もし私のマンションをフルリフォームしたら費用はいくら?
「うちのマンションをフルリフォームしたら、解体から水回り、申請、仮住まいまで全部込みで結局いくらかかるの?」
「70㎡の間取りなら1500万円?2,000万円?それとももっと?」
多くの方が最初に知りたいのは“本当にかかる総額”です。結論からお伝えすると、高品質なフルリフォームの場合の総額は、18〜28万円/㎡が目安になります。あすなろ建築工房のように自然素材・造作・設計力を前提とする会社では、設計+工事+設備+諸経費+申請+仮住まい費用まで含めて考えることが現実的です。
この記事で次の3つのモヤモヤを一気に解決できるでしょう。
- 総額の目安と内訳が具体的に分かる
- フルリフォームの範囲と管理規約の制限が理解できる
- 進め方の全体像と失敗の防ぎ方が分かる
さらに、神奈川県の施工実例を踏まえた費用シミュレーションもご用意しました。まずは、あなたのマンションの総額感をイメージするところから始めましょう。
「もし私のマンションをフルリフォームしたら費用はいくら?」

フルリフォームの費用は、次の要素で決まります。
| ・専有面積(㎡) ・グレード(ベーシック/スタンダード/ハイエンド) ・水回り更新点数(キッチン・浴室・洗面・トイレ) ・床材と防音等級 ・造作家具の有無 ・間取り変更の有無(水回り位置が動くかどうか) ・床暖房の有無 ・仮住まいの有無と期間 ・管理組合の申請内容と規約の厳しさ |
このため、㎡単価だけを見て判断するのは非常に危険です。特にマンションは戸建てと違い、
- 既存配管の制約
- スラブ構造
- 遮音等級のルール
- 管理規約による工事時間の縛り
といった「見えない制約」が費用に直結します。
3つのモデルケースで費用感を“自分ごと化”してみる
ここでは、よくあるマンションの次の3つの想定で費用を試算します。
| ケース | 条件 |
|---|---|
| CASE1:50㎡(都内) | 水回り4点更新・造作少なめ・間取り変更なし |
| CASE2:65㎡(神奈川)※実例モデル | 水回り4点・造作家具あり・間取り変更あり |
| CASE3:70㎡(築古) | フルスケルトン・断熱強化・床暖房あり |
CASE1:50㎡(都内・間取り変更なし)
- 本体工事費:18〜24万円/㎡ × 50㎡
- 設備費:キッチン・浴室・洗面・トイレの4点更新
- 諸経費:本体+設備の約10〜15%
- 申請:管理組合ルールによる(5〜20万円)
- 仮住まい:2ヶ月想定
→ 想定総額:900〜1,200万円
CASE2:65㎡(神奈川県・間取り変更あり・造作家具あり)
- 本体工事費:20〜26万円/㎡ × 65㎡
- 設備4点+造作家具(リビング収納+洗面台)
- 間取り変更(キッチン移設)
- 仮住まい:2〜3ヶ月
【一般的な相場(素材・仕様を抑えた場合)】
→ 1,300〜1,800万円
【自然素材+造作+設計力を伴う“フルリノベ”の場合】
→ 2,300〜2,800万円
CASE3:70㎡(築古・断熱+床暖房あり)
【一般的にネットで見かける価格帯】
→ 1,600〜2,200万円
【快適性・経年変化・造作を前提とした“性能リノベ”の場合】
→ 2,800〜3,400万円
まとめると…
あなたのマンションが“どんな暮らしを求めるか”で金額は変わる
同じ専有面積でも、目指す暮らしによって1,000〜2,000万円の差が出るのが現実です。
もし「自分のケースがどこに当てはまるかわからない」という方は、
以下のリンクより「その他のお問い合わせ」よりご相談内容+図面を送っていただければ無料で概算をお出しできます。
マンションフルリフォームの“フル”ってどこまでしてくれるの?対応範囲と管理規約の正しい理解

「フルリフォームって“壁や床を全部剥がす”ってこと?配管まで交換するの?」
「管理規約で工事が制限されるって聞いたけれど、どこまで自由にできるの?」
多くの方がこの疑問を抱きますが、結論はシンプルです。
| フルリフォームとは「仕上げ材だけでなく、住まいの性能や使い勝手を根本的に見直す工事」のことです。 |
ただし、マンションは建物全体が共有資産のため、管理規約による制限がある範囲で最適解を探る必要があるという点が非常に重要です。
ここでは次の流れで、あなたの不安をゼロにするところまで整理していきます。
フルリフォームの定義と範囲
フルリフォームは「表面を綺麗にするリフォーム」とは大きく異なります。一般的には以下の状態まで手を入れるケースを指します。
つまり、見た目だけ変えるのではなく、「これから20年以上住み続けられる状態」にするためのリフォームと言い換えることができます。
フルリフォームが必要になる状況チェックリスト
以下のうち2つ以上当てはまる場合、部分リフォームではなく“フル”を検討する価値が高いといえます。
✅ チェックポイント
- 築20年以上が経過し、配管の劣化が気になる
- 結露・寒さ・暑さなど住まいの不快感が年々増している
- 子育て・ワークスペース・老後などライフスタイルが変わった
- 収納不足や動線の悪さが日常ストレスになっている
- 段差・狭い通路・浴室またぎなど安全面の不安がある
→ ポイント: フルリフォームは「見た目の改善」ではなく「暮らしそのものを更新する」という発想で検討するのが正解です。
配管・断熱・防音・間取り変更は本当にできる?
一般の方が特に気にされるポイントを、順番に整理して説明しますね。
| 項目 | できる/できないの結論 | 判断の軸 |
|---|---|---|
| 配管更新 | 多くの住戸で可能 | PS(パイプスペース)位置に依存 |
| 断熱性能向上 | 内側からの断熱工事で可能 | 結露対策とセットで考える |
| 防音性能向上 | 二重床・遮音材で可能 | 管理規約の遮音等級が基準 |
| 間取り変更 | 多くの場合で可能 | 水回り移動の可否に注意 |
たとえば…
- キッチンを壁付けから対面式にしたい場合
→ 排水勾配(床下の高さ)の確保が必要。場合によっては床を一段上げて解決できる - 防音性能を高めたい場合
→ 管理規約で「LL-45」等の遮音指定があり、それを守りながら素材選定を行う
こうした「できるかどうか」には必ず理由が存在するため、判断さえ誤らなければ希望は実現できます。
管理規約で“できる/できない”こと
管理規約はマンションのルールブックです。もっとも制限が出やすいのは次の3点です。
| 区分 | できる例 | できない例 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1.床材 | 遮音等級を満たせば可能 | 無垢材の直貼り など | 音トラブル防止のため |
| 2.水回り位置変更 | 近距離なら可 | 長距離移動は不可 | 勾配確保が困難なため |
| 3.窓や外観 | 内側の断熱は可 | サッシ交換は不可 | 共有部扱いのため |
→ ポイント: ルールはマンションごとに異なるため、「うちはどれに当てはまるのか」を確認することが重要です。
マンションのフルリフォームの依頼前に必ず確認すべき注意ポイント(要保存リスト)
これらを後回しにすると、工期が延びて仮住まい費用が増えるという最悪パターンも起こり得ます。
もし迷ったら
フルリフォームは「決めることが多い工事」です。整理しながら進めないと、途中で判断の軸がブレてしまいます。
もし、
「チェックリストは分かったけど、結局うちは何ができるのか分からない」という場合は、図面と管理規約を事前にいただければ、“できる/できない”を無料で診断できます。こちらの「その他の問い合わせ」から事前にご相談ください。
>>>あすなろ建築工房に「できる/できない診断」を相談してみる
マンションのフルリフォームを成功させるロードマップと“詰まりポイント”の回避策

「全体の流れが分からないままリフォームを進めるのが一番不安…」
「どこで時間がかかり、どこに落とし穴があるのかを先に知っておきたい」
結論から言うと、フルリフォームの最大の失敗原因は“全体像が見えない状態で進めてしまうこと”です。
費用も段取りも、事前に整理できていればトラブルの8割は避けられます。
ここでは、初めての方でも迷わず進められるように「工事全体の流れ」と「詰まりやすいポイント」をセットで整理してお伝えします。
全体ロードマップ(7ステップ)
こちらは一般的なフルリフォームの進行モデルです。多くのマンションで 3〜5ヶ月が標準的な期間になります。
| STEP1 ヒアリング・現地調査 ↓ STEP2 設計・プラン確定 ↓ STEP3 管理組合へ申請 ↓ STEP4 解体 → 工事スタート ↓ STEP5 中間検査(調整) ↓ STEP6 完成・引渡し ↓ STEP7 入居・アフター |
- STEP1|物件確認・ヒアリング(〜1ヶ月)
- まずは、現在の住まいの状況と理想の暮らしをすり合わせます。
配管の位置や下地の状態は、後の計画と費用に大きく関わるため、この段階が軽視されると後で工期や予算がブレやすくなります。
詰まりポイント: 劣化や制約を初期段階で見抜けず、後から追加費用になる
回避策: 設計者による現地調査 or 事前同行を依頼することが理想
- STEP2|設計・プラン確定(1〜1.5ヶ月)
- 間取り・素材・設備・造作・動線を決めていくフェーズです。
この工程をどれだけ丁寧に行えるかで、完成後の満足度がほぼ決まると言っても過言ではありません。
詰まりポイント: 選択肢が多く、判断軸がブレやすい
回避策: 「優先順位(暮らし/デザイン/予算)」を最初に言語化して共有する
- STEP3|管理組合への申請(2〜4週間)
- 設計内容が固まったら、管理組合へ工事申請を行います。
申請が通らない限り、工事はスタートできません。差し戻しが入ると大きく遅れるため、実はここが最初の“大きな関門”です。
詰まりポイント: 必要書類の不足や、規約との不整合による差し戻し
回避策: 申請前に「規約と過去事例を確認してから図面を作る」こと
- STEP4|工事スタート(1.5〜2.5ヶ月)
- 解体 → 配管 → 電気 → 断熱 → 下地 → 造作 → 仕上げ の順に進む中で、
もっとも予期せぬ事実が発覚しやすいのが“解体直後”です。
詰まりポイント: 下地の腐食・配管の劣化が発覚して追加工事になる
回避策: 契約時に「解体後の調整見積ルール」を取り決めておく
- STEP5|中間検査と仕上げ確認(随時)
- 工事が進むにつれ「やっぱり棚を少し低く」「スイッチ位置を変更したい」と考えがちですが、後工程に影響する内容は慎重に判断する必要があります。
詰まりポイント: 仕様変更の連鎖で工期が伸びる
回避策: 変更は“工事前に出し切る”こと。現場打合せには必ず参加する
- STEP6|完成・引渡し(最終検査)
- 仕上がり・建具の動作・塗装の精度・照明の明るさなどを1つずつ確認し、気になる点は手直しして引き渡しとなります。
詰まりポイント: 引き渡し後に不具合を発見しがち
回避策: チェックリスト形式で最終検査を行う
- STEP7|入居・アフターフォロー
- 実際に暮らし始めて初めて気づく点もあります。そこで重要なのが、引渡し後のフォロー体制です。特に造作家具や自然素材を採用した家では、微調整が発生することも珍しくありません。
この流れを事前に理解して進めるだけで、工期遅延と追加費用のリスクは大幅に減らせます。
→ ポイント: 詰まりは「申請」と「解体直後」に集中します。
特に 管理規約・下地劣化・水回り移動は時間と費用に直結するため、事前の想定が命となります。
よくある“詰まりポイント”と回避策(FAQ形式)
-
工事がなかなか始まらないのはなぜ?
-
原因の8割は「申請書類の不備」または「管理規約の見落とし」です。
→ 回避策: 申請は“管理組合との事前相談”が最短ルート
-
見積が後から増えるのはなぜ?
-
築古物件に多い下地・配管の劣化が原因。解体して初めて分かることがあるためです。
→ 回避策: 「解体後の調整見積ルール」を契約前に決めておく
-
仮住まい期間を短縮できないの?
-
できます。鍵は設計フェーズの前倒しです。
→ 回避策: 着工後に仕様変更をしないことが最強のコストダウン
-
管理組合が厳しくて進まない場合は?
-
これは交渉経験のある施工会社かどうかで差が出ます。
→ 回避策: 過去の同マンション施工実績がある会社だと圧倒的に有利なので、そういった会社を選びましょう。
まとめ|後悔しないフルリフォームの本質
この記事でお伝えした内容を一度整理すると、フルリフォームの成功は次の3つに集約されます。
- 総額の目安と内訳を理解し、ブレない判断軸を持つこと
- 管理規約と工事範囲の“現実”を正しく把握しておくこと
- 段取りと詰まりポイントを知り、流れを見失わないこと
これらが揃えば、費用トラブルや工期遅延のリスクは大幅に軽減できます。
もしこの記事を読んで、
「うちの場合はいくらで、どこまでできるのか具体的に知りたい」
「図面と管理規約を見たうえでアドバイスが欲しい」
と感じた方は、無理にすべてを自分で抱え込まず、一度ご相談ください。

あすなろ建築工房は神奈川で設計と施工を一貫して行う工務店として、最初の不安解消から伴走いたします。
👉相談はこちら(図面があれば話がスムーズです)
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