家づくり

相見積をしない理由

もくじ

①積み上げることの意味

家の価格は坪単価で計算できるものではないと考えています。一つ一つの家に使われる材料は同じ面積や同じ仕様であることはなく、大きさも違えば仕様も違ってきます。そこに住むご家族や風土に最適な材料を選んでいますので、家ごとに使われる材料や工法も違います。家ごとに違うものなのだから、柱の一本からトイレの紙巻器の一つまで、一つ一つ見積を積み上げていくことは家づくりにとって大事な作業であると考えています。

②見積作業の労力

見積の作業というものは簡単なものではなく、それなりの労力を要するものです。一軒一軒、使用する構造体、仕上げ材料、住宅設備などを拾い上げ、都度その時の時勢価格を調査し、見積していきます。新しい工法や材料の場合には、見積するには職人さんの協力も必要となります。使用材料の必要数の拾い計算、協力業者さんへのヒアリング、時勢価格調査、積み上げ計算など、見積書を作成するには、3週間近くを要します。最終的な見積書を纏め上げるにも、工事に精通したスタッフが丸一日以上かかります。もし、見積をしたにも関わらずその家が建てられないとすると、そこにかかった経費は別のお客様に間接的にご負担いただくことになってしまいます。

③価格競争というリスク

また、相見積の場合は、価格競争的な判断がなされてしまうことも多いと思います。安さ勝負となると、競争に勝つために、私たちが考える「適切な材料」や「適切な工事」とならないものを選択ぜざるを得ないことにもなります。目先の価格だけで判断してしまうと、将来的にメンテナンスに莫大な費用を要することになってしまったり、すぐに劣化してしまうようなような材料を使ったりするようなことにもなりかねません。また価格勝負の安い単価の職人に依頼してしまうようなことにもなり、見えないところで手を抜かれてしまうようなリスクもあります。信頼のおける職人に工事を依頼するためには、その労働に見合った適切な費用が必要であると考えています。

④よい家づくりを行うという信念

「よい家づくり」をしたいからこの仕事をしています。よい家づくりを行うことを目標としていますので、私の考える信念と違うことをすることは私たちにとってもストレスにもなります。「安いから」と言う理由で依頼されるので無く、「安心できるから」という理由で選ばれたいと常に考えています。

⑤ベストプライス提示

お客様に無駄な費用をご負担いただかないためにも、私たち自身も純粋な家づくりに専念するためにも、常に値引き無しのベストプライスを提示し、安心してご依頼いただけるように心掛けています。

⑥まとめ

【設計事務所の方で、あすなろ建築工房に工事依頼を検討されている方へ】

あすなろ建築工房は、設計事務所の設計による施工を手掛けてはいますが、相見積の場合は辞退させていただいています。

規格住宅であれば㎡数や坪数の掛け算で簡単にできてしまいますが、設計図書に基づいた注文住宅となりますので、仕様や造り方が家ごとに違います。正確な価格を提示するためにも、しっかりと積み上げによる見積をするように心掛けています。数量を拾って、時勢価格を調査し、入力して、精査して、と見積を作成するにはまるまる3日以上の作業時間が必要となります。経費を考えると、規模にもよりますが一軒当たり10万円~30万円の費用がかかっている計算になります。

見積作業にはかなりの労力が必要となりますので、もし相見積をしてその仕事を請けることが出来なかった場合は、その作業の経費は工務店の持ち出しとなります。相見積を重ねていくことは、工務店の体力を落として行くことになります。そして相見積ばかりしている工務店は、いずれ体力が続かなくなってしまって潰れてしまうことになります。施工した者がいなくなってしまって困るのは、その発注者であるお客さんだと思います。施主、設計者、施工者がお互いに信用の置ける関係が大事なことであると考えています。

もちろんご予算もありますので、見積価格がご予算をオーバーしてしまった場合には、VE(減額)提案を一緒に考えていくことで、最終的に金額調整を行い、ご予算内に納めて参ります。

以上、私たちの考えにご共感いただける場合は、喜んで全力で品質の高い施工をさせていただきます。ご依頼をお待ちいたしております。


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