狭小地に3階建ての家を建てるなら?間取りの工夫と快適な暮らし方
都市部や住宅密集地では、「土地が狭くて希望の間取りが叶わない…」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。特に神奈川県のような地域では、限られた敷地内でどのように理想の住まいを実現するかが、家づくりの重要なテーマとなります。
そんな課題を解決する選択肢のひとつが3階建て住宅です。
縦に空間を活用することで、狭小地でも広がりある暮らしを叶えることが可能となります。しかし、単に階数を増やすだけでは、快適な住まいは実現できません。
階段の配置、家事動線、採光や通風、構造の安全性といった3階建てならではの設計上の工夫や注意点が成功の鍵を握ります。
この記事では、狭小地に3階建て住宅を建てるメリットや、快適に暮らすための間取りの工夫、構造面でのポイントまでをプロの視点で丁寧に解説します。
狭小地に3階建てを選ぶメリットと設計の工夫

限られた土地でも「床面積を確保できる」
神奈川県のような都市部では、広い土地を確保することが難しく、狭小地を選ばざるを得ないケースが多くあります。そんなとき、平屋や2階建てでは延床面積が不足しがちですが、3階建てにすることで十分な生活空間を確保することができます。
たとえば、1階に玄関・浴室・収納、2階にLDK、3階に個室3部屋という構成であれば、延床面積90㎡以上を実現可能。共働き・子育て世帯でも、家族それぞれの居場所を確保できる設計が可能です。 |
日当たりと風通しを活かしやすい
狭小地では隣家との距離が近く、1階や2階ではどうしても採光や通風に課題を感じやすいものです。そこでご提案できるのが、配置の工夫を行い、2階に日照条件の良いリビングを配置する間取りです。
高い位置にLDKを持ってくることで、上部からの光がたっぷり入り、プライバシーを守りながらも開放感のある暮らしが叶います。さらに、窓の配置や風の通り道を計算することで、夏もエアコンに頼りすぎず快適に過ごせる工夫も可能です。
各フロアを役割ごとに分けられる
3階建ての魅力の1つが、階ごとに用途を分けて空間を使い分けられる点です。
たとえば、
- 1階:玄関・シューズクローク・浴室・洗面などの水まわりを配置
- 2階:日当たりの良いLDK+バルコニーで明るく開放的な生活空間を実現
- 3階:家族の寝室・子ども部屋・書斎など、プライベート空間を確保
生活動線や家事動線が明確になるため、共働き世帯でも効率的な暮らしが可能になります。
3階建てならではの設計ポイント
私たちが3階建てを設計する際に意識しているのは、「狭さを感じさせない工夫」です。
たとえば、
- 吹き抜けを活用し、縦の広がりを演出する
- スキップフロアを使って空間に立体感を生み出す
- 天井の高さや窓の位置に配慮して開放感を創出する
- 壁面収納やロフトなど、空間を余すことなく活用する
といった工夫を取り入れることで、限られた敷地でものびのびと過ごせる住まいを実現しています。

住まいの実例:POP HOUSE(狭小地3階建て)
狭小旗竿敷地に建坪8.7坪という厳しい敷地条件に建つ木造3階建ての住宅です。
隣地の庭を借景にし、視覚的に緑を室内に取り込み、トップライトとハイサイドライトから積極的にリビングに光を呼び込むことで、北側リビングでも明るく開放的な居住環境を確保しました。
階段の位置と形状でストレスを軽減する工夫とは?

階段を家の中央に配置して、動線を短くする
階段は単なる移動手段ではなく、生活の快適性を左右する重要な要素です。狭小住宅では、階段を家の中央に配置することで各階のアクセスがスムーズになり、日々の動線が短くなります。
たとえば、洗濯物を干すために3階から1階に降りる際も、階段の位置が近ければ無駄な移動が減り、家事の効率もアップします。
スケルトン階段で視線の抜けと明るさを演出
2階LDKに階段がある場合は、スケルトン階段(踏板と手すりのみで構成された階段)を採用することがよくあります。光を遮らずに通すため、リビングが明るく広く感じられます。
視線が抜けることで圧迫感が軽減され、実際よりも広い空間に感じられるため、来客にも好評です。
階段下スペースを収納や作業台に活用
限られた空間を有効に使うため、階段下を収納スペースやワークスペースとして設計する工夫も人気です。
例えば、1階の階段下に掃除機や日用品のストックを収納するスペースを設けたり、3階ではリモートワーク用のデスクを設置した事例もあります。小さな工夫が暮らしの快適さを大きく左右します。
知っておきたい3階建て住宅の構造・耐震性の注意点

建築基準法や高さ制限に注意
神奈川県内でもエリアによっては、建ぺい率・容積率、さらには斜線制限(北側・道路)によって、建てられる高さや形が制限されることがあります。
設計段階でこれらの法規制をしっかり把握しなければ、「建てたいのに建てられない」という事態になることも。地元の土地事情に詳しい設計士や工務店との相談が重要です。
耐震性を高めるためのポイント
木造3階建ては、2階建てに比べて構造的なバランスや耐震性への配慮が求められます。
- 地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良を実施
- 耐力壁をバランス良く配置し、建物の「ねじれ」を防止
- 接合部に強度の高い金物を使い、揺れに耐える構造に
あすなろ建築工房では、設計段階での構造計算はもちろん、現場での精密な施工管理も徹底しています。
木造3階建ては「施工会社の実績」が大切
木造3階建ては、設計だけでなく施工にも高い技術力が求められる分野です。これまでに多くの木造3階建てを手掛けてきた実績があるかどうかは、依頼先選びの重要な判断軸になります。

住まいの実例:ELLE HOUSE
狭小地での3階建てで、1階部分に広めの駐車場を確保するご要望を叶えるために、450mm幅の狭小耐力壁で狭小地で間口が狭い場合にも耐震壁を確保できるという新しい技術も取り入れた家
【まとめ】狭小地に3階建てを建てるなら、まずはプロに相談を
狭小地でも、3階建てにすることで快適な暮らしは十分実現可能です。
大切なのは「狭さをどう活かすか」。そのためには、設計力と施工力の両方に長けたパートナーを選ぶことが何よりも大切です。
あすなろ建築工房では、お客様との丁寧な打ち合わせを重ねながら、土地の個性を読み解き、暮らしにフィットする家づくりを行っています。
➡ まずは家づくりに関しての疑問などがございましたら、お気軽に相談ください
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