設計

スタディコーナーはいらない?|設置前に知っておきたいこと

家づくりを検討していると、よく目にする「スタディコーナー」。

子どもがリビングのそばで安心して勉強できる——というイメージで取り入れるご家庭も多い一方で、「使わなかった」「結局リビングが散らかるだけだった」といった後悔の声も少なくありません

本記事では、「スタディコーナーはいらないのでは?」と感じた方に向けて、設置のメリット・デメリット、後悔しないためのポイントを実例とともに解説します。

スタディコーナーはいらないと思われる3つの理由

スタディコーナーはいらないと思われる3つの理由

1. リビングやダイニングが片付かない

スタディコーナーをリビング横に設けると、どうしても文具や教科書が散らかりがちになります。
共用スペースがごちゃごちゃしてしまうと、家族のくつろぎ空間としての機能が損なわれることも。

🗨️ 実際に「リビングが勉強道具で埋まり、片付けがストレスに…」というご相談は少なくありません。

2. 子どもが使わないこともある

「子どもが結局、自室やダイニングテーブルで勉強する」という声もよく聞かれます。
とくに思春期になると、家族の気配が届かない自室を好むようになることも。

スタディコーナーをつくっても、利用されない可能性がある点は押さえておくべきでしょう。

3. 将来の使い道に困るケースも

お子さまが成長し家を出たあと、スタディコーナーが「使い道のない中途半端な空間」になってしまうこともあります。

家具の大きさや配置によっては、書斎や趣味スペースに転用しにくい間取りもあるため、設計段階で可変性を意識しておくことが大切です。

やはりスタディコーナーはいらないってこと?それでも「作って良かった」ということも

一方で、実際に設けて良かったという声も多数あります。お子様が幼稚園に通うようになると家でも「お勉強」をするようになります。

最初はお子様も当然のことながらパパやママと一緒に学習することになるので、「ダイニングテーブルで勉強」することが多いでしょう。

小学校に入る前後のお子様がいる家庭では、学習の途中でパパやママがキッチンに立ったとしても、安心して勉強を続けることができるように、キッチンからダイニングテーブルが見える「オープンキッチン」が好まれます。

「オープンキッチンに面したダイニングスペース」とする際に、勘所となるのが「収納スペースの確保」です。

教材や文房具を収納できる場所をダイニングテーブル周りに確保してくことをおすすめしています。

収納スペースがないと、ダイニングテーブルの上にファイルケースや筆立てが常時置かれてしまうことになってしまい、落ち着いたダイニング空間とはならなくなります。

スタディコーナーがないとリビングがぐちゃぐちゃに

ダイニングリビング空間は家族の団らんの場所であり、仕事の疲れを癒す空間です。そんな癒しの空間がごちゃごちゃしていては、逆に疲れがたまってしまうことにもなります。

ダイニングリビング空間をすっきりとした空間を保つのは、快適に住まうための秘訣です。

子供が小学校に入ると、宿題が出されるようになり勉強の時間もだんだんと長くなります。学年が上がるにつれて、5時間授業や6時間授業が増えるため、帰宅時間も遅くなります。

夕方に帰宅してリビングで宿題をしますが、次第に「夕飯の用意の時間になっても終わらない」という状況が増えるのですね。

「夕飯の用意をするから片付けて」と言っても、「まだ宿題終わってないもん」という答えが返ってくるようになり、家庭での小競り合いの原因にもなります。

親としては自分の部屋で勉強してほしい気持ちになりますが、小学校の低学年、中学年くらいだと、離れた個室で一人ではなかなか勉強はできません。

ママの目がなくても勉強ができるようになるのは、小学校の高学年くらいからでしょう。1人で勉強できるようになるまで必要なのが「スタディコーナー」です。


スタディコーナーはダイニングスペースの近くがおすすめ

スタディコーナーはダイニングスペースの近くで、パパやママの声が聞こえて目が届く場所に設けることをおすすめします。

ダイニングに直接近接した場所に勉強スペースを設置する場合、ママの目が届きやすくて子供としては安心ではあるのですが、一つ注意するべきことがあります。

勉強スペースである机の上に、教科書や文具などが置かれることになります。ダイニングに面していると、雑多な感じがするためダイニング周りが落ち着かなくなります。

最近の我が家のスタディーコーナーは、推し活のグッズなどもいろいろ置かれるようになり、なんとなくゴチャゴチャした場所になっています。

ゴチャゴチャした場所では、ダイニングやリビングが癒しの空間でなくなるため、ダイニングに面した吹き抜け上部などに勉強スペースを設置するのがよいでしょう。

吹き抜けを介してパパやママの声が聞こえ、のぞき込むとその姿が見えるので、子供も安心して勉強ができます。

ダイニングからデスクの上が見えないため、ダイニング周りの落ち着いた空間も確保でき、来客の際もデスクの雑多な部分を見られることがないので安心です。

我が家では、吹き抜けに面した場所にデスクコーナーを設けています。ダイニングではない場所に、少し離れた位置で勉強スペースを作ると、将来に渡っても長く使えますよ。

大学受験になったら子供部屋に机を

我が家の長女は高校生ですが、スタディコーナーで勉強を続けています。お客様の家を見てみても、高校生になってもスタディコーナーを利用する子が多いです。

ダイニングやリビングに面しているので、家族の生活音が聞こえます。ただ少々音のする環境で勉強した方が、試験でも集中できるという方もいらっしゃいました。

お子様も高校生になって、大学受験の頃になると、深夜まで勉強するようにもなります。そうなったら、子供部屋に勉強机を設置するのもよいでしょう。

将来、子育てが終わり子供が巣立った後は、スタディコーナーをパパの書斎にしたり、ママの趣味のコーナーにするなど、長く活用することも可能です。

共用部に面した「スタディコーナー」を設置してみることを、おすすめしています。

スタディコーナーがあれば子供部屋が狭くても良い

六ッ川の家では、中学生の次女はスタディーコーナーは絵を描いたり、推し活グッズを飾る場所になってしまっています。自室のベッド(2段ベッド)の下に机を設け、そこで勉強しています。

スタディコーナーが共用部にあると、子供たちは自室は「寝るだけ」に特化することが可能です。

寝る場所と自分の私物や洋服を収納できるスペースがあれば十分になるので、子供部屋の一人あたりのスペースは3畳あれば十分でしょう。

「スタディコーナー」があることで、子供室を大きく確保する必要もなくなり、将来的に多用途に使え、将来に可変性を持たせることが可能となるのです。

是非、新築やリノベーションをご検討の際には、この「スタディコーナー」を検討してみてください。

それでも迷うなら「スタディコーナーはつくらない」という選択肢も

万人にとってベストな間取りは存在しません。もし「本当に使うかどうか分からない」という迷いがある場合は、あえて設けないという選択も有効です。

ただし、その場合でも以下のような工夫をしておくと安心です。

  • ダイニング横に小型の収納棚だけを設けておく

  • 簡易デスクを置ける余白スペースを確保しておく

  • 将来的にワークスペースを設置できる照明・コンセント設計にしておく

🛋️「居場所のつくり方」は子育て世代の家づくりにおいて非常に重要な要素。
設計士と相談しながら、家族構成や暮らし方に合わせた柔軟なプランを考えていきましょう。

まとめ

「スタディコーナーはいらない」と感じる背景には、設計の失敗や使い方の誤解があります。

一方で、暮らしにフィットした設計ができれば、「あってよかった」と感じる方も多数いらっしゃいます。

重要なのは、“必要かどうか”よりも、“どう使うか”
ご家族のライフスタイルに合った「子どもの学びの場」「家族の共用スペース」を一緒に考えてみませんか?


あすなろ建築工房では、暮らしに合わせた家づくりをサポートしています

私たちは「子育てしやすく、居心地の良い家づくり」を大切にしています。
スタディコーナーの活用事例も多数ございますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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