2018年12月12日 つぶやき(家づくり以外のこと)

省エネ基準適合義務化延期という悲しい現実

 

本日は「住宅省エネルギー技術設計者講習会」で講師を行ってきました。住宅の省エネ化基準をクリアするには、詳細計算ルートと簡易計算ルートと仕様ルートの3つがあります。本日は後者2つの講習会です。

 

 

2020年に省エネルギー基準義務化されるにあたり、この7年前からこの講習会が開催されてきました。先日のブログにも書いたことなのですが、「7年も経つのに世の中は全然断熱に対しての意識が上がっていない」と悔しく感じる日々を過ごしています。12月はじめの頃の新聞で「省エネ基準適合義務化 小規模住宅は対象外」との報道がされました。義務化することで、消費の冷え込みが予想されるので業界内外から圧力がかかったと思われます。まだまだ断熱性能の低い家が新しく建てられ続けてしまうということです。そのような性能の低いお家にお住まいの方から「寒くて、結露して大変」ということで、断熱リフォームの依頼があすなろ建築工房にひっきりなしに来ているという現実があります。新築時に少し頑張れば、そのような事態を回避することが出来ます。健康に快適に過ごすためには、本来であれば義務化基準以上の性能が必要なのに、義務化基準さえ守ることが出来ないメーカーや工務店がまだまだ多いということです。悲しい現実です。

今回の講習もこの義務化基準についていくことが出来ない設計事務所や工務店のために、「簡易計算でも当面は許しますよ」という緩和策についての講習です。本当なら簡易計算ではダメなんです。設計者ならしっかりと詳細計算して、自分の設計する住宅の性能を担保してあげる必要があるはずです。この性能を確保させてあげないとお住まいになる家族はそこで快適な生活は出来ないのです。家づくりに関わる設計者の皆さんは、ここをしっかり理解して設計を行って頂きたいです。



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