事内容や住宅の状態によって大きく変わります。

例えば、設備交換だけの簡単なリフォーム工事であれば短期間で終わりますが、間取り変更や断熱改修を伴うリノベーション工事では数か月かかることも珍しくありません。

また、築年数が古い住宅の場合、解体後に補修が必要になるケースもあり、工期が延びる可能性もあります。ここでは一般的な工事期間の目安を整理しておきましょう。

リノベーション内容工事内容の例工期の目安
部分リフォームキッチン交換、浴室交換、トイレ交換など設備更新約1〜2週間
内装リノベーション床・壁・天井の張り替え、建具交換、設備更新約1〜2か月
間取り変更リノベ壁撤去、間取り変更、水回り移動約2〜3か月
フルリノベーションスケルトン改修、断熱改修、設備全面更新約3〜5か月以上

工期は目安になりますが、実際のリノベーション工事では次のような要因によって期間が変わることがありますので一概にこの期間以内に終わるとは限りません。

<リノベーション工事の工期が変わる要因例>

  • 建物の築年数
  • 構造の状態
  • 工事範囲
  • 設備の納期
  • 管理規約(マンションの場合)

また、工事期間中は基本的に住むことができないため、仮住まいを準備する必要があります。

工事の内容によっては、「住まいながら」の工事も可能ですが、作業音や粉塵のストレスを感じながらの生活となります。また毎日職人さんが出入りすることによるストレスもあるので注意が必要です。

例えばフルリノベーション工事では3〜5か月ほど工事が続くことがあるため、その期間だけ賃貸住宅を借りたり、実家に一時的に住んだりする方法を選ぶ方もいます。家具や荷物をトランクルームに預けるケースもあります。

このように、リノベーション工事では工期だけでなく「工事期間中の生活」も含めて計画しておくことが大切です。工期の見通しが立つと、引っ越しのタイミングや仮住まいの準備もしやすくなります。

マンションリノベーション工事の進め方について詳しく知りたい方へ

「マンションのリノベーション工事って、実際にはどんな順番で進めればいいのでしょうか?
戸建てではなくマンションのリノベーション工事を考えているのですが、
物件探しと設計ってどちらが先なのかも分からず不安です…。」

あなたと同様にマンションリノベーション工事を検討している方の多くが、「何から始めればいいのか分からない」という悩みを抱えています。

特に中古マンションの場合は、物件探しとリノベーション工事計画が密接に関係しているため、進め方の順番を間違えると「希望の間取りが実現できない」「予算オーバー」といった失敗につながることもあります。

ここでは、マンションリノベーション工事を検討している方に向けて、

・マンションリノベーション工事の基本的な進め方
・物件探しと設計の正しい順番
・マンション特有の注意点

について分かりやすく解説します。

中古マンションを買ってリノベしたいけど、物件探しと設計ってどっちが先?

まず最初に知っておきたいのは、ここを間違えると失敗する可能性が高いです。

中古マンションのリノベーション工事では、

  • 「希望の間取りができない」
  • 「水回りが動かせない」
  • 「想定より費用が高くなった」

といったトラブルが起こることがあります。

その多くは、物件選びとリノベーション工事計画を別々に考えてしまったことが原因です。

まずはマンションリノベーション工事における基本的な流れを見てみましょう。

マンションリノベーション工事の基本フロー

ステップ内容
①会社相談リノベーション会社や設計事務所に相談し、予算や希望の暮らしを整理する
②物件探しリノベーション工事前提で中古マンションを探す
③購入判断リノベーション工事が可能か確認した上で購入を判断
④設計プラン間取り・設備・デザインを具体的に決める
⑤工事契約工事内容と費用を確定させ契約
⑥工事解体・施工・仕上げ工事
⑦完成・入居引き渡し後に入居

この流れを見ると分かる通り、失敗しない順番は「会社相談 → 物件探し」です。そのため、まずリノベーション会社と相談しながら物件を探すことが重要です。

なお、中古マンションリノベーション工事の魅力については、以下の記事でも詳しく解説しています。

ここでは詳しく触れませんが、リノベーション工事を前提に中古マンションを購入することで、立地や価格面で有利になるケースも多くあります。

物件購入を先にすると、デメリットばかりなのか?設計会社に相談することにデメリットはないのか?

結論から言うと、設計会社や工事会社と一緒に物件探しをすることが理想です。

とはいえ、物件購入を先にするとデメリットばかりで、設計会社や工事会社と物件探しを先にするとデメリットはないのか?と疑問に感じる人もいるかと思います。

「物件購入」と「設計や工事のパートナーを決めること」のどちらを先にするかによって、それぞれメリットとデメリットがあります。

進め方メリットデメリット
物件を先に購入希望の物件をすぐ押さえられるリノベーション工事できない可能性がある
設計会社や工事会社と物件探しリノベーション工事できる物件を選べる多少時間がかかることがある

ではなぜ「設計会社や工事会社と物件探し」が推奨されるのでしょうか。

その理由は、マンションにはリノベーション工事できない制約があるからです。

例えば次のようなケースがあります。

もし、マンションの物件購入を優先したら?

・「キッチンを動かしたい」と思っても→配管の位置の関係で移動できない

・「床を無垢フローリングにしたい」と思っても→床の高さを上げることが出来ず、定められた遮音性能を確保できない

・「広いリビングにしたい」と思っても→取り外せない壁がある

・「水回りを同じ場所にまとめたい」と思っても→排水の関係で移動できない

これらは専門家でなければ判断が難しいことが多く、購入してから気づくケースも少なくありません。

そのため、物件を探す段階で設計会社に相談することで、

・「希望の間取りができるか」
・「リノベーション工事費用はどれくらいか」
・「どこまで工事できるか」

といった点を事前に確認することができます。

結果として、理想に近いリノベーション工事を実現しやすくなるのです。

戸建てとは違うマンションリノベならではの見落とされがちな3つの制約

マンションリノベーション工事には、戸建ての工事とは違う特徴があります。

特に見落とされやすいのが次の3つです。

制約内容
1.管理規約床材・工事時間などの制限がある
2.構造壁壁を撤去できないケースがある
3.配管位置水回りの移動に制限がある

例えばマンションでは、防音性能の関係で床材の種類が決められていることがあります。
また、工事できる時間帯が管理規約で決まっている場合もあります。

戸建ての場合は比較的自由に工事できますが、マンションでは建物全体のルールを守る必要があるのです。

マンションリノベーション工事の期間目安

工事内容期間目安
内装リフォーム約1〜2か月
間取り変更リノベ約2〜3か月
フルリノベーション約3〜5か月以上

戸建てと比較すると、マンションのリノベーション工事では工事範囲が限られる・構造変更が少ないといった理由から、工期は比較的短くなるケースが多いです。

ただし、マンションでは「管理組合の申請・工事スケジュール調整」などが必要になるため、計画から完成までの期間は余裕をもって考えることが大切です。

情報

マンションによっては「土日の工事は不可」「工事可能な時間が9時~17時」など、戸建てと違って、工事が出来る期間や時間が短い場合が多くあります。

失敗しないマンションリノベの進め方チェックリスト

マンションリノベーション工事は、戸建てのリノベーション工事と比べて事前に確認しておくべきポイントが多いのが特徴です。特に中古マンションの場合は、建物の構造や管理規約、配管の位置などによって「できる工事」と「できない工事」がはっきり分かれます。

そのため、物件購入後に「希望していた間取りができない」「水回りが動かせない」といったトラブルが起こるケースも少なくありません。

こうした失敗を防ぐためには、リノベーション工事の計画段階で重要なポイントを一つずつ確認しておくことが大切です。

ここでは、マンションリノベーション工事を検討する際に押さえておきたい基本的なチェックポイントをまとめました。物件探しや計画を進める際に、ぜひ参考にしてみてください。

□ 先に設計会社や工事会社へ相談する
□ 物件探しはリノベ前提で行う
□ 管理規約を確認する
□ 配管や構造の制約を確認する
□ リノベ費用を含めて予算を考える
□ 工事期間中の仮住まいを考える

これらを事前に確認しておくことで、マンションリノベーション工事の失敗を防ぐことができます。

マンションリノベーション工事では、完成後のイメージが想像しづらいと感じる方も多いかもしれません。

実際にどのような住まいになるのかは、以下の記事も参考になりますので一度覗いてみてください。

実例を見ることで、リノベーション工事後の暮らしをより具体的にイメージしやすくなるでしょう。

マンションリノベーション工事を成功させるためには、進め方の順番がとても重要です。

特に大切なのは、

ポイント

・会社相談 → 物件探しの順番で進める
・設計会社や工事会社と一緒に物件を選ぶ
・マンション特有の制約を理解する

というポイントです。

これらを理解しておくことで、初めてのリノベーション工事でも理想の住まいを実現しやすくなります。

まとめ

この記事では、リノベーション工事の進め方について解説してきました。

リノベーション工事を成功させるためには、

  • 進め方の基本ステップを理解する
  • 物件探しと設計の順番を間違えない
  • マンション特有の制約を理解する

といったポイントを押さえることが重要です。

リノベーション工事は、住まいを大きく変える大切なプロジェクトです。
不安や疑問を抱えたまま進めるのではなく、専門家に相談しながら計画を進めることで、より満足度の高い住まいづくりにつながります。

リノベーション工事についてのご相談はお気軽にお問い合わせください。

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