土地探しの時点で「日当たりの良さ」を見極めるには?
家を建てるとき、多くの方が重視するのが「日当たりの良さ」。しかし実際に土地を選ぶ際、本当に日当たりの良い土地をどう見極めればよいのかを具体的に教えてくれる情報は意外と少ないものです。
この記事では、神奈川県で家づくりをご検討中の方に向けて、土地選びで日当たりを判断するためのチェック方法、方角だけでは判断できない意外な落とし穴、設計で補える工夫まで、プロの視点で詳しく解説します。
日当たりの良い土地を見極める!チェックリストとQ&A

日当たりのよい土地探しをするための5つのチェックリスト
土地の日当たりを現地で確認するには、以下のような5つのポイントを押さえておくことが大切です。
- 現地に実際に行ってみたか?
- 現地の家の建物の影の落ち方を確認したか?
- Googleマップの3D機能や日照アプリを活用してみたか?
- 道路の位置と幅を確認してみたか?
- 周囲の建物の高さをチェックしてみたか?
現地に実際に行ってみたか?
時間帯ごとの太陽の位置を肌で感じることが最もシンプルで効果的です。特に午前10時〜午後2時の時間帯を中心に、どれだけ直射日光が届いているかを確認しましょう。
現地の家の建物の影の落ち方を確認したか?
隣家や建物の影がどの位置に落ちているかを確認します。冬場は太陽が低くなるため、思ったより影が長く伸びることも。季節による違いにも注意が必要です。
Googleマップの3D機能や日照アプリを活用してみたか?
「Sun Surveyor」や「日照シミュレーション」などのアプリを使用する事で、建物の影の動きや時間ごとの日射状況を確認することができます。
- サン·サーベイヤー (Sun Surveyor) >>Appleダウンロード/Googleダウンロード
- 日照シミュレーションサイト(Keisan)>>該当サイト
道路の位置と幅を確認してみたか?
前面道路の幅が広ければ、建物からの影響を受けにくくなります。特に南側に広い道路がある土地は、日当たりの面で有利です。
周囲の建物の高さをチェックしてみたか?
南側に3階建てやマンションがある場合、日差しが遮られるリスクがあります。将来的に建て替えられる可能性も踏まえ、用途地域の確認もしておきましょう。
ぜひメモなどにリストアップして行動してみてください。家を建ててからでは遅いので、なるべく自身で見定める努力をしてみてください。「そのような時間がない・・」という方はお世話になろうとしている工務店などに相談して一緒に土地探しを行うと安心です。
土地探し時の日当たりについて~よくある質問~
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南向きの土地が一番いいのでは?
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南向きは理想的ですが、必ずしも絶対ではありません。東や西向きでも設計でカバーできる場合があります。
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旗竿地は日当たりが悪い?
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通常の宅地より制限があるのは事実ですが、旗部分の配置や中庭設計により光を取り込む工夫は可能です。
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日当たりと風通し、どちらを優先すべき?
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両方重要ですが、設計で調整できる部分も多く、優先順位はライフスタイル次第です。
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リノベーション物件では日当たりをどう判断する?
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窓の位置や周囲建物の配置に注目し、現地で光の入り具合を時間帯別に確認しましょう。
日当たりの良さは「方角」だけで判断してはいけない理由とは?

日当たりの良し悪しは「南向きならOK」といった単純な話ではありません。方角だけでは不十分で、環境や条件の影響が非常に大きいのです。
周囲の建物の高さと距離
家の南側に高い建物が建っていると、日差しがその建物の影で遮られてしまいます。特に、3階建ての住宅やマンションなどがすぐ近くにあると、思ったよりも長時間日陰になるケースがあります。
土地を見に行くときは、必ず南側の隣地の建物の高さと、どれくらい距離が空いているかを確認しましょう。影がどの時間帯にどう動くかを見ておくと安心です。
道路の方位と接道状況
「南向きの土地だから明るいだろう」と思っても、南側に狭い道路があり、さらにその向こうに高い建物が建っている場合は、光が入ってこないこともあります。逆に北道路の土地でも、建物を敷地の南側に寄せることで、リビングや庭をしっかり日当たりの良い位置に配置できるケースも。
道路の向きだけでなく、その道路の幅や周辺の建物との関係もチェックポイントです。
土地の高さと土の壁(擁壁)の有無
土地には、高台にある場所や低い場所など、高低差があるケースがあります。周りの家よりも少し高い位置にある土地は、日差しを遮るものが少ないため、日当たりが良くなることが多いです。
一方で、その土地が人工的に盛られていて土を支えるコンクリートの壁(これを“擁壁”といいます)がある場合、その壁の高さや状態によっては建築に制限が出たり、補強工事が必要になることがあります。これは将来的なコストや安全性に関わるポイントです。
そのため、土地を選ぶ際には、見た目の高さだけでなく、擁壁があるか、また擁壁がどのくらいの高さなのか、古くないかをチェックしておくことが重要です。不安な場合は、購入前に専門家に見てもらうことをおすすめします。
自然環境(周辺の木、山、畑など)
現況、空き地や畑が広がっていて開放的に見えても、将来的に建物が建てられる可能性がある場所かもしれません。また、隣地に大きな木があると、季節によっては日差しを遮ることもあります。
用途地域や建ぺい率・容積率などの建築制限、隣地の所有者や将来の計画についても事前に調べておくことで、思わぬ後悔を防ぐことができます。
設計段階で日当たりを最大限に活かす工夫
土地の条件に多少制約があっても、設計の工夫次第で採光性は大きく改善できます。
中庭や吹き抜けを活かした採光設計
隣の建物との距離が近く、外からの光が入りにくい土地でも、建物の内部に中庭をつくることで光を取り込むことができます。また、吹き抜けを設ければ、上からの自然光を室内に届けることができます。都心や住宅密集地など、限られた条件下でも明るさを確保する有効な手法です。
スキップフロアや床の高さを変える
周囲に高い建物がある土地では、リビングを2階にすることで、上から光を取り入れやすくなるというメリットがあります。また、部屋ごとに床の高さを変えるスキップフロアにすることで、窓の位置を調整しやすくなり、日当たりをうまく活用できます。
窓の配置とサイズ設計による採光
単純に「南側に大きな窓をつければよい」というわけではなく、どの時間帯に、どの方向から光が入ってくるかを考慮して窓の配置を決めることが大切です。必要な場所に、必要なサイズの窓を配置することで、無駄なく光を取り入れることができます。
設計相談前に確認しておくべきこと
- 敷地図や近隣の立面図を確認し、建物の影の影響を確認しましょう。
- ご自身の生活スタイル(在宅時間帯)に光が必要な部屋を明確にしましょう。
- 現地には1日の異なる時間に足を運び、光の動きをチェックすることも参考になります。
あすなろ建築工房の関連施工事例・お客様の声
住まいの実例:『北面道路の3方向囲まれた敷地でもしっかりとした採光を取れるよう採光計画をいたしました』→『スキットはうす』

住まいの実例:『東と南と二方向が道路に面し、建物も道路にギリギリまで寄せて計画しているため、窓は高窓(ハイサイド)とし、採光と通風を確保』→『ベリーズハウス』

あすなろ建築工房では「日当たりも考慮した土地探し」をご提案しています
私たちあすなろ建築工房では、設計士が直接土地探しから同席し、日当たりや敷地条件を総合的に判断した上で家づくりを進めています。
設計と施工の両方を行っているからこそ、「買った土地に満足できなかった…」という後悔を防ぐことができます。
詳しくはこちらのページで紹介しています。
土地を購入する前の「事前相談」でも、日当たりや設計の工夫についてしっかりアドバイスいたします。後悔しない土地選びのために、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
- 日当たりは「方角」だけでなく、周囲環境・地形・道路幅・隣地建物の高さなど多くの要素で決まります。
- 現地でのチェックに加えて、将来的な建物計画や日照シミュレーションも重要です。
- 設計次第で日当たりの弱点を補えるため、土地選びと設計を並行して進めることが最善策です。
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