住処

鎌倉に家を持つという選択肢とは?

歴史と自然に包まれたまち「鎌倉」。

観光地として有名なこの地に、「住む場所」としての関心が高まっています。美しい街並みや落ち着いた雰囲気、子育てやセカンドライフにも適した環境など、さまざまな理由で鎌倉で家を建てたいと考える方が増えています。

本記事では、鎌倉で家を持つ魅力とリアル、気をつけたい建築のポイントやエリア選びのコツ、さらに賃貸・戸建て・リノベーションそれぞれの違いまで、プロの視点からわかりやすくお伝えします。

鎌倉での暮らしの魅力とは?

鎌倉市の治安について

鎌倉市は観光地でありながら、治安の良さでも知られています地域住民の防犯意識が高く、町内会によるパトロールや地域見守り活動も行われています。

特に住宅街や北鎌倉・鎌倉山エリアなどは、静かな環境と穏やかな住民層により、落ち着いた生活が可能です。

一方で、観光客が多く訪れる鎌倉駅周辺や由比ヶ浜などでは、スリや置き引きといった軽犯罪への注意が必要です。特に週末や外国人観光客が多い時期には、人ごみの中での貴重品管理を意識すると安心です。

警察署の巡回や観光ボランティアの見守りがあり心強いものの、観光地ならではのリスクも念頭に置いておくと、より安心です。

歴史と自然に囲まれた、心豊かな暮らし

鎌倉には、鶴岡八幡宮や長谷寺などの歴史ある寺社仏閣が点在しており、街全体がどこか穏やかで落ち着いた雰囲気に包まれています。また、山と海に囲まれた地形のため、散歩のたびに四季折々の自然を感じられるのも大きな魅力です。

一方で、観光地としてにぎわう側面もあります。

週末や大型連休には混雑するエリアもありますが、地元の方々は裏道や混雑時間を避けてうまく共生しています。観光都市に住むということは、静けさと活気のバランスを自分のスタイルで選べるという魅力でもあります。

鎌倉で「家を持つ」3つの選択肢

Three colorful doors featuring question marks illustrate the fear of better options and the complexities of making significant life and career decisions

賃貸・新築戸建て・リノベーションの違いとポイント

1.賃貸

駅近で利便性の高い物件は人気が高く、空きが出てもすぐに埋まりやすい傾向があります。家賃相場は神奈川県内でも高めで、築年数の割に割高な物件も少なくありません。

2.新築戸建て

土地探しからスタートするため、風致地区や景観条例など鎌倉ならではの法規制を踏まえた計画が必要です。鎌倉ならではの高低差や狭小地も多く、設計力と施工力のある会社選びが鍵となります。

3.リノベーション

古民家や中古戸建てをリノベーションして、自分らしい空間に作り変える方も増えています。耐震・断熱の改修は必須であり、バリアフリー化を見据えることで長く安心して住める家に。

古民家暮らしを考えている方はこちらの記事で詳しく解説しています。

鎌倉で家を建てる際に知っておきたいこと

景観条例や建築規制、そして自然災害への備え

鎌倉市は、全国でも有数の「景観保護」に力を入れている地域です。風致地区では、建物の高さ・外壁の色・屋根の形状まで細かな規制があります。これらを知らずにプランを進めてしまうと、後から大幅な修正が必要になるケースも。

また、鎌倉の地形は坂が多く、高低差のある土地も多いため、設計段階からしっかりとした地盤調査やプランニングが求められます。湿気や塩害といった自然由来のダメージにも備える必要があり、自然素材や通気性の良い構造設計が非常に有効です。

▶️ 関連記事:「【購入前必見】地盤調査はいつ・いくら?

鎌倉市の住宅支援制度・リフォーム助成

現在、鎌倉市では移住支援に特化した制度はありませんが、一定の条件を満たすことで以下のような支援が受けられます。

  • 高齢者向け介護保険住宅改修補助(バリアフリー)
  • 住宅用省エネルギー改修に関する補助金制度
  • 耐震相談・耐震診断補助

など様々です。

参考元:鎌倉市

詳しくは鎌倉市の公式サイトをご確認ください。

家族構成やライフステージに応じた支援内容を事前に調べ、専門家に相談することで、よりスムーズな家づくりが可能になります。

鎌倉で家を持つ5つのメリット

  1. 自然と歴史が共存する落ち着いた住環境

    鶴岡八幡宮や長谷寺など、地域の歴史を感じながら日常を送れる環境は、他のエリアではなかなか味わえません。古都の情緒に包まれた暮らしは、心にもゆとりをもたらします。
  2. 教育機関や子育て支援の充実(保育園・学童など)

    保育園や学童施設が各エリアに整備されており、子育て中のファミリーにも安心の環境です。また、自然体験ができる教育イベントも多く、感性豊かな子どもに育てたい方には最適です。
  3. 地産地消の文化・食材・マルシェなど日常が豊か

    鎌倉市内には地元野菜や手作り惣菜を扱うマルシェや商店が充実しており、食材選びから食卓が楽しくなります。地元の人と交流しながら買い物を楽しむのも、鎌倉暮らしならではの醍醐味です。
  4. 東京・横浜への通勤アクセスが良好(湘南モノレール・横須賀線

    鎌倉駅や大船駅からのアクセスが充実しており、都内や横浜方面への通勤も快適です。特に横須賀線は座って通勤できるチャンスも多く、ストレスを感じにくい点が好評です。
  5. 海や山が近く、週末のアクティビティが豊富

    由比ヶ浜や材木座などの海岸やハイキングコースが身近にあり、週末はアウトドアを思う存分楽しめます。都会に近いのに自然に恵まれた環境は、心身のリフレッシュにもつながります。

鎌倉で家を持つデメリットとその対策

〜建築コスト・観光地の課題・土地価格〜

鎌倉での暮らしは魅力にあふれていますが、理想を実現するには現実的な課題と向き合う必要があります。ここでは、よく挙げられる3つのデメリットとその対策について詳しくご紹介します。

1. 土地価格・建築費の高さ

鎌倉市内、とくに鎌倉駅周辺や海の近くのエリアは土地の流通数が限られており、希少性が高い分、地価も高めです。また、景観条例や建築規制により、設計や施工にも追加コストが発生するケースがあります。

人気エリア(鎌倉駅〜由比ヶ浜)では、住宅用地の相場が坪単価70〜100万円を超えることも
法規制に適合させるために、設計自由度が制限され、コストアップにつながる場合もあります。

対策

築古の中古住宅を購入し、リノベーションすることで、取得費+改修費を抑える選択肢も検討できるでしょう。景観配慮を得意とする建築事務所に依頼し、無駄のない設計でコストを最適化するのが鍵です。

2. 道路の狭さ・駐車場不足

鎌倉の住宅街は昔ながらの街並みが残っており、道幅が狭く車のすれ違いが困難な場所も多いです。観光客の増加により、土日祝は交通が混雑する傾向にあります。また、敷地内に駐車スペースを確保することが難しい土地も少なくありません。

建築時に大型トラックが進入できず、手運びや小型搬入で費用がかさむことも。路上駐車の取り締まりが厳しく、日常的にコインパーキングに頼るのは不便です。

対策

敷地条件に合わせたピロティ(1階を駐車場にする)や縦列駐車スペースの設計が有効です。
カーシェアや電動自転車との併用も検討することで、生活コストの最適化が図れます。

3. 観光地ゆえの混雑・騒音

観光シーズンには、鎌倉駅や鶴岡八幡宮、長谷寺などの周辺に多くの人が集まり、**日常生活にも影響を与える場面があります。**観光客の車両やツアーバスによる交通量の増加、繁華街の騒音などが気になる人もいるでしょう。

鎌倉駅周辺では、週末に渋滞が慢性化しやすく、通勤や買い物に時間がかかるケースも。夏場は観光イベントも多く、公共交通機関が混み合いやすい傾向です。

対策

少し駅から離れた北鎌倉・西鎌倉・鎌倉山などの住宅街を選ぶと、静かで暮らしやすい環境が得られます。交通量の多い通りから奥まった敷地や袋小路の物件を選ぶのも、生活の静けさを保つ工夫です。

4. 湿気・塩害・台風リスク

鎌倉は海と山に囲まれた地形のため、湿気が溜まりやすく、金属部分の腐食や木材の劣化に注意が必要です。特に海沿いエリアでは、塩分を含んだ潮風による塩害対策が不可欠です。

外壁や手すり、エアコンの室外機などの金属部品が錆びやすい。夏場はカビや結露、冬場は窓ガラスの結露が発生しやすく、室内環境が悪化することも。

対策

無垢材や漆喰など、調湿性に優れた自然素材を使用した住宅設計なら湿気を調整できます。通風計画や断熱施工を工夫することで、結露やカビの発生を抑制。金属部には耐塩害仕様の素材や塗装処理を施すことが推奨されます。

5. 建築制限・申請の煩雑さ

鎌倉市では、美しい街並みや自然を守るため、建築に関する制限が非常に多くあります。「風致地区」や「歴史的風土保存区域」などに指定されているエリアでは、建築物の高さ・外壁の色・屋根の形状にまで規制が及ぶため、申請手続きや設計自由度に影響が出ることも。

建築確認申請とは別に、鎌倉市独自の審査が必要なケースがあり、着工までに時間がかかることも申請内容によっては、外観変更の制限や、樹木の伐採許可が必要になる場合があります。

対策

鎌倉市の条例や地域ごとの規制を熟知した設計事務所や工務店と連携することが重要です。

法規制と自然調和の両立を前提にした家づくりを得意とする会社なら、設計段階からスムーズな進行が可能です。

鎌倉に家を建てるならエリア別の魅力を知っておこう

鎌倉はエリアごとに異なる個性を持っており、住む場所によって暮らし方のスタイルも変わってきます。以下では代表的な4つのエリアを紹介し、それぞれの魅力やおすすめの暮らし方を詳しく解説します。

鎌倉駅周辺:文化と利便性が融合

鎌倉市の中心とも言えるエリア。駅前には商業施設や飲食店が立ち並び、観光客でにぎわう一方、一本路地を入ると落ち着いた住宅地が広がります。

駅から徒歩圏内にスーパーマーケットや銀行、病院が揃い、生活に不自由はありません。

鶴岡八幡宮や段葛、若宮大路など、鎌倉らしい風景が生活の一部になります。観光地に近い分、人通りや車通りが多い点を踏まえ、通り沿いよりも住宅街寄りを選ぶと安心です。

由比ヶ浜・材木座:海と暮らす生活

鎌倉の海沿いエリアで、マリンスポーツや散歩、海水浴などを日常的に楽しみたい方に最適です。

海岸まで徒歩数分の立地で、開放的な空気と心地よい海風が魅力。カフェやベーカリー、地元食材の小さな商店も多く、ライフスタイル志向の方に人気です。

台風や塩害への備えが必要なので、建物の素材やメンテナンスには注意しましょう。

大船エリア:機能性重視の人気地

鎌倉市の北部に位置し、横浜や都内へのアクセスが便利。駅周辺の再開発が進み、若いファミリー層に人気です。

JR東海道線・横須賀線・根岸線・湘南モノレールが使える交通の要所。駅ビルや大型スーパー、ドラッグストアが充実しており、日常の買い物もラクラク。

鎌倉市内でも比較的地価が落ち着いており、コストバランスの取れたエリアです。

北鎌倉・山ノ内:静けさを求める方に

自然と文化が調和した北鎌倉エリアは、歴史的な寺院が点在し、落ち着いた雰囲気を好む方におすすめです。

明月院、建長寺などの名刹が徒歩圏にあり、四季折々の風情を感じられます。緑豊かな環境で、鳥のさえずりが聞こえるような静かな暮らしが可能。

おしゃれなカフェやギャラリーも点在し、文化的な暮らしを楽しみたい方にぴったりです。

あすなろ建築工房の家づくり

鎌倉のように、土地の個性や規制が多い場所では「ただ建てる」だけでは理想の住まいは実現しません。

あすなろ建築工房では、設計事務所と工務店が一体となり、設計段階から丁寧に対話を重ね、土地に合わせた暮らしやすい住まいを提案しています。

自然素材を活かした施工で、湿気や経年変化にも強く、バリアフリーや省エネ設計も柔軟に対応可能です。

まとめ|まずはお気軽にご相談ください

鎌倉で家を持ちたいと考える方にとって、大切なのは情報収集と専門家との対話です。

理想の暮らしを叶えるためには、土地や建物の条件だけでなく、「どう暮らしたいか」を共に考えてくれるパートナーの存在が大切です。

あすなろ建築工房も暮らしを考えるご提案を行っておりますので、ぜひお気軽にお問合せ下さい。

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