2017年10月23日 学習・研鑽

新しい知識

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本日は、新木造住宅技術研究協議会(新住協)のオープン講習がありました。オープンの講習ということで、新住協代表理事の鎌田先生から、これまでの変遷など、高断熱高気密住宅について統括的なお話をお伺いすることが出来ました。

 

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高断熱高気密住宅は1960年代から北海道から始まったと聞いたことがありました。始まった当初は今有名な某大手ハウスメーカーが分厚い断熱材の外にアスファルトフェルトのようなシートを貼ってしまって結露で腐りまくってしまったりしていたとのこと。1985年頃から通気を確保出来るタイベックシートが普及するようになってやっと結露問題が解決されたそうです。しかし、阪神大震災以降に耐震性能向上のために、筋交いでなく、外壁に構造用面材を使うようになってまた結露問題が頻発したとのこと。これは私がこの木造住宅業界に来た頃の話なので、ほんの20年ちょっと位前の話です。これを解決するための通気の確保出来る構造用面材(モイス)や湿気を室内に戻せる多機能シート(ザバーン)が出回ったのはほんとこの数年前の話です。

 

北海道や東北地方だけで実践されてきた高断熱住宅がこの十数年位前に、北関東地方で取り入れる工務店が現れ、ほんの数年前から関東や関西の暖かい地域でも取り入れられるようになったとのこと。

 

高断熱高気密住宅というものは、まだまだ答がある訳でなく、研究途上のものとも言えます。だからこそ、新住協のような団体に志の高い実務者の皆さんが集まって、鎌田先生の提唱する工法を取り入れ、データを蓄積し、それを会員に発表し、改善するということを繰り返し行っています。

 

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新住協はグラスウールでの断熱を推しています。それは費用対効果が高いことが一番の理由です。グラスウールのデメリットがいろいろと噂されて(ネットに書かれていて)いますが、それは20年くらい前に板状の断熱材を売りたいメーカーが流した噂と言われています。実際にはグラスウールの発がん性は、コーヒーを飲むのと同じレベルと研究報告があるそうです。私も「どの断熱材がいいですか?」って聞かれることは多々ありますが、鎌田先生と同意見です。わざわざ高い断熱材を使わなくてもグラスウールで健康で十分な快適さを得られるのだから、他を使う理由は見当たらないです。(もちろん断熱材を薄くする必要がある場所などでは使います)

 

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全熱交換器の効果についてもお話をお伺いしました。「横浜のような温暖地では基本的に不要」と思っていましたが、効果の程はそれなりにありそう。実際に熱交換をしている家に住んでみるとその恩恵も大きいので、これからは積極的に提案していこうかと思います。

 

まだまだ学ぶことが多いです。標準仕様もまた変わりそうです。ホームページにも記載していますが、あすなろ建築工房のポリシーの一つは「立ち止まらない」です。環境やお客様のニーズに合わせて、常に進化し続けてしまいますので、ご了承下さい。(^_^;)



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