2011年12月10日 竣工後・メンテナンス・検査

無垢材の乾燥

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昨年竣工したお客様のところに一年目検査にお伺いしました。

以前にご連絡を頂いていた部分なのですが、キッチン吊戸の背板が割れてしまいました。

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無垢の杉板で作った棚です。背の板が乾燥による伸縮に耐えられずに縦に割れてしまいました。木材は年輪方向に大きく乾燥伸縮します。家具製作の際には乾燥した材料を使ってはいますが、完全な乾燥材ではない(完全な乾燥には数十年~数百年かかる)ので、無垢材を使用する限りは、伸縮は避けられないものです。材の種類、材の場所、材の木目、使われる環境によっても乾燥伸縮の程度はいろいろと違ってきます。固定の仕方で伸縮してもよいようにルーズを確保しておくことがよいのですが、今回は吊戸を浮かせして設置すこともあり、がっちり固定で作ったものです。がっちり固めて作ることで耐えられる予定でしたが、予想以上に背板部分が縮んだようで、パックリと割れてしまいました。無垢材を使用している限り避けられない症状でもあり、「これが無垢材の味」って思ってもらうしかないんです。(;_;) もちろん今回のように割れてしまった場合には、しっかりと補修します。今回は、 吊戸の設置強度は足りているので、割れた部分をカバーできる背板を重ねて設置して補修します。



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