ホンモノの自然素材の家に住むメリット7つとは?
「自然素材の家って、実際どうなの?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
自然素材の家は、単なる流行ではありません。
調湿性・断熱性・経年美化・健康面への配慮など、多くのメリットを持っています。
当社では、自然素材にこだわりを持って家づくりをしていますが、今回はホンモノの自然素材が良い理由を解説していきます。
自然素材の家が選ばれるメリット7つとその理由
自然素材は、単なる“見た目の良さ”だけでなく、住まう人の心や体にやさしく寄り添ってくれる存在です。ここでは、自然素材の家が選ばれる理由を7つの視点からご紹介します。
1. 調湿性に優れ、夏も冬も快適に過ごせる
漆喰や珪藻土の壁、無垢材のフローリングには、空気中の湿度を吸収・放出する「調湿機能」が備わっています。湿度が高いときは吸湿し、乾燥しているときには放湿するため、室内の空気を一定に保ちやすく、一年を通じて快適な空間を実現してくれます。これはまるで自然が呼吸しているかのような感覚です。
2. 木材の断熱性で素足でも温かい床に
木材は内部に多くの気泡を含み、熱を伝えにくいという特性があります。ウッドデッキや床に天然木を使うと、真夏でも裸足で快適に歩けるほどの断熱性が得られます。人工素材では得られない、足元から伝わるやさしい温もりは、毎日の暮らしを豊かにしてくれます。
3. 経年変化が美しい「味わいのある空間」
自然素材は年月とともに色合いや質感が変化し、深みを増していきます。木材も石材も、使い込むほどに風合いが増し、まるで家族と一緒に年を重ねていくような感覚になります。均一で変化のない工業製品とは違い、経年変化そのものが「味」となり、愛着を育んでくれるのです。
4. アレルギーや化学物質に敏感な方にも安心
自然素材は、化学物質をほとんど含まないため、シックハウス症候群などの健康被害のリスクを抑えることができます。とくに小さなお子さまやアレルギー体質の方には、安心して暮らせる空間を提供できます。
5. 職人の技が光る「唯一無二の手仕事」
自然素材は扱いが難しい分、職人の技術と経験がものをいいます。たとえば、木材の収縮や反りに合わせた加工、フローリングと框の接合部の工夫など、細やかな気配りが随所に求められます。完成後は見えなくなる部分にも手間を惜しまないその仕事ぶりが、家の寿命や居心地を左右します。
6. メンテナンスコストを抑える長寿命素材
自然素材は適切な手入れをすれば、何十年と長持ちします。とくに人工建材に比べて、劣化ではなく「味わい」へと変化していくため、張り替えや補修の頻度が少なくて済みます。初期費用はやや高くても、長い目で見ればライフサイクルコストに優れた選択肢と言えるでしょう。
7. 心を豊かにする五感への刺激
木のぬくもり、漆喰の手触り、自然の香り——自然素材がもたらすのは、視覚・触覚・嗅覚といった五感へのやさしい刺激です。日々手に触れる建具や家具、床材などが“本物”であることは、心の豊かさや暮らしの質にもつながります。自然素材の空間で過ごすことが、何気ない日常に幸せを感じるきっかけになるのです。
自然素材住宅を検討する際の注意点と選び方
自然素材を使う場合には、注意も必要です。
「湿度のコントロールをしてくれる」ということは、湿気に敏感ということです。
室内の湿度が高くなれば吸湿し、低くなれば放湿します。吸湿すれば膨張し、放湿すれば収縮します。
写真のように、継ぎ目などでは隙間が生じてきます。
湿度の高い夏は、隙間が小さくなり、湿度の低い冬は、隙間が大きくなります。
フローリングのつなぎ目である「実(さね)」の部分の隙間も同じです。
気候や温度変化によって日々変化するからこそ、飽きのこない家となるのです。
素材を大事に取り入れてくれる職人の手も必要となります。
ホンモノの自然素材を扱うには素材のクセを見抜いて適材適所に使う必要があり、知恵と経験と実現するための技術が必要となります。
変化に追随できるように、ホゾが細工されていたり、裏側に板が充てたり、工夫されています。
上の画像は上がり框との取り合い部なのですが、熟練した大工さんが框に溝をついてフローリングが勘合するように細工しています。
框とフローリングの反りを抑える効果があるほか、乾燥の時期に空いてしまった際に、下地が見えないようにしています。
完成した時に見えなくなる部分では、気配りのある仕事が大事で、簡単そうに見えて、なかなか難しいものです。
知恵と経験と技術を必要とするので、誰でも出来る仕事ではありません。普段から自然素材に慣れ親しんでいる職人でなければできないのです。
ハウスメーカーさんなどが一般的に用いている建材は新建材と呼ばれる工業製品です。
温度変化や湿度変化に対して、動きが少なく、ひび割れや空きなどが生じない材料です。
木目のように見えるけど、印刷されたシートが貼られています。
簡単に言ってしまうとカラーボックスと同じです。
量産の住宅は、床の框もフローリングも扉の枠も、扉自体も、家具も何もかもが、木目が印刷されたシートが貼られたカラーボックスと同じもので作られています。
プリントした木目シートが貼ってあるので、遠目で見たら木材に見えますが、その差は使ってみると歴然です。
ハウスメーカーでつくられた家に後から造作家具を造りつける工事を依頼されることがあるのですが、そのような場合は、自然素材での家具設置を勧めることはしません。
新建材で出来上がった空間に自然素材のものが入り込むと違和感が生じます。
最初は気にならないかもしれませんが、数か月、数年と経つ間に、その差を感じるようになります。
プリントされた新建材は表面の木目が変わることはなく、表面が汚れて汚れているのと対照的に、自然素材の材は、経年で色に深みが増し、味わいが深くなっていきます。
この劣化と経年美化が混在すると違和感を感じるようになります。
置いただけでは分からないかも知れませんが、使っていくと感じてしまう差になるのです。
そして耐用年数の違いも問題となります。
カラーボックスは永遠に使うものではありませんよね。
ハリボテの材料で作る家と、ホンモノの木材を削りだして作られる家とどちらが大事にされるでしょうか。
無垢の木材で家具を作ることは、素人にはなかなか難しいものです。
家づくりも同じで、工場で作られパーツ化された新建材部材を取り付けるだけの仕事であれば、熟練した大工でなくても可能です。
材料の温度変化も湿度変化も考える必要がないですし、見えない部分に気を遣う必要もありません。
見えている部分の材料の寿命がそのまま、その家具や床の寿命となります。
作る人たちが素材を理解し、丁寧に作ってくれる家であれば、変化にも対応でき、長く使い続けることができます。
職人さんが無垢の木材で作った棚であれば、「誰か貰ってくれないかな」「補修して使えないかな」と考えたりするのではないでしょうか。
家とは、そこに住む人たちの健康や生活の礎となるものですから、心のこもってないハコの中では、豊かな生活は送ることが難しいです。
家は、見た目がみすぼらしくなり飽きたからと言って、簡単に捨てられません。
1日で作業が終わってしまうようなビニルクロスの仕上げではなく、職人が丁寧に塗り込んでいく塗り壁との差は大きいです。
職人の手の跡が残る壁は、味わい深く、何年経っても見ていて飽きず、愛着が湧いてきますよ。
自然素材の家に住むメリット|心と体に与える影響とは
ホンモノの自然材料に囲まれた生活。
そんな空間で過ごすことで、日々の幸せを感じることができます。
手すりや扉やテーブルカウンターなど日々手に触れるもの、それぞれに味わいのある肌の温もりを感じることができる生活です。
そこで育つ子供たちにとっても、豊かな素材に囲まれて育つことで、豊かな心が育つと考えています。
自然素材の優位性を研究している団体もあります。
工務店が集まって九州大学と共同研究もしているんですよ。
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上記のように、興味深い研究がされています。
ホンモノの自然素材を使って家づくりをするには、経験と知識と技術が必要となります。
最近は「自然素材を使って家づくりをしています」というだけで、ハウスメーカーと差別化できるため、安易に「自然素材住宅」と言っている住宅会社さんも多くなったと感じます。
ホンモノの自然素材を用いた住宅は、材料も手間もかかるものなので、全体の価格も高くはなってしまいます。
数十年住み続けていく住宅において、メンテナンスや修繕費用も含めたライフサイクルコストで考えると、最初にコストがかかったとしても結果として総費用を抑えられます。
ぜひホンモノの材料での家づくりを実践していただければと思います。
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