2018年9月30日 材料・仕上・工法・設備

フェイク建材

 

近所で見かけた何だか気持ちの悪い擁壁です。建売住宅の販売前なのですが、横を通って違和感を感じました。右側の新しく駐車場を造ったところは、普通の鉄筋コンクリート造なのですが、左側の斜めの擁壁がコンクリート打ち放し風に仕上げられたモルタル塗りでした。

 

 

家に戻ってグーグルマップで見てみると、工事前の写真がありました。古い間知石積みの擁壁です。足元の妙な壁の出っ張りもそのままです。

 

 

おそらく元の擁壁にモルタルを塗って、表面を塗装してお化粧したものと思われます。ただ洗浄してきれいにするだけならいいのですが、この間知石擁壁は鉄筋コンクリートを模してありました。

 

 

 

コンクリートパネルの継ぎ目に見せるために、黒い線が引かれています。

 

 

ご丁寧にセパ穴(Pコン)(コンクリートパネルを支持するために鉄筋コンクリート造の壁に現れる穴)も模して付けられていました。

 

 

こんな3次曲面は通常の鉄筋コンクリート壁にはありえないもの。

「一般の人が見たらコンクリート擁壁と思ってしまうのだろうか。」「これを見て安全と思われてしまうのだろうか。」などいろいろ考えてしまいました。もしこの壁が本当に古い間知石の上にモルタルを塗ってお化粧したものだとしたら(きっとそうですが)、数年でヒビ割れてボロボロになってくることでしょう。割れたモルタルが落下してくる危険もあると思います。

わざわざコンクリートに見せかける理由が私には分かりません。なんか気持ち悪い感覚です。世の中にはフェイク(偽物)の建材がたくさんあります。どうか皆様、目を養って本物をしっかり見極めてください。



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