新築

奥の細道の家

静けさの奥に、家族を迎える住まい

奥の細道の家

樹々が迎える細い路地を抜けた先に、そっと佇む一軒の家。

楽しかった、頑張った1日の終わりに「おかえり」と迎えてくれる、やさしい存在感を持つ住まいが完成しました。

外の喧騒から離れ、心を整え、また明日への活力を蓄える基地となる。

そんな願いを込めて、土地の個性を活かした設計を行いました。

「路地」というアプローチが育む、暮らしの情緒

旗竿地特有の長いアプローチを、単なる「通路」ではなく、心静かな日常へと誘(いざな)う路地として再定義しました。

ポイントごとに配置された植栽が、春夏秋冬の訪れを告げ、風の音や木々の香りが住み手を優しく家へと導きます。

土地の高低差を設計の工夫で克服し、空間の奥行きを想像させ、この土地でしか描けない物語を描き、形にしました。

  

静寂をデザインする。「ノイズレス」な空間

お施主様の「すっきりと暮らしたい」という想いに応え、視覚的なノイズを排除。

  • 線の整理: テクスチャーの線を最小限に抑え、すっきり見せる工夫を凝らしました。
  • 隠す収納: 十分な収納量を確保しつつ、存在を感じさせない配置に。
  • 掃除のしやすさ: 美しさを維持するためのメンテナンス性も、設計段階から組み込んでいます。

一見シンプルに見える空間の裏側には、見えない部分で手間を惜しまない「住まい手への大工の想い」が詰まっています。

 

家事のストレスを解く

忙しい日々において、掃除のしやすさや家事動線のスムーズさは言わずもがな。

あちらこちらに、実際の生活動線や作業手順をシミュレーションした設計を施しています。

「小下がり」と「小上がり」がつくる、家族の距離感

家の中心には、広めの小下がりリビングを配置。

段差が生む心地よい「こもり感」が、家族や仲間を自然と団欒の場へと引き寄せます。

一方で、木製サッシと障子から透過する柔らかな光のグラデーションが、空間に圧倒的な開放感と素材の温もりを与えてくれます。

2階セカンドリビングで広がる、暮らしの幅

2階には、家族の気配を感じつつも静かに過ごせるセカンドリビング、小上がり空間も併設。

読書、子どもの遊び場、あるいは一人の時間を楽しむ場所として。

「座る」「寝転ぶ」「段差に腰掛ける」といった多彩な居場所を設けることで、同じ空間にいながら、それぞれが自分のペースでくつろぐことが出来ます。

ライフスタイルに合わせて変化するこの場所は、家族の時間をより豊かに、より深く深めてくれるはずです。

どこにいても家族の気配を感じつつ、自分の空間も大切にできる。

ご家族にとって、旅のおわりにも必ず辿り着きたい場所となりますように。

竣工:2026年2月