2026年5月2日 現場報告

「粋継(すいけい)の家」

3年前に完成した「南馬込再生計画」の離れとなるお家のリノベーション工事がようやく完成しました。
築90年のお家をリノベーション工事しました。

上記は工事前の写真です。
戦中は外国人が住んでいたり、戦後は数寄屋好きの粋狂な借主が自分でいろいろと増築したりアレンジして住まわれていたとのこと。

上記も工事前の写真です。
近年は現代風?のリフォームが入ってしまって、趣がかなり減ってしまっていました。

石場立てだった基礎には、新たにべた基礎を設け、土台からやり直しています。
壁の耐力を新たに確保するとともに、屋根の下地も2階の下地も葺き直し、平面剛性も向上させています。
過去の改修工事で柱が抜けてしまったところは、梁を補強するほか、元の柱位置に柱も戻しています。

以上のように、断熱性能的にも耐震性能的にもかなり無理がある状態でしたが、戦後の粋な雰囲気に戻す形で性能向上リノベーション工事を行い、耐震等級1、断熱等級5まで性能アップしました。

南側のファサードになんとも言えない趣がありましたので、この表情を残しつつ、しっかりと性能も確保しました。

そのため、南側の木建具はそのままにして、内側に断熱ラインを設け、室内側に断熱内窓を設けています。

「開けたらびっくり」が多い現場で、結果的に工期は1年以上かかってしまいましたが、結果として次世代に受け継ぐことができるリノベーション工事を行うことが出来ました。

玄関は、元のガラス引き違い戸が趣があったのでそのまま再利用してあります。
セキュリティと断熱の問題があったので、玄関内側の部屋の位置繰り部分の扉に新たに鍵を設け、ここを断熱ドアとしました。

ダイニングキッチンは、造作キッチン。

1階の和室はリビングルームとなりました。4本の引き戸でダイニングと仕切ることが出来ます。

リビング奥の納戸は、書斎スペースになりました。

カーペット敷きとなっていた階段は、元の姿に戻しました。

階段脇の装飾は、そのまま残しています。

2階の和室1は、元の衣装をそのままに再現しました。

造り机もそのまま残しています。

窓際の内縁となっていた部分は、外の木製窓はそのままにし、サンルームのような扱いとしました。和室との間に断熱性能とセキュリティを確保させた4枚の樹脂製サッシを設置しています。

2階の和室2も元の意匠をそのまま残しています。

床の間もキレイになりました。

こちらの内縁部分もサンルーム扱いとしました。外部の木製引き戸はそのままに、内側に樹脂製の4枚引き戸サッシを設けています。

水回りは現代風に使いやすいものとしました。

洗面所は理科実験流しとスライド鏡を設置しています。

トイレはカウンター付き。

浴室はシンプルなユニットバス。

以上のように、昭和初期から90年が経ち、命が途絶えそうになっていたお家に、新たな生命力を注ぎ込みました。
さらにもう90年住み継いで頂きたいと思います。



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