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引っ越し業者の選び方のポイント

先日、設計中のお客様から「お勧めの引越業者はありますか」とご質問頂いたので、関尾の見解をお伝えしました。

メールの返信だったのですが、せっかくなので皆様にもお伝えしたいと思い、本日は「引越する際の勘所」についてお伝えしたいと思います。

家づくりを行っていく上で引っ越しは付き物です。

新居ができた時だけでなく、仮住まいがある場合は2回引っ越しすることになります。

大事な家財を運んでもらう「お引越し」なので、引越し業者も慎重に選びたいですよね。

リーズナブルでありながら信用できる業者を選びたいのが皆様のご希望だと思います。

引っ越し業者選びと住宅会社選びには共通点がありますので、引っ越し業者の探し方について、お話したいと思います。

引っ越し業者の種類

関尾が実は学生時代に引っ越し会社でアルバイトをしていたため、引っ越し業者さんの情報は持ち合わせています。

そこで関尾の経験からアドバイスを頂きました。

引っ越し業者は、①大手②中堅③地元小規模の3つに分けられます。

①は全国規模で日本通運アート引っ越しセンターです。

この2社は海外の事業所の引っ越しもしており、圧倒的な強さを持っています。


②は「その他の会社」となります。

サカイ引越センター、アリさんマーク、ハート引越センター、ハトのマークの引越センター、アップル引越センターなどなど、聞いたことがある会社さんがいろいろあります。

最近はサカイ引越センターとアリさんマークは大きくなられているので、①の大手と見た方がよいかもしれません。


③は地元でトラック数台でやっている業者で、①や②の下請けをしている場合もあります。

名前を聞いたことがない所が多いかもしれませんね。

ちなみに、ヤマトには現在は単身用の引越パックはありますが、ファミリー向けの引越は業務を中止しています。

移動距離で選ぶ方法

長い距離を移動する場合なら大手が安心で価格もこなれていますが、近距離の場合は②か③の業者が安くてよいと思います。

近距離の場合は、大手はかなり割高です。

どの業者でも基本的にサービスは同じです。

会社規模が大きくなればなるほど、差別化のために、保険やオマケによる付加価値を付けています。

最近は中小の企業であっても社内教育がしっかりされていますので、会社によるサービスの差は少ないと思います。

大手になればなるほど社員教育に力を入れるため、担当者のハズレは少なくなるとは思います。

結局は人なんですが、住宅業界でも同じです。

引っ越し業者の具体的な選び方

肝心の業者の選び方ですが、①大手②中堅③地元小規模と、それぞれ見積を取ってみるのが良いでしょう。

多すぎても見積調査が大変なので、3~5社くらいが理想的です。

どの会社をピックアップするかは、「家の近くに営業所がある」ところを選ぶとよいと思います。

グーグルマップを開いて、ご自宅を中心にして「引っ越し業者」で検索してみてください。

大手から中堅、地元小規模の引越会社がいろいろ出てくるでしょう。

この中から、大手、中堅、地元小規模のそれぞれ1社+αの合計4社くらいに見積をとってみてください。

他の探し方もご紹介しておきますね。

テレビでも宣伝している「引っ越し業者一括見積サービス」というものがあります。

「お住まいの地域名+引っ越し業者」と検索すると、トップに出てくるのがこの比較見積サービスです。

「一括見積もり」のフォームに現住所と引っ越し先住所と家族構成と大まかな家財の量などを入力すると、複数業者に一括で見積依頼ができます。

複数の業者に見積依頼を1回で済ませられるサービスで便利ではありますが、情報が複数の提携業者に送られるため、見積するためのアポイントのための電話が殺到します。

見積もりの際の注意事項

見積のために業者が家に下見に来た場合、注意事項があります。

担当者は「今、決めてもらえれば〇〇円まで値引きします」と話し、その場での「即決」を迫られます。

納得できる金額であればそこで決めることもよいですが、まだ検討したいという場合は「家族に相談したい」と言って、回答を保留してください。

他の業者が見積もることで、費用は段々と安くなっていきます。

とは言っても何社も来ると途中で疲れてしまうため、「もうこのあたりでいいか」と思われるでしょう。

納得できる金額であれば、そこで決めても問題ありません。

あまり戦わせすぎるのもサービス低下につながるため、おすすめはしないです。

オトクな引っ越し曜日

引越し日についてですが、土曜日と日曜日は割高で、金曜日と月曜日も週末に絡むので高めです。

引越し日が土日となってしまう場合には、1か月以上前に予約しておく必要があるでしょう。

おすすめは火曜日、水曜日、木曜日で、比較的すいているため、2週間くらい前でも大丈夫です。

逆に直前にするという作戦もあります。

直前だと偶然、人とトラックが空いている場合もあり、そんな場合には思い切った値引きも可能となります。

リスキーではありますが、日程に余裕がある場合には、直前作戦とするのもアリだと思います。

運ばないモノは区別しておく

「運んでもらうもの」「運ばないもの」を区別して置いておきましょう。

引っ越しを期にリサイクルショップに引き取ってもらうものがあるなら、見積下見の際には区別しておかないと、「運ぶもの」とカウントされて見積金額が上がってしまいます。

ちなみに見積する人は経験による勘で見積もりしているので、見積の際は家財を見やすくしておくのが良いでしょう。

追加費用の種類

引っ越し先の階数による引っ越し費用の違いですが、エレベーターが付いていれば階数によって費用の差はありません。

1階は安いですが、エレベーターを使うのであれば後は同じと思ってよいでしょう。

公団の場合などで、エレベーターが着床しない階で階段を使わないといけない住戸の場合は、費用が加算されます。

手で運ぶ移動距離が長い場合には「横持ち」という費用、階段の段数が多い場合は「縦持ち」「担ぎ上げ」という費用が加算されることもありますが、1万~3万円位の話です。

ピアノがある場合も別途費用がかかります。

ピアノは専門業者に再依頼することが多く、種類によって料金が変わります。

アップライトピアノの手運びなら2~3万円、グランドピアノの場合は倍くらい、クレーン代でさらに数万円かかります。

お任せパックも検討しよう

「お任せパック」というものもあり、荷物の梱包作業をしてくれるサービスです。

引越しの準備って相当なエネルギーを要しますし、引越しストレスでうつ病を発症する人もいらっしゃるといいます。

お忙しい方は、このサービスを利用するのも悪くないかもしれません。

気持ちよく引っ越し作業をしてもらうために

気持ちよく引越作業ををしてもらうには「心づけ」つまりは「チップ」を用意されるとよい日本の風習では、お家で作業されるような依頼をした場合、作業員の方の休憩時間にお茶とお茶菓子を出すことが習わしとされてきました。

本来は引越しの際にも、10時と3時の休憩の時間にお菓子や飲み物を準備しておけるとよいのですが、その時間に作業に立ち会えるとも限りませんし、当日は片付けなどでお忙しいことになると思います。

そんなことから「お茶をご用意することができませんので、皆さんで召し上がってください」という形で「お茶代」としてお渡しされるのがよいと思います。

心づけを渡すタイミングですが、作業前、休憩中、作業が終わった後の3つがあります。

一番よいタイミングは、作業前です。

なぜなら作業が始まる前であれば作業員が全員集まっているので、渡しやすいからです。

また、作業前に渡された方が、作業員さんのモチベーションもあがり、引越し作業も丁寧でかつ、早く終わる可能性があります。

引っ越しに関わるこまかなアドバイス

他にも引越しに関わることで、細かなことで気が付くことをいくつかお知らせしておきます。

ダンボールは多めにもらう

段ボールですが、少し多めにもらっておくことをお勧めします。

見積時に「中古のものでもよいので、少し多めにもらっておいてもよいですか」と依頼してみてください。

家財を処分をする際、リサイクルショップなどに運ぶ時にも使えます。

ちなみにハンガーに掛かっている洋服は、当日までクローゼットに掛けたままでも大丈夫ですよ。

IKEAの家具には注意

IKEAの家具がある場合は要注意です。

基本的にはIKEAの家具は運んでくれないと思っておいた方がよいです。

過去に壊れてしまうなどのトラブルが多かったのだと思います。

もともともろい構造なので、再組立てをした後にトラブルが起こりやすいのです。

引越し業者はIKEA家具が嫌い、ということは覚えておいても良いでしょう。

運べるものは自分で

引越し先に事前に家族や親せきなど、身内の力で荷物を運べる環境であれば、自分たちで運ぶこともよいと思います。

素人では運ぶのが大変な荷物だけ業者さんに頼むことも可能です。

引っ越し当日、雨が降っていたり、風が強い時には作業に時間がかかってしまう場合があります。

雨の予報なら、タオルなど拭き取れるものを多めに用意しておくとよいでしょう。

これらの情報を踏まえたうえで、引っ越し業者を探していただけると良いと思います。


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