2016年12月8日 竣工後・メンテナンス・検査

六ッ川の家 温熱環境 途中レポート

引越しをして2週間近くになりましたので、この2週間での温熱環境について途中報告をしておきます。

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「横浜という温暖地ではUA値0.5、Q値1.5を下回れば快適な室内環境になる」との予測から、六ッ川の家の断熱性能はUA値0.48(W/㎡・K)、Q値1.488で、HEAT20のG2基準(UA値0.46)近くとなります。気密の数値のC値は0.3で、充填断熱工法での施工の条件下では、かなりいい気密性能を有しています。

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引越しの日が雪の日だったので、引越し日と翌日は暖房をつけましたが、その後からは暖房は一切なしで過ごしています。外気音が5℃程度であれば、室内の温度は19℃くらいを無暖房でもギリギリキープしてくれています。

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この数日間、深夜の一番外気温が下がる時間でも室内温度は21度をキープできており、薄手の部屋着、はだしで過ごせています。
昨日のように昼間が曇天で、夜間の外気温が5度を下回る状況でも室内の温度は19度確保できており、外気温5度までは無暖房で大丈夫そうです。これから冬本番を迎えるので、朝起きる頃に1時間程度エアコンをタイマーでONするなどすることなど検討して行きたいと思います。

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外気温が5度程度まで下がってくると窓ガラスへの結露が発生してきます。室内温度20度、湿度60%での露点は12度なので、予想どおりです。外気温5度以下となる場合には湿度管理をしっかり行う必要があります。寒い地域で窓性能を重視する理由がとてもよく分かります。

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モデルハウスということもあって、いろいろな種類のサッシ(アルミ(エイピア)、アルミ樹脂複合(エピソード、APW310)、樹脂(APW330,430)、樹脂内窓(プラマード))を設置しています。写真はアルミのエイピア。アングルまでしっかり結露してます。結露を拭かないと窓枠が腐ってきてしまいます。

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2階南側の掃きだし窓は、アルミのエイピアに樹脂のプラマードの内窓を設置した2重構造にしています。ガラスは通常の網いりペアガラスガラスにシングルガラスとなるのでガラス自体の性能が良くないこともあって、ガラス面に結露はびっしりです。プラマードの障子には結露が無いのはさすがです。

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アルミ樹脂複合のAPW310アングルへの結露は無いですが、障子の下部は結露しています。

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外気温が5度まで下がるとやはり樹脂サッシでも結露が出てきます。結露するのはガラス面だけ。窓枠の結露が無いのはいいですね。

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木サッシであるアルスの夢窓。ガラス面は結露していますが、障子や窓枠の結露はありません。

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トリプルガラスのAPW430はさすがです。結露してません。湿度をキープする環境とするには、窓の性能アップは必須であることがよく分かります。

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サーモカメラで撮影してみると、外気温が5℃近くでも壁の温度は20度をキープしています。

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掃きだし窓にはカーテン代わりにハニカムスクリーン(PVソーラーハウス協会assu)を設置しています。窓面温度を保つ効果は十分あります。窓面はやはり温度が下がりますが、ハニカムスクリーンのお陰で中央部で2℃下がる程度で収まっています。

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床の温度も壁と同じ20℃をキープ。この環境なら体感温度も19℃程度となるので、寒くは感じません。

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お天気の良い日のお日様のエネルギーも改めて実感しています。

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お天気がいいとお昼過ぎに室内の温度が26度を越えるので窓を開けないと暑いです。少しロフトの高窓をあけるなどして、熱を逃がす必要があります。グラフでは26℃を超えて暑くなったので窓を開けたため急激に温度が下がっています。外気を入れて温度を下げた後、窓を閉めるとまた気温が上昇していることが分かります。太陽のエネルギーは素晴らしいですね。

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気密がよいこともあり、CO2濃度はシビアに数値に現れます。しっかり換気設備を入れていれば、上記のグラフのように1000ppm以下をキープできます。

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換気装置を切って6畳間程度の寝室に2人就寝すると、朝方にCO2濃度が3000ppmを超えてしまいます。3500ppm以下であれば即座に健康に影響があるわけではないですが、2000ppm以上だど、頭痛、眠気、倦怠感、注意力散漫、心拍数の増加、吐き気の発生などの症状が現れるともされているので要注意です。

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今回は全熱交換機を設置していますので、湿度を下げずに換気することが出来ています。「温暖地に全熱交換器はいらない」という見解も聞いていたのですが、室内環境向上にはかなり寄与していそうです。

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温度、湿度は計測器によって誤差もあるので、いくつか同じ場所において確認しています。温度はそれほど差は出ませんが、湿度は5%くらいの誤差が出ます。

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全熱交換器の効果もあって室内の湿度も60%以上をキープできているので、インフルエンザ感染予防目安の「ほぼ安全」の温室度環境を維持出来ています。断熱と気密の双方の性能を上げる必要性があることがよく分かります。

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残念なのが、ペレットストーブの出番がないこと。設計当時から「床下エアコン一つで家全体を暖めることが可能」としていたので、予想とおりではあるのですが、、、。これから冬本番となる1月2月と冷え込むことを期待したいと思います。

これからもしっかりと数値を取りつつ、体感も踏まえて、レポートをしていきたいと思います。



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