つなぐ家 -上野毛の家-

つなぐ家最寄り駅から徒歩5分。緑の多い閑静な住宅街にあった奥様のご実家を建替え。
お子様も巣立ち、ご夫婦がこれから終の棲家として、ゆっくりと時間を過ごすための住宅です。
「将来は子世帯に住み継いでもらいたい」という希望から、子育て世代でも対応できるよう、可変性を持たせました。帰宅~食事~くつろぎまでの流れ、調理~洗濯~掃除の一連の家事の流れなど、家の中での「つながり」を意識した構成です。
「この土地で子、孫と住み継いでいって欲しい。」
生活をつなぎ、世代をつなぐ。「つなぐ家」にはそんな想いが込められています。

 施工事例:つなぐ家 -上野毛の家- はこちら

2016年11月に竣工。
Tさんご夫妻は結婚されて約40年。古稀を迎えたご主人は現在もお仕事で単身赴任中のため、奥様のMさんにお話を伺いました。
ご主人は転勤が多く、約20年の間に10種類のアパートやマンションに住んでこられたそうです。
お父様が亡くなり、お母様と暮らすためにご実家へ戻られました。
30年前にお父様が建てられたご実家は、収納の使いにくさや不要な地下スペース、冬の寒さなど、Mさんにはそぐわない面が多かったようです。
その後お母様も亡くなられ、売却も検討されたようですが、「生まれ育ったこの土地で過ごしたい」という気持ちから、建替えを検討されるようになりました。

 

あすなろ建築工房を選んだきっかけは?
また、ここに依頼しようと決めた理由を教えてください

家を建て替えようか考えはじめた頃に、或る住宅相談センターで、セミナーを受講したり見学会へ参加したりしていました。
ある日、最初は全く考えていなかった自然素材を使った住宅見学会に行く機会があり、自然素材で作られたお家で、すごくいいなと思ったんです。
自然素材を使った家を建てられている工務店ということで、ご紹介いただいたのがあすなろ建築工房さんでした。
もちろんハウスメーカーさんも視野に入れ、いろんな見学会へも行きましたが、最終的には信頼できる方にお願いしたいと思いました。関尾さんやスタッフみなさんの人柄が、あすなろ建築工房さんに決めた理由です。
土木の技術者である主人は、地盤や構造などについて様々な質問をしましたが、全てに納得のいくお答えをいただきました。そのあと、主人から一言、「あすなろ建築工房さんにお任せしなさい」と。それであすなろ建築工房さんにお願いすることを決めました。

 

家づくりの際、どのような要望を伝えましたか?

つなぐ家 キッチン大きくは2つです。
スッキリと住まうためには収納スペースが独立してあった方が良いと考えましたので、まず家具を置かなくていいように、ウォークインクローゼットや、収納がたくさん欲しいということです。
普段使わない食器や食糧、梅干しなども漬けるので、それらの置き場としてキッチン奥にパントリーを設けていただきました。
それから、家の中どこへ行っても一定の温度であることでしょうか。何かを取りに行かなければならない時に「あの部屋は寒いから行くのが嫌だわ」と思ってしまわないような、そんな空間がいいとお伝えしました。

 
つなぐ家 シルバー専用収納つなぐ家 ウォークインクローゼット
細かなところでは、キッチンから部屋全体が見渡せることや、コンロの火力と使いやすさなどでしょうか。それから、父が海外で購入したスプーンやフォークなどのシルバーセットを引き出しに収納できるようにしていただきました。また、私は食洗器を使わないので、使い勝手のよいところにふきん掛けなどを付けていただきました。動きが最小限で済むようなオリジナルキッチンはとてもいいですね。

主人の唯一の要望は、家に帰ったらすぐ部屋着に着替えたいということでした。玄関を入ったところにウォークインクローゼットを作っていただきましたが、玄関からリビングに来る間に着替えが済んでしまうので、まるでスーパーマンのようですよ。(笑)

  

特に時間をかけて検討したことはありますか?

つなぐ家 パントリー家事室周りでしょうか。家の中からも外からも半々で使えるスペースが欲しいとお願いしました。
キッチンと日当たりの良い家事室、パントリーがつながっているので、とても使いやすいです。
例えば、キッチンで使った飯台や落し蓋などを洗って家事室の窓際に置いておけば、直射日光が当たってきれいに乾きますし、すごくいいですよ。
それから、玄関ではなくお庭に出入りできるところが欲しかったので、家事室に出入り口を付けていただきました。家事室には何をしまうか、置いておくかもしっかりと聞いていただきましたので、とても気に入っています。

 

建設中、現場にはいらっしゃいましたか?
また、職人さんたちの仕事ぶりはいかがでしたか?

つなぐ家 Mさんはい、1ヵ月に一度は必ず来るようにしていました。
基礎工事の時だけは旅行中で来られませんでしたが、解体、建て方、大工さん、家具屋さんなどいろんな方にお会いしました。
例えば、左官屋さんは寡黙な方で、黙々と作業されていらっしゃいましたが、漆喰の壁はまるで芸術作品のようです。特に電気を付けるときれいに影が出て素敵です。

竣工後のある日、先輩ご夫婦が我が家に遊びにいらっしゃったのですが、「新築されたお家がこういう感じだなんて全く想像していなかった。家に対する考え方を新たにしました。」とおっしゃっていました。
また、家にいらっしゃる方は必ず「木のいい匂いがする」とおっしゃいます。
住んでいる私自身も考えを新たにしました。マンションなどは、床が合板だったり、キッチンもビニールクロスが貼ってあったりしますが、自然素材で職人さんが丁寧に作られた家は本当に違いますね。

 

実際に暮らしてみていかがですか?

家全体の感じ、感覚がこれまでとは全く違います。とても住みやすいし、何よりうれしい!
暮らす前は、これまで住んでいたところと比べ、最初は天井が低いかなとも思いましたが、その分階段の高さが少ないので上り下りも楽ですし、吹き抜けもあるので圧迫感もありません。
また、東向きですので、もっと暗いかと思っていましたが、いろいろな工夫をしていただいたので、とても明るく日中電気を付けることもありません。
南からの直射日光が入らないようにしてくれているので、夏は涼しく、また冬は暖かいので、とても暮らしやすいです。

 

「こうしておけばよかった」という点はありますか?

つなぐ家 主寝室転勤が多く、あてがいぶちの住まいに慣れている主人は、ベッドをシングルではなくセミダブルにしたいと家ができあがってから言い出しました。でも、計画段階からシングルということで間取りを決め、主人も了承していたので、この要望は叶いませんでしたね。(笑)

住み始めてから「家事室の窓際に折りたたみ式の台があればよかったな」と思いました。
先日後付できないかご相談したのですが、私が想像したように後付けではきれいには納まらないようなので、これはあきらめました。
設計段階で考えが浮かんでいればよかったのですが、住んでみて、使ってみてから気が付くこともありますね。

 

お気に入りの場所はどこですか?

つなぐ家 玄関いろいろありますが、実用面ではやっぱり家事室かな。とっても使いやすいです。
視覚的な部分ですと、リビングからも見えますが、玄関の下側にある小窓がお気に入りです。
玄関は家の顔になる場所ですし、ここだけでお帰りになるお客様もいらっしゃるので、特別感を出したいと申しあげたところ、このように設えていただきました。玄関の飾り棚には、季節毎に置物を変えたりして、季節感を出すようにしています。
つなぐ家 フリースペース
また、2階部分は将来、息子家族が住んだ時の子ども部屋として用意しましたが、今は父が持っていた絵や工芸品などを飾り、ギャラリーとして使っています。
1階にも所々にピクチャーレールを設置していただきました。
お友だちが遊びに来たときは、ご案内するんですよ。

  

これからどのように暮らしていきたいですか?

つなぐ家 庭昭和25年から父たちが住んで、私が二代目、息子たちが住んだら三代目。同じ場所で、同じファミリーが住み繋ぐというのが私の夢なんです。
この家に「つなぐ家」と名前を付けていただきましたが、「縁」、「家」、「世代」がつながるという意味が込められています。
昔の家の写真もありますので、変遷がわかるようなアルバム作りをしたいですね。
30年前、父が建て替えた家には父の想いが込められていたと思います。ですから、父の家にあった敷台や灯篭、踏み石などは残したくて、今回使ってもらいましたし、お庭にあった木も、私が気に入っていたものを植え替えてもらいました。
そういうものを眺めながら、次の世代に住み継いでもらい、「つなぐ家」になればいいなと思っています。

 

これから家づくりをされる方へのアドバイスをお願いします

つなぐ家 Mさん自分の希望、要望をきちんと考え、はっきりと伝えることですね。「なんとなく」ではなく、具体的に「クローゼットをこういう形にしたい」とか。
それから、自分がどういう生活をしてきたか、これからどういう生活をするのかということを考えて家づくりをすることが大切なのではないでしょうか。
小さなこだわりが積み重なって、この家ができました。どんな小さなことでも、口に出すことで自分の家になっていく。この家を建ててみて、「家づくりはこういうものなんだ」ということを実感しました。

 

あすなろ建築工房から一言

関尾 Tさんに初めてお会いした際に、Tさんはすでにいろいろなハウスメーカーや工務店を見ていらっしゃっていました。そんな中から、あすなろ建築工房を選んで頂けたことはとてもうれしいですね。あすなろ建築工房のお客様の多くは、そんな方が多いです。
普通に建てると東西に長く、南面を広く取った間取りになるのですが、敷地を調査すると、東側の土地が下がっており、地盤の地耐力もあまり期待できないものでした。Tさんにお話をお伺いするとやはり東側は湿気も多く、以前のお家ではいろいろと不具合もあったとのこと。そこで、この部分に家を配置せずに、南北に長い形でのプランをご提案しました。この方がプライバシーも確保しやすく、Tさんにとって過ごしやすいものと思いました。
モノを大事にされるTさん。「この家も住み継いでもらいたい」という願いを形にし、名前も「つなぐ家」とつけさせていただきました。
Tさんは、あすなろ建築工房のイベントには毎回ご参加くださり、検討中のお客様にもお声掛け頂いたりして、お客様をつなげて・・・・頂いています。「あすなろ建築工房のお客様がもっともっとつながるといいな」と感じています。ありがとうございます。