狭小地でも快適な暮らしを叶える「間取り」の考え方とは
狭小地と聞くと、「狭くて家が建てられるのか分からない」「間取りに制限がある」といった不安を感じる方が多いかもしれません。ですが、実際には設計の工夫ひとつで、開放感と暮らしやすさを兼ね備えた家を実現することは十分に可能です。
特に、家事・育児・仕事を両立する共働き世帯や、これからの暮らしに備えたリノベーションを考えるシニア世代にとって、限られた空間をどう活かすかは非常に重要なテーマです。
【実例写真付】生活がラクになる狭小住宅の間取りアイデア3選
以下は、実際の暮らしをイメージしながら設計した「狭小地の代表的な間取り例」です。
※あくまでイメージ図ですが、間取りを考える際の参考としてご覧ください。
水まわりがまとまり、2階にLDK+ワークスペース+収納(家事動線特化型)
スキップフロアで空間を立体的に活用(収納・趣味空間と両立)
ロフト付きコンパクト平屋(老後やセカンドライフにも)
水まわりがまとまり、2階にLDK+ワークスペース+収納(家事動線特化型)



2階にLDKを配置することで、日当たりも確保でき、外部からの視線を遮りつつ、家族のくつろぎ空間を守ります。


このタイプは、洗濯→干す→たたむ→収納の一連の動線が1箇所にまとまり、水まわりが近くにあることで家事動線の効率化が最大の特徴です。
朝の準備中、洗濯をしながら子どもを見送る、テレワークの合間に食事をつくる…といった忙しい日常でも無駄な動きがありません。
スキップフロアで空間を立体的に活用(収納・趣味空間と両立)



1つの階を数段ずつずらして構成するスキップフロアは、視線の抜けや高低差が生まれ、実際の面積以上に空間に広がりを感じられる設計です。
在宅ワークスペースや収納エリアを独立して配置でき、子どもの遊び場や読書スペースなど、家族それぞれの居場所をつくるのに最適です。
ロフト付きコンパクト平屋(老後やセカンドライフにも)



バリアフリーな1階構成を基本に、ロフトで収納や趣味スペースを確保したスタイル。平屋のつくりは隠れ家的に遊べるロフトで子育て世帯にも、将来的に生活スペースに階段を避けたいシニア層にも安心です。
洗濯物はすぐ近くのデッキに干せて、趣味の道具はロフトに片付けるなど、動線を最短化しながら豊かな暮らしが実現できます。
狭小住宅の間取りは「通風」の工夫が必要?光と風を取り込む間取り術
限られた敷地の中で、風や光をうまく取り入れるための工夫は、狭小住宅では欠かせません。ここでは特に効果的な3つの工法をご紹介します。
天窓(トップライト)で自然光と風を上から取り込む

上部からの採光は、1階部分でも明るさを確保する手段として非常に有効です。開閉可能な天窓を設けることで、重力換気が働き、風が自然に抜けていく仕組みがつくれます。
※吹き抜けや階段スペースと合わせて設けると、さらに効果が高まります。
高窓でプライバシーを守りながら採光



隣家が接近している場合でも、視線を遮りながら光を取り込めるのが「高窓」。壁の高い位置に設けることで、日中もやさしい光を感じながら生活できる空間になります。
高窓はダイニングやバスルームなどにも有効です。
庭・吹き抜けで空間に抜けをつくる

建物の配置を工夫する事で、複数方向から風と光を取り込むことが可能になります。プライベートを守りながら、家全体の空気が循環する設計が実現します。
限りある空間の中にも視線の抜け、空間の抜けを取り入れることで広く見える工夫が可能となります。
【施工事例紹介】敷地を有効に活用し、コンパクトでも開放感ある住まいを実現した「スミレはうす」
「スミレはうす」では、敷地を有効に活用し、以下のような工夫が施されました。

- 34坪の敷地の中に、駐車スペース、駐輪スペース、お庭を設け、敷地を有効活用した計画
- 立地条件を生かし、自然な光・風が通ることを考えた設計
- 小上がりやSICなど、コンパクトながらも空間を無駄なく活用
詳細はこちら
▶施工事例:スミレはうす
狭小地の間取りで後悔しないために。まずは「暮らし方」を言語化しましょう
間取りを決めるということは、これからの生活スタイルを見つめ直すことでもあります。
といった視点から、理想の家を想像してみると良いでしょう。
また、「理想の間取りを手に入れるために必要なこと」では、間取りを検討する際に役立つ本や考え方も紹介しています。ぜひ事前に目を通してみてください。
当社の工夫として「家を広く見せるコツは5つ「限られた空間を有効に使おう」の記事でもご紹介しておりますが、狭小地でも工夫次第で広く見せることが可能であることをお伝えしております。
「土地をもっているがあまり広くないから狭小地で家を建てるしかない・・」
「人気のエリアに住みたいけど、狭小地でないと予算的に厳しいかも・・」
など、狭小地で住宅を建てることを検討している人は「広く見える工夫の詰まった家」を検討することがポイントとなります。
まとめ
- 狭小地でも、設計次第で家事がしやすく、風通しの良い住まいを実現できます。
- 縦空間の活用や、生活動線の工夫、光・風を取り入れる窓の工夫がカギとなります。
- 実例から得られるヒントも多く、自分たちの理想の暮らしに合う設計を探ることが重要です。
あすなろ建築工房では、住まい手の声を聞き、狭小地でも豊かな暮らしを叶える家づくりを行っています。
ご相談はお問い合わせページよりお気軽にどうぞ。
他の記事をみる