リノベーション

リノベーションマンションにデメリットなんてあるの?

「中古マンションを買っておしゃれにリノベーションしたい!」
そう思って検索したけれど、同時にこんな不安が頭をよぎりませんか?

「せっかくリノベしても、売却するとき損するのでは?」
「見積もりより費用が上がったらどうしよう…」
「管理組合や近隣からクレームが来たら怖い…」

これらはリノベ経験者の多くが実際にぶつかる壁です。

この記事では、リノベーションマンションのデメリットを網羅的に解説し、失敗を避けるための具体策まで提示します。最後まで読めば、「自分ならどこに気をつけるべきか」が明確になります。

リノベーション後のマンションの資産価値はどうなる?売却価格の推移と注意点

「転勤や子どもの進学で引っ越すかもしれない。ローンもあるし、将来売るときに損したら怖い…」

その不安、とてもよくわかります。特に住宅ローンが残っていると「売ったときに残債が減らなかったらどうしよう」と心配になりますよね。まずは数字で現状を把握し、どんな条件なら価値が維持されやすいかを知っておくと安心です。

新築・中古・リノベ物件の価格推移

築年数新築マンション平均価格中古マンション平均価格リノベ済み中古価格
新築〜5年100%約90〜95%約95〜98%
6〜15年約85〜90%約75〜80%約85%
16〜25年約70〜75%約60〜65%約70%

リノベ後5年以内は内装や設備が新しいため、相場より高く売却できるケースもあります。逆に、立地や管理状態が悪いとせっかくのリノベも価値を押し上げられません。

参考:国土交通省「中古住宅流通・リフォーム市場の現状」

資産価値が落ちにくいリノベの条件

観点成功事例失敗事例
立地駅徒歩10分以内、再開発エリア駅から遠い、空室率が高い
管理状態修繕積立金が計画的に積立大規模修繕計画なし、滞納多数
間取りファミリー層に人気の3LDK個性的すぎて再販しにくい

資産価値を守るには「次の買い手に選ばれる条件を満たしているか」が重要です。たとえば、駅近や再開発エリアは将来の需要が高いため、価格が落ちにくい傾向があります。また、管理状態の良し悪しは買主の心理に大きく影響します。修繕積立金がしっかり積み立てられ、長期修繕計画が公開されているマンションは信頼度が高く、売却時もスムーズです。

間取りについては、奇抜な間取りよりも「家族3〜4人が住める標準的な間取り」が再販時に有利です。水回りの位置や配管を動かしすぎると次の買主が敬遠する場合があるため、可変性を残した設計が望ましいでしょう。

ポイント

「立地」「管理」「間取り」が3本柱。私たちあすなろ建築工房では、設計段階から再販を見据えたプラン提案が可能です。

💡リノベーションのメリットも知っておきませんか?
デメリットを把握したら、次は「リノベで得られる良いこと」を知ると判断しやすくなります。
実際にどんなメリットがあるのか、新築マンションとの違いなどはこちらから👇

マンションのリノベーション費用はどこまで上がる?平均費用と追加費用に要注意

「ネットで調べた費用より高くなるって聞いた…怖い。どのくらい予算を見ておけばいいの?」

リノベ費用は「開けてびっくり」がつきもの。だからこそ、最初から余裕を持った予算設計をすることで、想定外の出費にも冷静に対応できます。

平均的なリノベ費用明細(70㎡想定)

項目平均費用
解体工事80〜120万円
配管更新50〜100万円
内装(床・壁・天井)200〜300万円
設備(キッチン・浴室など)300〜500万円
設計・管理費総工費の10〜15%

予算は見積額+10〜15%の予備費を確保するのが安全です。

リノベ費用は物件の築年数や構造で大きく変動します。たとえば築30年以上の物件では、解体時に床下の腐食や配管の劣化が見つかり、追加の配管交換費用が発生することも珍しくありません。また、設備費用は選ぶグレードで大きな差が出ます。

キッチンや浴室をハイグレード仕様にすると、設備費用が500万円を超えるケースもあるため、あらかじめ「優先順位」を決めておくことが大切です。

設計・管理費は見積もりに含まれない場合もあるため、契約前に総額を確認しておくと安心です。

見落としがちな追加費用リスト

  • 仮住まい・引っ越し費用(2〜3ヶ月分)
  • 管理組合への申請費用(数千円〜数万円)
  • 家具・家電の買い替え
  • 消費税率の変動による差額

仮住まい費用は工事が長引くほど増加します。工期が2ヶ月の予定でも、天候や追加工事で3ヶ月になることは珍しくありません。引っ越し費用は往復でかかるため、1回の移動につき5〜10万円程度を見込んでおくと安心です。

また、管理組合への工事申請費用は意外と見落とされがちです。マンションによっては工事保証金を一時預ける必要があり、数万円単位になることもあります。家具・家電も「新しい内装に合わせて買い替えたくなる」という心理が働き、結果的に追加支出が増えがちです。

ポイントは、見積もり段階で「生活再開までに必要な総コスト」を計算しておくこと。 そうすることで、途中で資金が足りなくなるリスクを防げます。

補助金・減税制度(例)

現在、リノベーション・リフォームに使える補助金・減税制度は、国・自治体・特定用途別制度など複数あります。

種類制度名補助対象・条件補助上限・補助率備考
国の制度住宅省エネ2025キャンペーン断熱改修、高性能窓設置、給湯器交換など省エネ改修窓改修:最大200万円/戸、給湯器:最大20万円など 3省(国交省・経産省・環境省)連携事業
国の制度長期優良住宅化リフォーム推進事業住宅の耐久性・省エネ性等を一定基準まで改修認定型などで160万円・評価基準型80万円など 申請は施工業者を通すケースが多い
国の制度子育て支援型共同住宅推進事業共同住宅(マンション含む)での防犯・安全性向上工事補助率は3分の1程度、制度により数十万円規模 マンション全体の工事とセットで使われることがある
国の制度賃貸集合給湯省エネ2025事業賃貸集合住宅における給湯器の省エネ交換追い焚きなしで5万円、追い焚きありで7万円など 主に賃貸向け、分譲マンション所有者でも対象となることあり
国の制度介護保険の住宅改修制度要支援・要介護状態の高齢者向けバリアフリー改修(手すり・段差解消等)上限20万円/戸(所得に応じて1〜3割の自己負担あり)地域の介護保険制度を通す手続きが必要
自治体制度各市区町村リフォーム助成制度地域住民を対象として、省エネ改修・バリアフリー改修など補助率や上限金額は自治体による(例:10~20万円規模)お住まいの市区町村の制度を必ず確認する必要あり
減税制度リフォーム減税・固定資産税軽減など所得税控除、住宅ローン減税との併用など控除額や適用率は法律や年度による変動補助金と併用できる制度もある

補助金は国施策と自治体制度が重なることが多く、併用できるケースもあります。ただし、制度ごとに申請時期・要件が異なるため、施工前に確認することが必須です。

補助金の予算枠が限られているため、早めに申請・予備申請を行うのが有利です。

補助金だけで費用が全て賄えるわけではないため、「補助金+自己負担分」を見込んで資金計画を立てましょう。

注意

申請には工事前の申請手続き(事前申請)が必要な制度が多いため、後から追加する改修工事だけでは補助対象外となることもあります。

ローン活用シミュレーション例

パターン借入額金利返済期間月々の返済額目安*
ベーシック1,000万円1.0%15年約6万円
長期返済型1,000万円1.5%20年約4.7〜5万円
短期返済型800万円0.8%10年約7〜8万円
低金利型1,200万円0.7%20年約5.4万円
ボーナス併用型900万円1.2%15年(ボーナス併用)月払い+年2回ボーナス払いあり

* 目安額。実際の返済額は借入方式(元利均等/元金均等)、返済開始年齢、手数料等を含むかどうかで変動します。

金利が高め(例:1.5%)で返済期間を延ばすと、月額を抑えつつ返済総額が増えるリスクがあります。

短期返済型は利息支払を抑えられるが、月々の支払負担が大きくなるため、収支バランスを見極める必要があります。

ボーナス併用型を選ぶ場合、年2回分の大きな支出を見込んでおく必要があります。

金利タイプ(固定・変動・ミックス型)を変えると返済額の変動リスクが出るため、将来の金利変動も考慮してプランを複数比較しておくことが安全です。

また、リフォームローンやリノベーション向けローン、既存住宅ローン借換え+リノベ費用併用型などの複合型ローン商品も存在し、用途や個人の信用力によって選択肢が変わります。

さらに、シミュレータ―リンクの設置(例:三菱UFJリフォームローンシミュレーションページなど)を記事中に貼ると、読者が「そのまますぐ試せる」ようになって利便性が上がります。例えば、MUFGのリフォームローンシミュレーションページを記事中に紹介するのも有効です。

マンションのリノベーション時によくある工事トラブル・管理規約の制約を回避する方法

「せっかく計画しても、管理組合にNG出されたらどうしよう…近隣からクレームが来ないかも不安。」

リノベはワクワクする反面、工事中の近隣との関係がストレスになることも。事前にルールと近隣対応を整えることでトラブルはかなり防げます。マンションリノベは、工事範囲や時間が規約で制限されることが多いため、着工前の確認が重要です。

工事前に確認すべき管理規約10項目

□ 工事可能時間と曜日➡管理規約「専有部分の改装」条項
□ 騒音ルールと苦情窓口➡管理規約、理事会議事録
□ 共用部養生方法➡管理規約、管理会社へ直接確認
□ エレベーター使用条件➡管理会社への事前問い合わせ
□ 廃材搬出ルート➡現地見学+管理人へ質問
□ 水回り移動可否➡管理規約、建築図面(竣工図)
□ ペット飼育ルール➡管理規約
□ 火気使用制限➡管理規約、防災規約
□ 申請書類提出期限➡管理会社・理事会
□ 完了後の検査方法➡管理会社・理事会
チェック項目判断のポイント
工事可能時間と曜日平日のみか、土日も可かを確認。共働き世帯なら土日作業可のマンションが理想。
騒音ルールと苦情窓口過去に苦情が多いマンションは厳しい制限がある場合あり。作業時間を守れそうか判断。
共用部養生方法床養生・エレベーター養生の範囲や費用負担を確認。搬入が多い場合は追加コストを見込む。
エレベーター使用条件エレベーター専用予約が必要か、使用時間制限があるか確認。大型家具搬入が可能かもチェック。
廃材搬出ルート廃材や資材搬入経路が狭いと追加人件費が発生。工事業者に下見してもらい搬出可否を確認。
水回り移動可否配管がスラブ下か二重床かで制約が変わる。設計前に「水回り移動可否」を施工業者と確認。
ペット飼育ルール将来ペットを飼う予定があるなら、頭数・サイズ制限を確認。臭いや防音対策が必要か判断。
火気使用制限ガスからIHへの変更可否や換気ダクトの仕様を確認。火気使用不可なら電化設計を検討。
申請書類提出期限工事開始の何週間前までに申請が必要か確認。着工時期に間に合うスケジュールを逆算。
完了後の検査方法工事完了後に立会検査があるか、やり直しが必要なケースを想定して工期に余裕を持たせる。

管理規約は「管理組合のルールブック」で、通常は管理会社に問い合わせれば最新版を入手できます。

特に重要なのは水回り移動と工事可能時間で、ここを見落とすと「やりたかったリノベができない」「工期が思ったより長引く」といったトラブルの元になります。

さらに、理事会の議事録を見せてもらうと、過去に工事トラブルがあったか、どんなルール変更があったかもわかるため安心です。

施工会社選びのポイント

「どの会社も良さそうに見えるけど、何を基準に選べばいいのかわからない…」

施工会社選びはリノベ成功の最大のカギ。ここで妥協すると、あとからトラブルや追加費用で後悔する人が本当に多いです。以下のチェックポイントを参考に、冷静に見極めましょう。

  • マンションリノベの実績があるか
    → 施工事例集やホームページを見て、マンション特有の制約(管理組合との調整や防音工事など)に対応した実績が豊富か確認。
  • 管理組合との調整経験が豊富か
    → 担当者に「工事申請書や掲示物の作成も代行できますか?」と質問。経験豊富ならスムーズにやってくれるはず。
  • 現場監督が常駐、または週数回訪問しているか
    → 契約前に確認し、対応が遅れない体制かを見極める。特にマンション工事は日々の調整が多いため重要。
  • アフター保証が明確か
    → 契約書・保証書に「何年間、どの範囲まで無料で対応するか」が明記されているか確認。口約束はNG。
  • 見積書の明細が細かいか
    → 「一式」とだけ書かれていないかをチェック。内訳が細かいほど後から追加請求が発生しにくい。
  • 提案力があるか
    → 「できません」で終わらず、代替案やより良い案を提示してくれるかどうかを打ち合わせで確認。
  • 職人の質が高いか
    → 可能なら過去の現場を見学。養生の丁寧さや仕上がりの精度で職人のレベルがわかる。
  • コミュニケーションがスムーズか
    → 初回打ち合わせのレスポンス、説明の分かりやすさ、担当者との相性を重視。信頼関係が築けるかが決め手。

これらを一つずつ確認していくと、「価格が安いからここに決めた」ではなく、安心して任せられるパートナーかどうかで選べるようになります。特に現場監督や設計担当と直接会って話を聞くと、会社の雰囲気や対応力も見えてきます。

💡 ワンポイントアドバイス
気になる会社は2〜3社に絞って現場見学を依頼しましょう。仕上がりの丁寧さと現場の整理整頓具合は、工事中のストレスや仕上がりに直結します。

よくある後悔例と対策

「あとから追加費用を払う羽目になったり、近所から苦情が出たりしたら…もう考えるだけで疲れる」

その不安、よくわかります。現場では「もっと早く教えてほしかった!」という声をたくさん聞きます。以下は、現場目線でお伝えする防止策です。

予算オーバーになった

対策:契約前に“解体後の追加費用シナリオ”を3パターン試算する。

解体して初めて分かる劣化箇所や配管状況があります。あらかじめ「追加工事が発生した場合の費用上限」を決め、予備費を確保しておくと冷静に判断できます。

着工前に配管カメラ調査や床下点検を行い、見積もり精度を上げると予算ブレを最小化できます。

工事音で上下左右の住人から苦情が来た

対策:工事計画を共有するだけでなく、“作業音が大きい日”を事前に通知する

一般的な挨拶回りだけでは不十分。特に解体やハツリ工事など音が大きい日はポスト投函や掲示で知らせるとトラブルが減ります。

間取り変更ができなかった

対策:契約前に“管理規約+竣工図面+現地調査”を三位一体で確認する

口頭確認では危険。設計士と一緒に現地で配管ルート・壁の構造を確認してからプランを決めると、後から「できません」と言われるリスクを防げます。

仕上がりが想像と違ったら?

対策:完成前に“モックアップ確認”や“現場立会い”を複数回実施

図面やパースだけでは質感や高さが分かりにくいことが多々あります。現場でコンセント位置や棚の高さを一緒に確認することで後悔を防げます。

引っ越し後に不具合が見つかったら?

対策:引き渡し前に“水回り・電気・建具”を動作確認するチェックシートを用意

水漏れ、引き戸の動き、コンセントの通電確認など、リスト化して立会検査すると安心です。遠慮しないでください。

その他、よくあるトラブルについては国民生活センターで確認してみてください。

参考:国民生活センター「リフォーム工事のトラブル」


まとめ|デメリットを理解すればリノベは怖くない

リノベーションマンションには「資産価値」「費用」「規約」の3つの落とし穴がありますが、事前に知っておけば対策できます。特に、立地と管理状態の確認・予備費の確保・管理組合との調整が成功のカギです。

「具体的な費用や設計相談をしたい」「自分に合う間取りを提案してほしい」という方は、
こちらの相談窓口からお気軽にご相談ください。


他の記事をみる