2019年1月5日 つぶやき(家づくり以外のこと)

パブリックコメント提出

 

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

まだお正月休み中ですが、電子政府の総合窓口「パブリックコメント」にて意見を送りました。2020年から義務化が予定されていた「住宅の断熱性能の最低基準の義務化」を白紙化することが、12月の初めに発表されました。日本は1997年の京都議定書で温室効果ガス排出量縮小を宣言しており、住宅分野でも省エネ住宅を広めていくために、来年から断熱の最低基準を定められる予定でした。それが、業界の圧力なのか、義務化が見送られ、「設計者の説明義務」だけになってしまいました。私は、7年前から省エネルギー住宅施工技術者・設計技術者講習にて講師として登壇してきました。その席で「2020年には義務化になる」と説明してきました。受講された方もその義務化を見据えて受講されていたことと思います。その説明が嘘になってしまうという事態となりました。

そもそも義務化される基準自体も大した基準ではなく、20年も前の平成11年度の基準(次世代省エネ基準)を守ることを定めただけのものです。守ること事態がそれほどたいしたことではない「低い断熱性能」を義務化するだけなのに、それを見送ってしまいました。世界はもとよりお隣の韓国でもこれよりも厳しい基準が義務化されています。
そもそも建築基準法で定められた断熱性能は、快適性とはかけ離れたとても低い性能です。あすなろ建築工房で基準としている性能は、もっともっと上のレベルで、皆がそのレベルで建てれば、暖房費、冷房費、維持費を削減することができ、結果的に家も永く使われることになり、国としてのエネルギー削減につながっていくものです。

 

 

今回の「断熱義務化見送り」は正直、とても驚きました。どんな業界の圧力があったか分かりませんが、時代に逆行したものであり、世の中に性能の悪い家をこれ以上増やすべきではないと思うので、今回の延期に対してのパブリックコメントを提出させてもらいました。高い意識をもって家づくりに携わっている人や性能のいい家を求めている人たちにとって不利益とならない制度にしてもらいたいものです。



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