角地の外構|おしゃれと実用を両立させるには?
角地の土地に家を建てる場合、「外構が目立ちやすい」という特有の課題があります。
日当たりが良く、開放感がある反面、2方向が道路に接していることで“人の目に触れる機会が増える”のも角地ならではの特徴です。そのため、フェンスや門柱、植栽、アプローチなどの外構設計では“見せる部分”と“隠す部分”のバランスが非常に重要です。
この記事では、後悔しない外構設計のポイントを事例とともに詳しくご紹介します。
「角地ならではのおしゃれな外構にしたい」「目立つ場所だからこそ、丁寧に仕上げたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
角地の外構はどう魅せる?“見せる”と“隠す”のベストバランスとは?

角地の家は、道路に2面以上接しているため、外構全体が“人の目に触れやすい”立地です。だからこそ、「しっかり隠したつもりが圧迫感のある印象に…」「開放感を優先したら生活感が丸見えに…」という後悔の声も少なくありません。
そこで大切なのが、“見せるべき部分”と“隠すべき部分”を明確に分けて設計することです。
ここでは、角地ならではの魅せ方・隠し方の具体例や、おしゃれと暮らしやすさを両立するための外構テクニックを詳しく解説していきます。
見せる外構デザインのポイント
角地では、家全体が外からよく見えるため、「隠す」だけでは逆に重たく見えてしまいます。
そこで重要になるのが、見せたい部分はしっかり魅せるという考え方です。
とくに以下のような工夫が、おしゃれな外構づくりには効果的です。
たとえば、角のスペースにシンボルツリーを植え、その周囲にグラウンドカバーや低木をバランスよく配置することで、歩く人の視線を和らげながらも、印象的な“見せ場”をつくることが可能です。

- コーナーから見たときに印象の良い門柱や植栽の配置
- 玄関アプローチにリズム感を持たせ、奥行きを感じさせる設計
- 自然素材や質感の異なるマテリアルを組み合わせ、「建物の顔」を演出
※画像はイメージです
また、外構照明を取り入れて夜間にも美しく見せることで、防犯性の向上と景観の両立が図れるのも角地ならではのメリットです。
隠す外構テクニックと視線コントロール
反対に、すべてを見せてしまうと、室内の生活感があらわになってしまい、プライバシーや安全面に不安が残ります。
そのため「隠す」外構テクニックも必要です。

- ルーバーやフェンスを道路側に設置して視線をブロック
- 中庭や坪庭を設け、視線が届かない位置に生活空間を配置
- 植栽やウッドフェンスを活用し、“自然に目隠しする”デザイン
※画像はイメージです
特に人気なのが、格子状に隙間のあるルーバーフェンスです。
風や光は通しつつも、視線は遮るため、開放感を保ちつつプライバシー性を高めることができます。
このように、角地の外構では「どこを見せ、どこを隠すか?」を設計段階でしっかり整理することが重要です。
角地の外構に合うフェンスや門柱は?防犯とデザインを両立するにはどうする?

角地の外構では、道路に面する面積が広いぶん、フェンスや門柱の“見え方”が家の印象を大きく左右します。同時に、外からの視線が入りやすいという特性から、防犯性やプライバシー性も重視する必要があるため、「見た目と機能性、どちらを優先するべきか?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、実際に多くの角地住宅で採用されているフェンス・門柱の種類ごとの特徴や価格帯を比較しながら、それぞれがどんなニーズに合っているのかを丁寧にご紹介します。
種類 | 特徴 | 価格帯(目安) | 向いている人 | 備考 |
---|---|---|---|---|
アルミフェンス(横格子) | シンプル・風通し◎ | 約15,000〜30,000円/1m | メンテ重視派 | 通気性があり角地に最適 |
木調樹脂フェンス | 自然風の外観・腐らない | 約20,000〜40,000円/1m | ナチュラル志向の方 | 見た目も手入れも両立 |
木製フェンス | 自然の風合・雰囲気◎ | 約25,000〜50,000円/1m | 自然素材志向の方 | 変形地にも柔軟に対応可 |
コンクリ門塀+照明 | 重厚・高防犯・夜も映える | 約250,000〜500,000円/式 | 高級感・安全性を重視する人 | 表札・ポスト一体型が人気 |
フェンス・門柱の選び方ガイド

アルミの横格子タイプは、現代住宅のスタンダードとも言えるスタイル。モダンかつ実用的で、風通しもよく、閉塞感を出さずに目隠しが可能です。
木調の樹脂フェンスは、見た目は天然木に近く、腐食しにくいため、メンテナンスに時間をかけたくない方におすすめです。


また、ルーバーフェンスは特に角地で重宝されています。人通りのある道に面したリビングやバルコニーの目隠しとして、視線を遮りつつも空間の抜け感は損なわず、暮らしやすさとデザイン性を両立できます。
門柱については、照明を組み合わせることで防犯性や夜間の見栄えもアップします。最近では表札・宅配ボックス・インターホンが一体化されたスマート門柱も人気です。

角地の外構はどう植栽やアプローチを設計すればおしゃれに見える?

角地は、道路からの視認性が高いため、植栽やアプローチのデザインが“家の印象”を大きく左右する要素となります。
せっかく立地に恵まれていても、角のスペースが殺風景だったり、動線が分かりづらかったりすると、全体のバランスがちぐはぐに見えてしまうことも。
そこでここでは、角地ならではの形状を活かしたL字型・コーナー型の植栽アレンジや、アプローチ計画の実践アイデアを解説します。
L字・コーナー型の植栽アレンジ
角地では、建物と道路の間に生まれる三角形やL字型の空間をうまく使うことで、個性のある外構が実現できます。

- シンボルツリー+下草+中木の3段構成で立体感を演出
- 歩行者側から見える位置に季節感のある植栽を配置し、街並みに溶け込むやさしい印象に
- 水やりや落葉などの管理が簡単な常緑樹・自動灌水装置を組み合わせると、共働き家庭でも手間がかかりません
人気の植栽例
ヒメシャラ(落ち着いた葉色で高木にも対応) ソヨゴ(常緑樹で目隠しにも活躍) アオダモ(自然風でやわらかな印象) |
アプローチ動線の工夫
角地では、道路に接する面が2つあるため、アプローチ設計に自由度があります。
- 来客用と家族用で動線を分ける
- 駐車場から玄関までのルートを短く・安全にする
- 曲線を使ったアプローチで奥行きと視覚的な広がりを演出
素材の組み合わせも工夫次第です。
例えば、洗い出しコンクリートと天然石を交互に配置することで、単調にならず、歩く楽しさも生まれます。
夜間はソーラーライトやローボルト照明を組み合わせれば、安全性と雰囲気の両立が可能です。
まとめ|角地の外構は“見られる前提”で計画を
角地における外構計画では、「見えるからこそ魅せる」「見られるからこそ隠す」この2つの視点を両立させることが大切です。
- アルミや木調のフェンスで視線をコントロール
- ルーバーや門塀でプライバシーと防犯性を確保
- コーナーを活かした植栽・アプローチで街角に調和する美しさを演出
角地という条件をネガティブに捉えるのではなく、“魅せる外構づくりが楽しめる機会”として活かすことが成功のカギです。
あすなろ建築工房では、神奈川県内を中心に、設計事務所と工務店が一体となって、外構も含めた理想の家づくりをトータルでサポートしています。
角地の特性を活かしたプランニングをご希望の方は、こちらからお気軽にご相談ください。“角地の可能性”を、最大限に引き出すお手伝いをさせていただきます。
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