新築

想層の家

「いま」と「これから」を設計した、記憶を紡ぐ二世帯住宅

想層の家(そうそうのいえ)

南側に大きく開けた敷地の恩恵を最大限に活かし、親世帯と子世帯、それぞれの暮らしを尊重しながらも、家族としての繋がりを感じられる二世帯住宅です。

  

設計の出発点は、「将来の変化を柔軟に受け止められる家」であること。

家族の成長、独立・・・永い年月の中で変化していくライフステージを見据え、間取りに柔軟性を持たせた「住み継がれる器」としての住まいを目指しました。

施工中には、通りがかりのご近所の方々から「いいお家ができたね」「完成を楽しみにしていました」と温かいお声をかけていただくこともありました。

地域に溶け込み、愛される佇まいの家が誕生しました。

  

開放感と機能が共存する玄関

玄関に足を踏み入れると、天井まで届かない、あえて低く抑えた独立壁を提案。

視線がその先へと抜けることで、空間に心地よい開放感をもたらしました。

この壁は、来客の目から生活感をさりげなく隠しながら、その背後にはたっぷりと収納量を確保。

美しさと機能性を両立させた、家の顔にふさわしい玄関となりました。

  

1階:親世帯 ― 記憶を受け継ぎ、自分のリズムを愉しむ

1階は、かつての住まいの思い出を未来へとつなぐ場所です。

住まい手様のご意向で、旧家にあった大切な「欄間」を再利用。

新しい空間の中に静かに溶け込ませることで、家族の記憶を継承しています。

  

居間は、曲面で包み込むような天井と、引き込み式の障子がつくる柔らかな光が特徴です。

 

腰掛けたり寝転んだりと、多目的に使える小上がりを設け、「素材感と陰影」で落ち着きを演出しました。

ゆったりと庭を眺める。

自分だけの豊かな時間が流れます。

  

子世帯とも気軽に交流しつつも、親世帯がゆったりと過ごす。

互いの気配をゆるやかに感じつつも自分のペースで過ごせるよう配慮しました。

  

また、生活の中心から少し距離を置いた場所に配置された書斎は、ご主人の音楽鑑賞やテレワークのための特別な空間。

大人の秘密基地。

将来は居室への転用も考慮されており、「これから」を考えた設計となっています。

  

水回りは世帯ごとに確保。

お互いの生活のペースを守ります。

  

2階:子世帯 ― 性能と意匠が叶える、のびやかな日常

2階は、おおらかな勾配天井が広がる開放的なLDK。

南面いっぱいに設けた窓からは、暖かな陽光が部屋の隅々まで届きます。

  

ダイニングキッチン、カーペット敷きのリビング、そして小上がり。

仕切りのないワンルーム構成でありながら、それぞれの場所が独立した「居心地」を持っており、家族が同じ空間にいながら、思い思いの時間を過ごすことができます。

  

準防火地域という制約がありながらも、高性能な木製サッシ「つるまーど」を採用することで、幅3.2mという圧倒的な大開口を実現。

性能を担保しながら、内部と外部を緩やかにつなぎ、解放感を満喫することができます。

  

それぞれの世代が、自分の好きな本を読んだり、趣味に没頭したりと、誰に気兼ねすることなく「自分の時間」を愉しむ。

その独立性が担保されているからこそ、リビングで顔を合わせたときの交流が、よりいっそう豊かなものになります。

「共に暮らす安心感」と「独りを楽しむ贅沢」。

この二つが共存することで、家族全員が自分らしく、健やかに毎日を重ねていくことができます。

  

外観は、職人の手仕事が感じられる左官仕上げの外壁に、ぬくもりのある板張りを組み合わせました。

周辺環境に調和しながらも、素材感が生み出す陰影が建物に奥行きを与えています。

 

  

過去から現在、そして未来へ。

「想層の家」は、家族の想いを幾層にも重ねながら、これからも時を刻んでいきます。

竣工:2026年4月