2019年5月29日 家づくりコラム

再生可能エネルギー発電促進賦課金って知っていますか?

(新建ハウジングHP記事より)

 

電力会社から毎月送られてくる「電気ご使用量のお知らせ」を見ると、電気代の他に「再エネ発電賦課金」というものが請求されています。この「再エネ発電賦課金」がそれです。正式には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と言う名です。

業界のニュースを見ていたら、「再エネ賦課金『知らなかった』が過半数」という記事を見ました。おそらく世の中のほとんどの人がそれほど気にしていないことだと思います。私もこの記事を見るまで、知ってはいたけどあまり意識していませんでした。記事を見ると、「 標準的な家庭における「再エネ賦課金」の利用者負担額(年間約1万円)」とあります。「えっ、そんなに払っているの?」と思うのも無理もないことと思います。私もそうです。気になって我が家の状況を調べてみると下記の通り。

 

月に1000円近く取られています。年にすると12000円!

 

いつからそんなに取られていたのか調べてみました。

新電力ネットのホームページに推移を紹介したページがありました。

https://pps-net.org/statistics/renewable

 

(新電力ネットのHPより)

 

これをみると東日本大震災の翌年の平成24年(2014年)から徴収されています。

これは、FIT制度が始まったためのものです。震災後のエネルギー不足もあって、日本は再生可能エネルギーの普及拡大を目指すことになりました。そこで「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」が始まり、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が義務付けしました。この義務付けられた電力の買取に必要な費用を国民に押し付けた結果です。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、上記の様に電気料金に上乗せされ、毎月、契約した電力会社から各家庭に請求されています。

 

最初は月に数十円だったから皆もあまり気にしていなかったのですが、じわじわとこの金額が上がってきて、今年は月に1000円を超えてきています。上記の表は月平均が300KWhでの金額になっています。300KWhという数字は日本全体での戸数での平均です。あすなろ建築工房のお客様の多くは子育て家族なので、月の電気使用量はもっとかかっています。そこで子育て家族の使用量を調べてみました。

価格.comに「我が家の電気料金は平均以上?一般家庭の電気料金」というページがありました。

 

(価格.comより)

 

これをみると平均的な子育て家族のご家庭では、450KWhくらいは、使用していることが分かります。再エネ賦課金が高くなる前の統計なので実際はもっとかもしれません。

そこで、月の使用量を450KWhと仮定して、再エネ賦課金の推移をグラフにしてみました。

 

知らない間にかなり徴収されてしまっていることが分かります。年に一万円どころでなく15,000円以上徴収されています。太陽光発電パネルを積載して、売電価格を見て喜んでいる方もいるかと思いますが、実はそのお金の出どころは自分が払っているお金なんです。タコが自分の足を食べてしまっている状態とも言えます。固定価格買取制度による売電価格は年々下がってきています。もう来年には限りなくゼロに近づきます。結局、国民からお金だけが吸い取られてしまう仕組みなんですね。となると、自衛策は「出来る限り家庭でのエネルギー使用量を下げる」ことになるかと思います。そのためにも断熱性能と気密性能を高めた住宅が必要と言えると思います。

 

 

 

 



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