マンションはローン返済途中でも売却可能?知らずに行動すると・・
マンションを購入したあと、人生設計が変わることは珍しくありません。
転勤、子どもの独立、老後への備えなどをきっかけに「売却」を考える方は年々増えています。
ただし、住宅ローンが残っている状態だと「本当に売れるの?」「ローンはどうなるの?」という不安が先に立ちがちです。
結論から言えば、マンションはローン途中でも売却可能です。
大切なのは、売却の可否ではなく「ローン残債をどう整理するか」という視点です。
「ローンの返済途中のマンションって本当に売却できるの?」

「35年ローンを組んで、まだ10年も経っていません。
住み替えたい事情はあるけれど、ローンが残っている状態で売って大丈夫なのか不安です。
売ったあと、ローンはどうなるのでしょうか…?」
家づくりの仕事に携わっていると、こうした声が時々寄せられます。
多くの方が「ローンが残っている=売れない」と思いがちですが、これは誤解です。
実際には、ローン完済前でも売却は可能です。
ただし、住宅ローンには「抵当権」という仕組みが関係します。
ここを理解すると、不安はかなり解消できると思いますので最後まで読んでみて下さい。
✅ マンションはローン完済前でも売却できる?【結論:可能】
住宅ローンを組むと、マンションには金融機関の抵当権が設定されます。
抵当権
これは「返済できなくなった場合に、銀行が物件を処分できる権利」です。
そのため、ローンが残ったままでは原則として自由に売却はできません。
ただし、売却と同時にローンを完済できるなら問題ありません。
つまり、売却判断のカギは「売却価格とローン残債の差」にあります。
📊 ローン返済途中のマンション売却時、住宅ローンはどうなる?【2パターン比較】
| 状況 | 売却価格 | ローン残債 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 完済できるケース | 4,500万円 | 4,000万円 | 抵当権を抹消して売却可能 |
| 完済できないケース | 3,800万円 | 4,200万円 | 不足分の対応が必要 |
この表が示す通り、売却価格がローン残債を上回るかどうかが分岐点です。
完済できる場合は、売却後にローン問題を引きずりません。
一方、完済できない場合でも「売れない」わけではありません。
自己資金や住み替えローンなど、現実的な選択肢が残されています。これらの対策については後述の「マンションのローン支払い途中で完済できない場合はどうするのか?【4つの現実的選択肢】]で解説しています。
重要なのは、事前にこの差額を把握しておくことです。
🔁 売却価格 × ローン残債 × 自己資金の関係
買主 → 売却代金 → 銀行
↓
ローン完済
↓
抵当権抹消
↓
引き渡し
売却代金は、いったん自由に使えるお金として入るわけではありません。
実際には、売却代金はそのまま銀行へ送金され、ローン返済に充てられます。
そのため「売れたのに手元にお金が残らない」と感じる方もいます。
もっと分かりやすくいうと「何も対策せず、そのままでは売れない」という意味です。
つまり、
❌ 売却代金 < ローン残債&不足分の手当がない
この状態だと、
👉 抵当権を外せない=売買が成立しない
というのが原則ルールです。
では、マンションのローン支払い途中で完済できない場合はどうするのか?【4つの現実的選択肢】
「住み続けるしかない」というのは、数ある選択肢の1つに過ぎません。
① 不足分を自己資金で補填して売る
一番シンプルで、実務上も多い方法です。
例:
- 売却価格:3,800万円
- ローン残債:4,200万円
- 不足分:400万円
👉 手元資金から400万円を用意して
👉 売却と同時にローンを完済
👉 抵当権を抹消して売却成立
「売れない」のではなく「足りない分をどうするか」の問題です。
② 住み替えローンを使う
次の住まいを同時に買う場合の選択肢です。
- 今のマンションの残債
- 次の住宅の購入費
これをまとめて借り直すローンです。
ただし、
- 審査はかなり厳しめ
- 年収・勤続年数・年齢の影響大
という点は正直に知っておく必要があります。
③ 任意売却(返済が難しい場合)
もし
- 自己資金が出せない
- 住み替えもできない
- このまま返済が苦しい
という状況なら、任意売却という法的な選択肢があります。
これは銀行と相談した上で市場価格で売却し残った債務は別途返済計画を立てるという方法です。
④ 何もしなければ「住み続ける」ことになる
逆に言えば、
- 資金手当もせず
- 銀行にも相談せず
- 売却も進めない
👉この場合だけ、結果として住み続けるしかない状態になります。
ですが、これは
「選択肢がない」からではなく「動いていない」だけ
というケースがほとんどです。
諸事情でマンションを途中で売却したくなった場合は仕方がないですが、事前にローンシミュレーションをし、このような事態になることも想定してあらゆるシミュレーションを行っていれば安心です。
ローン残債だけでなく、管理費・修繕積立金・固定資産税を含めた「実質住居費」を把握することで、売却判断の精度が高まります。
💰 マンション売却=住宅ローンは一括返済になる!?
「分割のまま売れないの?」と疑問に思われがちですが、それはできません!!
理由は、マンションが銀行の担保だからです。担保がなくなれば、銀行はリスクを負えません。
これは金融の仕組みとして理解しておく必要があります。
🧾 売却代金 → 銀行 → 抵当権抹消の実務フロー
マンションをローン途中で売却する場合、「売れたら終わり」ではありません。
実際には、売主・買主・銀行・司法書士が同時に動く一連の流れがあります。
ここを知らないと、「お金はいつ入るの?」「鍵はいつ渡すの?」と不安になりがちです。
ここでは、売却当日に起きていることを時系列で具体的に解説します。
初めての方でもイメージできるよう、現場ベースで説明します。
- 売買契約を締結
- 決済日に売却代金が支払われる
- 銀行がローンを完済処理
- 司法書士が抵当権を抹消
- 所有権移転・引き渡し完了
この流れは、不動産会社・銀行・司法書士が連携して進めます。
個人がすべてを判断する必要はありません。
ただし、流れを知っておくことで不安は大きく減ります。
特に初めての売却では、全体像の理解が安心につながります。
- 📄 1.売買契約を締結
- 売買契約は、「この価格・条件で売ります/買います」と法的に約束する段階です。
不動産会社立ち会いのもと、売主と買主が契約書に署名・捺印します。
この時点では、まだ物件の引き渡しも、ローン返済も行われません。
契約時に、買主から手付金(物件価格の5〜10%程度)が支払われるのが一般的です。この手付金は、最終的に売却代金の一部として精算されます。
- 2.💰 決済日に売却代金が支払われる
- 決済日とは、お金と権利が一気に動く日です。
場所は、銀行の応接室や司法書士事務所で行われることが多く、
売主・買主・不動産会社・銀行担当者・司法書士が同席します。
この日に、買主から売却代金の残金が支払われますが、
売主の口座に「自由に使えるお金」として入るわけではありません。
- 3.🏦 銀行がローンを完済処理
- 売却代金は、まず住宅ローンを借りている銀行へ直接送金されます。
ここで行われるのが、ローンの一括返済(完済)処理です。
例えば、売却代金が4,000万円でローン残債が3,600万円の場合、
銀行は3,600万円を回収し、残り400万円が売主の手元に残ります。
この「完済」が確認できないと、次の抵当権抹消には進めません。
- 4.🧑⚖️ 司法書士が抵当権を抹消
- ローンが完済されたことを確認後、
司法書士が法務局へ抵当権抹消登記を申請します。
抵当権とは、「このマンションは銀行の担保です」という登記情報なので、
これを外さない限り、買主は安全に所有権を取得できません。
この作業は決済当日に行われ、
売主・買主が直接手続きをする必要はありません。
- 5.🔑 所有権移転・引き渡し完了
- 抵当権が抹消されると、同時に所有権移転登記も行われます。
ここで、正式にマンションの所有者が買主へと変わります。
売主は、鍵・管理規約・設備説明書などを引き渡し、
マンションの管理会社にも所有者変更の連絡が入ります。
この時点で、売却手続きはすべて完了となります。
このフローを見たとおり「売主であるあなたが1人で何かをやる場面はほぼない」のが実務の実態です。
35年ローンのマンションを途中で売却するのは失敗?「損するかどうか」の考え方

35年ローンと聞くと、「35年間ずっと住み続ける前提」で考えてしまいがちです。
しかし実際には、ローン年数=住む年数ではありません。
転勤、家族構成の変化、親の介護、老後の住まい替えなど、
人生設計が変わることはごく自然なことです。
近年は、中古マンションの価格も上がっていますので、ステータスの変更によって、ローン中に売却される方も大変多くいらっしゃいます。
途中で売ること自体を「失敗」と捉える必要はなく、損かどうかは感情ではなく数字で判断すべきです。
35年ローンで買ったマンションを途中で売却するのは失敗なのか?
結論から言えば、35年ローンを途中で売る=失敗ではありません。
住宅ローンはあくまで「資金調達の手段」であり、「居住年数の縛り」ではないからです。
実際、10年・15年で売却するケースは珍しくなく、
特に30〜40代の子育て世代では「住み替え前提」での売却も一般的です。
重要なのは、「途中で売ったか」ではなく「売った結果、いくら残ったか・いくら持ち出したか」です。
📉 マンションのローン支払い途中で売却をして「損する人」「問題ない人」の違い
| 視点 | 損しやすい人 | 問題になりにくい人 |
|---|---|---|
| 立地 | 駅から遠い・郊外 | 駅徒歩10分以内 |
| 管理状態 | 修繕積立金不足 | 管理が安定 |
| 価格帯 | 需要が限定的 | 相場ど真ん中 |
| 面積 | 極端に狭い・広い | 60〜80㎡ |
損をするかどうかは「ローン年数」では決まりません。
売却時に次の買い手が見つかりやすいかどうかがすべてです。
たとえば、購入価格5,000万円・売却価格4,500万円でも、
10年間住んでいれば「家賃換算」で考えると合理的なケースもあります。
最低限、素人でも見るべきポイントは「立地・管理・専有面積」の3点です。
💡 素人が最低限チェックすべき「損しにくいマンション」の条件
- 駅徒歩10分以内(徒歩15分を超えると急に需要が落ちる)
- 修繕積立金が将来増額される前提で計画されている
- 専有面積60〜80㎡(ファミリー・DINKS双方に需要)
これらは、景気や金利が変わっても需要が消えにくい条件です。
| Double Income No Kids(ダブルインカム・ノーキッズ)の略で、 共働きで、子どもがいない夫婦(またはパートナー)を指します。 |
逆に「安いから」「新築だから」だけで選んだ物件は、
売却時に価格調整を迫られやすくなります。
途中売却で後悔しないためには、購入時点でこの視点を持つことが重要です。
さらに深堀して説明すると・・
📍 立地|「誰が見ても便利」と思えるか
立地は、資産価値に最も影響します。
具体的には、「駅距離」「生活利便性」「エリアイメージ」がポイントです。
たとえば、駅徒歩8分と15分では、売却時の反応がまったく違います。
「自分が便利か」ではなく、「他人が便利と思うか」で判断することが重要です。
これは売却時の内見数に直結します。
🏢 管理状態|築年数よりも重視されるポイント
中古マンション市場では、築年数より管理状態が重視されます。
修繕積立金が適切に積み立てられ、
共用部が清潔で、管理組合が機能している物件は評価が下がりにくいです。
逆に、築浅でも管理がしっかりとなされていない物件では売却は苦戦する場合があります。
これは素人でも現地を見ればある程度判断できます。
📐 専有面積|「需要のど真ん中」を外さない
売れやすいのは、60〜80㎡前後の住戸です。
このサイズは、子育て世代・DINKS・住み替え層まで幅広く対応できます。
50㎡未満や90㎡超になると、買い手が一気に限定されます。それは、買い手が限定され、購入層が狭いためです。「広ければ良い」「狭いから安い」は、売却時には不利になることがあります。
専有面積は、売却時の流動性を左右する重要な要素です。
これらの記事では、「途中で売る前提でも失敗しにくいマンション」の考え方を、
より具体的に解説しています。
中古マンションをローン途中で売却する場合の注意点
中古マンションの場合、新築と大きく違うのは価格の動き方です。
一方で、中古は「管理状態」「修繕履歴」「周辺相場」の影響を強く受けます。
価格だけでなく、将来も選ばれ続けるかという視点が不可欠です。
新築か中古かで迷った場合は、「住む年数」と「売る可能性」を冷静に並べ、
どちらが数字として合理的かを比較することが重要です。
35年ローンを途中で売ることは、失敗ではありません。
重要なのは、「いつ売ったか」ではなく「どんな物件を、いくらで買い、いくらで売れたか」です。
途中売却で後悔しない人は、感情ではなく数字で判断しています。
立地・管理・専有面積という基本を押さえれば、
途中売却は十分に現実的な選択肢になります。
🏘️ マンションが売れないなら、いったん賃貸に出すのはアリ?ローン途中で貸すと何が問題になる?

「今は売りたくないけれど、転勤や家庭の事情で住めなくなりました。
ローンが残っているマンションを、とりあえず賃貸に出すのはダメなんでしょうか?
売却よりラクそうですが、あとで問題にならないか不安です…。」
こうした悩みは、ローン途中売却を検討する方の中でも特に多いものです。
結論から言えば、条件次第では賃貸に出すことは可能ですが、
何も考えずに貸してしまうと、後から大きなトラブルになるケースもあります。
ここでは、「できる/できない」だけでなく、
やっていいケース・危険なケースの違いを具体的に解説します。
❓ マンションをローン途中で賃貸に出すことはできる?
結論をはっきり言うと、原則はNO、例外的にYESです。
👉これは契約違反にあたり、最悪の場合、一括返済を求められるリスクがあります。
ただし、以下のような例外的ケースでは、
銀行の承諾を得て賃貸が認められることがあります。
✅ 例外的に認められる主なケース
- 転勤による一時的な不在(目安:2〜5年程度)
- 親の介護・看病などやむを得ない事情
- 将来的に再び住む予定が明確にある
たとえば、
「3年間の海外赴任で、その後は戻る予定」という場合、
銀行に相談すれば条件付きで賃貸を認められることがあります。
この場合も、必ず事前に銀行へ申請・承諾を得ることが必須です。
⚠️ 無断賃貸のリスク|「バレないだろう」は危険
「バレなければ大丈夫」と思われがちですが、これは非常に危険です。
- 管理組合への届出
- 確定申告(家賃収入)
- 火災保険の用途違い
これらから、銀行に発覚するケースは珍しくありません。
実際、無断賃貸が発覚し、「ローンの条件変更・一括返済を求められた」という事例もあります。
🚨 ローン途中で賃貸に出すと起きやすいトラブル
| トラブル内容 | なぜ起きる? |
|---|---|
| 一括返済要求 | ローン契約違反 |
| 火災保険が無効 | 居住用→賃貸用の未変更 |
| 売却しづらくなる | 賃借人がいる状態 |
| 税金が増える | 家賃収入が課税対象 |
特に注意したいのは、「売りたいときに売れない」問題です。
賃借人が住んでいるマンションは、
投資用としてしか売れず、価格が下がる傾向があります。
「一時的なつもり」が、結果的に身動きを取りづらくすることもあります。
🧾 売却時に税金・確定申告は必要?
ローン残債があっても、これは関係ありません。
重要なのは、以下の計算です。
| 譲渡所得 = 売却価格 −(購入価格+諸費用) |
この結果がプラスなら課税対象になります。
マイナス(損失)の場合でも、
👉 特例の適用
👉 損益通算
の関係で、確定申告が必要になるケースがあります。
💡 3,000万円特別控除について
| 一定条件を満たせば、 譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる制度があります。 |
ただし、
- 自己居住用であること
- 賃貸に出してからの期間
- 家族への売却ではないこと
など細かい条件があります。
「自分が対象か分からない」という場合は、無理に自己判断しないことが重要です。
🤝 分からない場合、誰に相談すべき?費用感は?
- 税金・確定申告 → 税理士
- 売却+ローン整理 → 不動産会社+金融機関
確定申告を税理士に依頼する場合、
相場は 5万円〜10万円程度が一般的です。
譲渡所得が絡む場合は、
「相談だけ」でも早めに専門家へ確認する価値があります。
ローン途中でも、条件次第で賃貸に出すことは可能です。
ただし、無断賃貸は大きなリスクを伴います。
「今は売れないから貸す」という判断が、
将来の売却や資金計画を難しくすることもあります。
賃貸・売却・住み替えを一度数字で整理することが、後悔しない近道です。
🏁 まとめ
マンションは、ローン途中でも売却できます。
大切なのは、「売れるか」ではなく「どう整理するか」です。
不安を一人で抱え込まず、早めに相談することが後悔を防ぎます。
将来の暮らしを見据えた判断が、結果的に一番の近道になります。
もし、ご自身のローン状況や住み替え計画で不安が残る場合は、
プロと一緒に整理するという選択肢もあります。
あすなろ建築工房では、営業目的ではなく相談のみも承っています。
住まいとお金を切り離さず、長い目で一緒に考えることを大切にしています。

他の記事をみる