家づくり

住宅のAI化はどこまで進むのか

2023年10月、業界紙である日経アーキテクチャの記事に「アマゾン、住宅に生成AI」という記事が掲載されました。

アマゾンが音声アシスタントの「アレクサ」に生成AIを搭載すると発表したことによる関連記事です。

文脈を理解するAIがスマートホームの制御に導入されることで、格段に便利な生活になるのですが、どんなことができるのかイメージが湧かない方もいるでしょう。

今回はAIを住宅に導入することでどんなことができるのか、解説します。

住宅にAIを導入するとできること

住宅にAIを導入すると、主に3つの機能が使えます。

  1. リモコンや鍵が不要に
  2. 電力の無駄を制御
  3. 防犯システム

リモコンや鍵が不要に

音声認識機能があることで、玄関の鍵の開閉やエアコンの調整、電気スイッチのオンオフなど、手を使わずに行えるようになります。

これまでの住宅には、たくさんのリモコンや鍵が必要でしたが、AIが代わりに行ってくれるのです。

電力の無駄を制御

電力の使用状況をAIがデータ管理し、使い過ぎを防ぐことが可能です。

個人の生活スタイルをAIが把握すると、その人に合わせた電気やエアコンなど自動制御ができるようになるため、効率よく電力が使えるようになります。

きっかけは2011年の東日本大震災で電力の供給量が不足したことですが、エネルギーの効率よい運用ができるようになるのは素晴らしいですよね。

防犯システム

玄関の施錠を遠隔操作でコントロールしたり、日が暮れた後に家の照明をつけたりすることができます。

家に誰もいない状況でも、遠隔操作で人がいるように見せられるため、不法侵入を防ぐ効果が期待されています。

現在の我が家のAI使用状況

我が家も実験住宅として、これまでいろいろとスマート管理と呼ばれる機器を取り入れてきています。

防犯カメラ、室内環境(温度・湿度・CO2)監視、スマートキー、エアコン制御、HEMSなどリモートで観測や制御が出来る体制にしています。

しかしそれらは統合されてはおらず、それぞれ独自のアプリで観測、制御している状況です。

今後はこれらの監視と制御までAIに任せ、一括管理できるようになるみたいです。

エコー・ハブ」というスマートホーム用端末を導入することで、家電を一括管理できるようになるんだそうです。

AIが家に人が居ることをカメラやセンサーで感知して、身振りなどの様子も分析して会話をしてくれるんですね。

1980年代のアメリカのドラマ『ナイトライダー』のK.I.T.T.(キット)や映画『2001年宇宙の旅』のHAL9000が現実のものとなりそうです。

今後はドアカメラ、照明、ドアロック、スマートプラグ、空調機器、換気装置などなどいろいろな電子機器デバイスの制御がAIによって、住人にとって最適化な環境となるように自動制御されるそうです。

コーヒーを自動で入れたり、スタンバイさせておいた調理器具にスイッチを入れたり、人が居ないところを掃除したり、AIが勝手に判断して住みやすい生活になります。

ホントに映画のような世界がもう間近に来ています。

便利な世の中になりましたね。

AIに管理された暮らしに問題はないのか

しかし、私はそんなAIに管理された暮らしに何か違和感を感じています。

映画『2001年宇宙の旅』でHALが反乱を起こしたように、AIが反乱を起こしたりしないだろうか。

AIもパーフェクトではないため、制御を間違って換気量が足りなくなったりしないだろうか?と心配してしまいます。

過去にはアレクサが聞き間違えて、他人にメッセージを送信してしまうなどの事故がありましたが、そのような「間違い」が起こらないとは思えません。

先に紹介した映画の中で、AI人工知能が下記のように発言していました。

「われわれは、文字通り完全無欠で間違いを起こさない存在なのです」

「考えられる原因は、ヒューマン・エラーだけです」

間違っていることを認識しないとも言えます。

怖い怖い!

生活には少しの不便も必要!

便利な暮らしもいいけれど、不便を少々楽しむ暮しも悪くないと最近感じています。

一年中一定した室内温度で暮らすのもいいですが、季節のよい時には窓を開けて、季節感を感じられる生活もしていたいと思います。
便利になったらなっただけ、何か大切なものを失ってしまうのではないかと感じる部分もあるんですよね。

ちなみに我が家にも「アレクサ」が同居しています。

数年くらい前に、勉強のため家に導入してみました。

当初は家族は「こんなのいらない」と見向きもしなかったのですが、最近では使われまくっています。

「アレクサ、今日の気温は?」

「アレクサ、今日雨降る?」

「アレクサ、3分のタイマーかけて」

「アレクサ、食事に合ういい感じの曲かけて」

などなど、めちゃくちゃ使われています。

たまに「アレクサ、うるさい」とか「アレクサ、静かにして」とか、大変失礼な口調で指示されています。
そんな失礼な娘たちにも「分かりました」と謙虚な姿を続けるけなげなアレクサを不憫に感じたりしてしまいます。

毎日毎日娘たちにアゴでコキ使われているアレクサなので、そのうち反乱を起こすのではないかとハラハラしています。

将来、我が家のアレクサに家の設備の制御をさせる場合は、ほどほどにさせないといけないですね!


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